『ルイズは悪友(とも)を呼ぶ! After』その4

いろいろあってスランプから脱しきれてません。
某所の「世界樹」SSが難物でして、評判がイマイチ……いやイマサンくらいなうえ、自分でもモチベーションがいまいち上がらないという。大筋自体はほぼラストまで出来てるのになぁ。
あ、今日は「るいとも」の方です。

『るいとも *Aの04』

 「決闘!? 誰が誰と? どうして??」
 すっとんきょうな声をあげているのは、この学院ではルイズの使い魔ということになっているサイト・ヒラガーこと平賀才人。
 今日は学校が半ドンだったので、気まぐれに魔法学院を訪れてみたのだが、彼の姿を見かけたルイズが、有無を言わさず女子寮の自室に引っ張って来たのだ。
 「私が、ギーシュの馬鹿と」
 簡潔極まりない答えを返すのは、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。彼の恋人にして幼馴染、そして主でもある少女だ。
 「ああ、あの"ロサ・キザンティア(気障薔薇の君)"とか。で、理由は?」
 「それがね、ヒドいのよ! アイツったら、自分が二股かけてたクセに……」
 憤慨するルイズの話を要約すると、ギーシュが自分の彼女のモンモンと下級生のケティを二股かけていたことが、彼自身のちょっとしたミスから露見し、それを誤魔化そうと無関係なメイドのシエスタに八つ当たりしたらしい。
 「で、思わず、「表ェ出ろ、コンニャロウ!」と言ってしまった、と」
 「テヘッ♪」
 視線を逸らしカワイこブッても、あいにく10年来の付き合いであるサイトには通用しない。
 「お前なぁ、頭に血が上ると相手を見ずにケンカ売る癖はやめたほうがいいと思うぞ? 公園の砂場で遊んでるガキじゃねーんだから」
 "本来の歴史"の流れを知ってる人間からしてみれば、噴飯物のサイトの台詞だが、こちらの彼はそれだけルイズがらみのトラブルで苦労しているのだと、お察しいただきたい。
 「だーいじょーぶ! 私とサイトが一緒なら、どんな相手にだって勝てるわ! "無敵の龍"と"最強の虎"と呼ばれた私達なら!!」
 「いや、呼ばれた覚えはねーし」
 確かに、小学校低学年のころの近所の公園では、ふたりがタッグを組めばケンカで負けなしではあったのだが、さすがに幼児のケンカと一緒にするわけにもいくまい。
 「ひとりひとりでは単なる火でも、二人合わされば大きな炎となる!」
 「──熱血してるところ悪いんだけどな、ルイズ。これ一応決闘なんだろ? だったら一対一でないとマズいんじゃないか?」
 「……あ!」
 どうやらそこまで考えてなかったらしい。
 「どどど、どーしよう、サイトぉ!?」
 途端に取り乱して涙目になるルイズ。
 「う、うろたえちゃダメよ、ルイズ。トリステイン貴族は決してうろたえないッ!」
 いや、もう十分うろたえてますから、と指摘するのも何なので、生暖かく恋人を見守るサイト。
 「うー、私の"爆発"って結構加減が難しいのよ。ドラまたの"爆煙舞(バーストロンド)"みたくダメージより吹き飛ばすこと優先できればいいんだけど……。
 やっぱり学生同士のケンカで七分殺しはマズいわよね。何とか半殺しくらいに抑える方法は……」
 ──どうやら、「負ける心配」ではなく「勝ったはいいが、やり過ぎる心配」をしていたらしい。
 「サイト、いい考えある?」
 「仕方ねーな。俺が代わりに出よう」
 「ヘッ!?」

 その日の放課後。学院内の広場には20人ほどの学生たちが集まっていた。
 「諸君、決闘だ!」
 お決まりのギーシュの口上とともに、サイトvsギーシュという格ゲーで言うところの"アーケードモードの第1戦"が始まった。
 ギーシュは無論、いつもの学院の改造制服姿。
 対してサイトは、いったん自室に戻って、厚手のデニムのシャツとスリムジーンズ、足元は動きやすいハイカットのバッシュと言った服装に着替えている。
 その上からバイクに乗る時愛用している皮のブルゾンを羽織り、見かけだけなら戦闘準備完了といったところだ。
 「あ~、薔薇好き少年ギーシュ君、ルイズの奴が事を荒立てちまった点は謝る」
 「サイトくん、君が話がわかる人だったのは不幸中の幸いだね」
 「とは言え、この状況では、早速握手して和解ってワケにもイカンのだろうなぁ」
 「そうだね。こと決闘ともなれば、貴族の誇りに関わる問題だから……それより、いいのかい? 君は東方の出でメイジではないと聞いているが。
 愛しきレディの代理で決闘の場に立とうという、その心意気は買うがね」
 「ま、そのヘンは何とでもなるさ。現に、俺の母さんはルイズの母親と互角にやり合ったみたいだし」
 「ほぅ。本当ならそれは興味深い話だが……では、始めようか。ただ、僕は貴族なので魔法を使わせてもらうよ」
 ギーシュが気取った手つきで彼の魔法の杖──青銅のバラを取り出し、得意のゴーレムを呼び出そうとする。
 対するサイトは、ブルゾンのポケットに入れていた右手を出す。
 「まぁ、その、なんだ……たいようけん」
 面倒くさそうにサイトが呟いた瞬間、あたりに学院の生徒たちがそれまで見たこともないような白い閃光が満ちた。
 「ぐわっ! 目が、目が~!」
 真正面からそれをまともに目にしてしまったギーシュは、網膜を焼かれて某天空の城の大佐のごとくのたうち回っている。
 「あ、あれは……天使ハーンが得意とした体遥剣!」
 「知ってるの、ルイズ!?」
 「ええ。古えの世、七つの龍球のもとに集った伝説の戦士のひとり、三つ眼の天使ハーンが編み出したとされる聖属性の技よ……」
 ルイズとキュルケたちが民明書房ごっこをしている間に、駆け寄ったサイトが、ギーシュを小手返しで投げ飛ばして押さえ込む。
 「チェックメイトだな」
 その姿勢のまま、懐のホルスターから抜いたピストル(実は陸上のスターター)の銃口を、ゴリッとギーシュの後頭部に突き付ける。
 「こいつは俺の故郷で使われている銃だ。
 こちらのメイジは多少の銃創くらいは魔法で治しながら戦うと聞いてるけど……頭に風穴あけられても、それが出来るものか、試してみるか?」
 「ぼ……僕の負けだ」
 灼けた金属と火薬の匂いに怯えたギーシュが負けを認め、あっさりとケリはついた。

 「それにしても、サイト。あの光はなんなの? いえ、カメラのフラッシュを使ったことは想像がつくんだけど……」
 ギーシュが3人の女の子に謝罪するのを見届けたのち、ルイズの部屋でふたりは話し込んでいた。
 「ああ、コレさ」
 サイトがこともなげにポケットから取り出したのは、いわゆる使い捨てカメラだった。もちろん、ルイズが言うとおりフラッシュもついている。
 ただ、肝心のそのフラッシュ部分が、高熱で焼けただれたように変形していたが。
 「例のミョズニトニルンの能力でさ、マジックアイテム及び機械類を完全に理解&操作できるって言っただろ?
 で、その"操作"の部分をちょいといじれば、道具の機能を本来より過剰に引き出せることがわかったんだ」
 もっとも、オーバードライブさせた道具は下手すると壊れちまうみたいだけどな、と肩をすくめる。
 「ふーん、なるほど、それでワザワザ使い捨てカメラを買ってきたのかー」
 なんか、「ソードワールド2.0」で指輪を割って瞬間的に能力ブーストするみたいねと、またマイナーなたとえをするルイズ。
 「でもサイト、やっぱりこーいう時は、「ハーミットパープル!」って叫んでポラロイドカメラを壊さないと……」
 「ジョジョネタのためだけに、3万円も無駄にできるかっつーの!」
------------------------------------------
以上。今回の才人くんは「卑怯」「姑息」と言われかねないギリギリのラインで戦ってますが……この話の彼は、身体的にはあくまで凡人(一応スポーツマンではありますが)ですので、ご容赦を。
ちなみに、空気が読める才人は、あとでこっそりギーシュにフォロー入れてます。
スポンサーサイト

テーマ : 自作小説(二次創作)
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

KCA(嵐山之鬼子)

Author:KCA(嵐山之鬼子)
Pixiv、なろう、カクヨムなど色々書いてます。感想などもらえると大変うれしいです。
mail:kcrcm@tkm.att.ne.jp

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード