『ルイズは悪友(とも)を呼ぶ! Before』その8

先週末あたりから、メインPCのモニターが不調……だったのですが、しばらく放置しておいたら、なぜか直ってました。
自己修復機能付き!? すげーぜ、L●GITEC!
というわけで、もはや金曜ですが、更新。
ビフォーの8話、前話から続いて文化祭準備編の2です。

『るいとも *Bの8』

 機嫌よくラーメン屋を出たのち、3人は文化祭の準備を整えるべく、まずは貸衣装屋、それも舞台演劇用などではなく、むしろコスプレショップとでも言うべき品揃えの店へと向かった。
 ヲタク度がそれなりに高い才人のような少年にとっても、普段はなかなか敷居の高い店ではあるのだが、女性陣ふたりは平気な顔をしている。
 むしろ、「あの衣装がかわいい」「これなら似合いそう」などと談笑しているあたり、さすがは筋金入りのヲタク女子と言うべきか。
 春奈はこれまでの即売会で何度か利用しているらしいし、ルイズも前回の夏コミでコスプレで注目される楽しさに目覚めたのかもしれない。もともと、ゲームその他のおかげで、特異な服装自体に抵抗感は薄いようだし。
 とは言え、今回は文化祭でクラスメイトたちにウェイトレスさせるのが主眼だ。あまりに露出が高いものや動きにくいものは却下だろう。
 とりあえずは、無難なロングスカートの英国風メイド服を3着、対になるような執事服を2着、今は無き不二家系有名ファミレス「ブロパ」風のウェイトレス衣装と、同じく著名な井村屋系ファミレス「アンミラ」っぽい制服を各2着、予約する。
 「あれ、接客係は男女合わせて20人じゃなかったか?」
 才人の疑問に、ルイズが答えた。
 「女子の分5着は、私とはるなんが自作するのよ。男子の執事服は着回して、残りは格ゲー風の空手道着姿と、適当な女装ね。最後のは最悪学校の女子用ブレザーとか着せればいいし、余裕があったら私たちで作るわ」
 ……ということで、次は手芸用品店へと連れて来られる。
 ランジェリーショップほどではないが、こちらも男子としては入りづらい場所だ。とは言え、荷物持ちとして徴発されている以上、同行しないわけにもいくまい。
 才人は、もはやあきらめの境地で、ふたりのあとをカルガモのヒナよろしくついて回ることにした。
 「はるなんは、ミニスカ和服って言ってたけど、どんなのイメージしてるの? 「シャイニング・ウィンド」のクレハとか?」
 「それも悪くないけど、作るのが難しそうね。わたしとしては「それ散る」の星崎希望をイメージしてるんだけど。ほら、元々甘味処の制服だし」
 「お? もしかして、あの甘味処の票って、高凪さん?」
 ふたりの会話を聞いていた、才人が口を挟む。
 「う……まぁ、ね。わたし、どちらかって言うと洋菓子より和菓子系が好きなの。ところでルイズちゃんは?」
 「うーん、Piaキャロ系メイド服って言っても、「2」と「GO」の2種類あるのよねー。作るのは「GO」の方が簡単そうなんだけど、私が着るとなると、ちょっち胸が寂しいし……」
 憎い、希少価値なこの貧乳がニクい! とルイズは血涙を流す。まぁ、こんな風に茶化せるくらいだから、それほど深刻に気にしているわけではないのだろうが。
 「一応彼氏の身としては、どっちもスカートの短さが危険極まりないと忠告させてもらおう。いっそ、同じF&Cつながりで、喫茶ロムレットの制服にでもしたらどーだ?」
 才人の思いつきに、パチンと指を鳴らすルイズ。
 「それ、いただき! メイド風かつシックでキュート。男性だけでなく女性受けもしそうだし、まるで私のために用意されたような制服よね!!」
 アレだったら既成の黒のワンピースにちょっと手を入れるだけでできそうだし、と制作面での効率も気に入ったようだ。
 「わたしも、一昨年まで着てた浴衣を改造するわ。ところで、あとの三人分はどうする?」
 「才人ン家のツテをたどれば、ナースの白衣は大丈夫よね。残りは……ミニスカポリスかスッチー?」
 「お前……その発想はあまりにオヤジくさくねーか?」
 「でも、高校の文化祭なんだから、学校の制服系ってのもイマイチ新鮮味ないでしょ」
 「かと言って、SFとかファンタジー風は作るのが大変よねぇ……あ! 「ARIA」のウンディーネの制服ならどうかしら?」
 白いロングのワンピースをベースにしたそれは、特徴的だが同時に着る人もさほど抵抗感のなさそうな落ち着いたデザインだ。
 既成服からの改造も楽そうだということで、春奈のその案が採用された。

 「そうは言っても、それなりに生地とか買うんだな」
 手芸用品店を出たとき、3人の左手には中くらいの紙袋が提げられていた。
 「一応、失敗したときのことも考えて、布とかは多めに買っておくのよ」
 「ま、そうそう失敗するようなコトはないと思うけどね」
 謙虚な春奈と自信満々なルイズが対称的だ。
 そのまま、今度は手近なスーパーへと足を向ける。
 「でも、確かにお前、裁縫とか意外に上手いんだよな。ルイズのクセに……ってイテェーー!」
 「ど・お・ゆ・う・い・み・か・し・ら?」
 グリグリと足を踏まれて飛び上がる才人。
 「いや、だって、お前、イイトコのボンボンもといお嬢じゃん」
 「私は手先が器用なのよ! 華麗なる指さばきの妙は、才人自身、対戦ゲームでコテンパンにされて知ってるでしょーに」
 「いや、まぁ、確かにそうだけど……それが、なんで袋入りのインスタントラーメンひとつ、満足に作れねーんだ?」
 何気なくサ○ポロ一番の袋を手に取りながら、本気で不思議がる才人を見て、春奈がクスクス笑う。
 「ルイズちゃんはね、平賀くんの作った物が食べたいのよ」
 「──俺より母さんとかカトレア義姉さんのほうが料理は上手いと思うけど」
 「フフ……そういう意味じゃないわよ。知っててトボケてるでしょ?」
 級友の「わかってるから」風な生温い微笑みに、このふたりにしては珍しく、照れて言葉をなくしてしまうルイズと才人だった。
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以上です。原作では、手芸が趣味なわりにヒトデマフラーを編んでしまうルイズさんですが、このSSでは一転、器用に裁縫をこなします。原作でのアレは「趣味」というよりむしろ半強制された「ご令嬢のたしなみ」として身につけていたのだと推測。対して本作では、まさしく好きなシュミのために邁進してますから、相応に上達するだろうと。好きこそ物のなんとやらです。
ま、テレビゲームで指の動きを鍛えてるってのも、あながち間違いではないんでしょうけど。
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