謹賀新年 &ss『偉大なりヘタレ力』

あけましておめでとうございます。

と言っても、暮れと正月は実家で過ごし、東京に戻っても対して新年らしいコトはてないんですが。
そう言えば、「FDC」、ようやくクリアー。
と言っても、未だ地下10階のボスを倒して、物語にひと区切りつけた程度ですが。
「WIZ」で言えばワードナを倒したレベル。20階まで先は長そうです。

で。「FDC」ネタの「ToHeart2」SSのネタも考えてみたり。
あの世界ではメイドロボ三姉妹が人間になってる(充電施設とかなさそうだし、毒になったり回復魔法で治ったりするし)とか、ジョシコーセーにクラスチェンジした春夏さんが、実は年齢までピチピチの18歳に若返っていて、貴明のハート(&下半身)をがっちりゲッチュする(それまでは一応自重していたが、タガが外れた)とかで、SS書くとおもしろいかも。
あとは、こんな小ネタSSも……。

『偉大なりヘタレ力』

 あの何とも不可思議な世界での一連の戦いの後、無事に俺たちは現実世界に戻って来た。
 当初は夢かとも思っていたんだけど、現実に帰って皆の記憶をつき合わせてみたところ、るほぼ一致した以上、アレは紛れもなく現実だったのだろう。
 ともあれ、無事に現実(こちら)に戻って来れて何より……だと思っていたんだけど、そうは問屋が下ろさなかった。
 「何、辛気臭い顔してんのよ、ヘタレ男」
 「うぉっ!? ああ、郁乃ちゃんか……」
 まったく気配を感じさせずに後ろに立って声をかけるのはやめてほしいな、心臓に悪いから。
 ──勘のいい人にはコレだけでわかったかもしれない。
 そう、こちらに帰って来てからも、あの世界でみんなが身につけた肉体的・精神的技能はすべて有効だったんだ!
 たとえば、郁乃ちゃんなんかは、最終的にスカウト系の最上位職トレジャーハンターにまで成長してたから、隠密技能がハンパじゃない。
 それでも、タマ姉とかささら先輩の戦士系や、郁乃ちゃんや由真なんかのスカウト系はまだいい。現実離れしているとは言え、まだ「職人芸」の範囲で説明はつく。
 問題は、このみや小牧さん、珊瑚ちゃんと言った魔法使い系の方々。
 ……ええ、しっかり使えますともさ、魔法が。
 そりゃ、るーことかは元々不思議な力が使えたし、数年前ウチの学校を卒業した来栖川財閥のご令嬢も比喩じゃなく「魔女」だったって噂もあるけどさ。
 いくら何でも現代日本で「魔法」はないだろ!?
 幸い、マジックユーザー系の女の子たちは比較的おとなしい子が多いのが救いか。
 ──いや、待て。小牧さんと菜々子ちゃんはともかく、それ以外は微妙に問題ないか?
 ・このみ(ソーサレス)
  →子供っぽくて、落ち着きがなく、かなりお気楽。危険度B
 ・小牧さん(ビショップ)
  →常識人で苦労性。ただし、やや天然でうっかりさん。危険度C
 ・ちゃる(エンチャントレス)
  →無口で理性的。ただし、意志が強くときどき非常に頑固。危険度C+
 ・珊瑚ちゃん(セージ)
  →頭はいいし、優しい子だけど、時々発想が斜め上を行く。危険度B+
 ・菜々子ちゃん(マジカルプリンセス)
  →おとなしくて純粋で、いい子。ただし、念願の魔法少女になれたことに
   浮かれている可能性あり。危険度C+
 ・るーこ(ウィッチ)
  →元々、魔法じみた力を持っていたため、魔法の使いこなし自体は無問題。
   だが、その分常識がやや欠如気味。危険度A
 ……改めて考え直してみると、そのヤバさに頭が痛くなってくるな。
 「アンタ、相変わらず、余計な気苦労揉んでるわねぇ」
 うぅ……そうは言うけどね、郁乃ちゃん。
 「でも、あたしは、ある意味感謝してるわよ?」
 こんなに早く、自分の足で駆けまわれるようにむなれるとは思ってもみなかったし、とトントンとその場で軽くフットワークを使ってみせる郁乃ちゃん。

 お姉さん──小牧さんと一緒に帰るつもりだと言う彼女と別れて、俺は校門に向かった。
 ──うん、まぁ、確かに何人かは喜んではいるんだよ。
 健康体(というか、ドラゴンとタイマン張れるほど丈夫)になった郁乃ちゃんは元より、たとえば知らないあいだに人間になっていたイルファさんやはるみちゃん、シルファちゃん達。
もっとも、本人たちは嬉しそうだったけど、研究所とのあいだでは結構いろいろあったみたいだ。
 このみのお母さんである春夏さんも、(半分シャレで)ジョシコーセーにクラスチェンジしてもらったら、なんとホントに18歳くらいの女子高生になっちゃったし。無論、こちらの世界に戻っても、若返った外見に変わりはなし。
本人はすごく喜んでたけどさぁ……おじさん、帰って来たら娘と同世代の奥さんに腰抜かすんじゃないかな?
 「あら、どうしたんですか、貴明さん?」
 あ、草壁さん……うん、例の件で、ちょっと反省をね。
 「例の……ああ、あのことですね」
 クスクス笑う草壁さんは、あのダンジョンの奥で見た黒さなんて欠片もなく、俺の心を癒してくれる。
 ちなみに、草壁さんの最終クラスは「歌姫」。イメージにはピッタリだし、探索の時も色々助けてもらったんだけど……。
 「まーりゃん先輩と、逆の方がよかったかなぁ」
 あちらの世界を探索してる時、せっかくだから最上級職を各ひとりは揃えようと頑張ったんだよね。
 メイドから始まる支援系のメンバーについては、「ジョシコーセー」が春夏さん、「歌姫」が草壁さん、で、残る「マスターアイドル」にはバード経由でまーりゃん先輩になってもらった(シルファちゃんはレベルが足りなかった)。
 あちらでも「オレの美技に酔いな!」と、やたらうるさかったんだけど(まぁ、その分活躍はしてたけど)、こちらに帰って来た途端、何を思ったのかいきなり芸能界入り。
 いや、そりゃいつまでも「永遠の女子高生」を気取ってニートでいるよりは、アイドルだろうが何だろうが働くほうがいいに決まっているけどさぁ。デビューからわずか1カ月であの緒方理奈に迫る勢いってのは破格過ぎだろ!?
そりゃ、確かにレベル50越えの「マスターアイドル」なんだから、歌も踊りも人心掌握もお手の物なのかもしれないけどね。その上、「卑怯上等」のあのまーりゃん先輩だし……ウン、ある意味、適職だったのかも。
 おっとりした草壁さんじゃあ、芸能界の荒波を乗り越えられないかもしれないし……あのヤンデレモードは別として。
 「? 何でしょうか?」
 「いやいやいや、何でもない。草壁さんの場合、あまり無茶な特技とかはないよね?」
 「うーーん、そうですねぇ。歌魔法は案外地味ですし……むしろメイドさんとしての応急手当ですとか料理や掃除のほうが、日常では役に立ちますから。
 あ、でもセルフセッションはちょっとした隠し芸にはなりそうです」
 ああ、アレね。何べん聞いても不思議なんだけど、一体どうやってひとつの口から2種類の歌を歌うなんて器用なことができるの?
 「フフフ、それは……乙女の秘密です」
 はは、やっぱりね。草壁さんならそう返すと思った。
 るーこに呼ばれていると言う草壁さんとも別れ、その日は久しぶりにひとりで家に帰ることになった。
 いや、例の一件以来、女の子達との親密度が妙に上がって、帰りはほぼ誰かと一緒だったんだよね。
 昇降口まで誰もいなくても、吉岡さんや山田さんが校門で待ってたり、下校途中に菜々子ちゃんやイルファさん、春夏さんとバッタリ出会ったり……。
 そう言えば、春夏さんがウチの3年生に転入してくるかもって噂、ガセだよな? 
 ──今の春夏さんなら、あながち無理ではないのが、微妙に怖いけど。
 ……な~んて、とりとめもないコトを考えながら、俺は久しぶりの孤独を堪能していたんだ。
 その晩、とんでもない事件が待ち構えているとも知らずに……。

  × × ×  

 「で、るーこちゃん、ワザワザ私たちを集めたのは、何か理由があるのよね?」
 「──もちろんだ、うーたま。今日集まってもらったのは、ほかでもない、うーのことだ。うーは……何者かに憑かれている」
 !!!
 「──本来は、あの件に関わった19人全員に声をかけるべきかもしれないが、内容が内容だけにメンバーを選んだ」
 そう言って自分が集めたメンバーの顔を見回するーこ。
 武芸十八般に加え、今ではダークロードとしての戦技にも長けた貴明の「姉」、環。
 その親友であり、高潔な心根と侍としての高度な剣技を併せ持つ生徒会長のささら。
 不随意ながら時間跳躍する超能力の持ち主であり、霊感じみたものも備えた歌姫・優季。
 意外と怖がりなこのみや由真、騒動を大きくしがちな花梨やまーりゃん達に声をかけなかったのは、正しい選択だろう。
 星空の彼方の部族の戦士にしてシャーマンたる、るーこ自身を加えれば、大概の事態には……。
 「あ、あのぅ……それなら、どうしてわたしが呼ばれたのかなぁ?」
 「おねーちゃんもお化けとか苦手だもんね」
 恐る恐る挙手する愛佳……と、付き添いの郁乃。
 「──うむ。うーまなは、今回の件の切り札だ」

  × × ×  

 「……で、タカ坊、申し開きは?」
 タマ姉をはじめ、氷のように冷たい6対の視線が俺に突き刺さる。
 いや、そう言われても、俺にも何がなんだか……。
 仕方ない。
 あ…ありのまま、 今起こった事を話すぜ!
 「居間のソファでテレビを見ながらうたたねしていたと思ったら、
  いつの間にか裸の女の子がふたり添い寝していた!」
 な…何を言ってるのかわからないかと思うが、俺にだってさっぱりワケがわからない。
 「──催眠術とか超加速とかではない。それがうーのヘタレ力」
 はぁ!? そこでまた例の「ヘタレ力」なの?
 「あの……その娘たち、どこかで見た記憶があるんですけど」
 顔を真っ赤にしながら(同性の裸でも、やはりこういう状況は気まずいらしい)、小牧さんが指摘してくる。
 うん、確かに、俺にもどことなく見覚えがあるんだよね~。
 ひとりは俺と同じか少し上くらいのきれいなおねーさん、もうひとりは中学生くらいの美少女。ともに銀髪でスレンダーな体型のわりに胸が大きいから姉妹かもしれない。どこかはかなげな雰囲気も似ているし……。
 けど、黒・茶色・赤・青・緑・金にピンクと、俺も大概色んな髪の色の女の子と知り合いだけど、銀髪というカテゴリーの娘はいなかったような気がする。強いて言えば菜々子ちゃんがそれに近いけど、どちらかと言うと紫系だしなぁ。
 「ん……」「ふにぁ」
 お、目を覚ましたみたいだ。こうなったら本人から話を聞くのが手っとり早いだろう。
 「だんな様ァ……」「にーさん……」
 へ?
 いやいやいや、皆サン、視線が怖いですヨ?
 てか、フーアーユー?
 「そんな、お忘れになられたのですか、だんな様?」「にーさんのイケズぅ」
 この口ぶりだと、人違いってことは……ないんだろうな。
 「だんな様の熱いお情けをいただいて、一生ついて参りますと申し上げましたのに」
 「ウチのこと抱きしめて、可愛いて言うてくれたんは嘘やったん?」
 いいっ!? 何ソレ、覚エガナインデスケド……って、あれ。
 つい最近、そんな言葉をどこかで耳にしたような気が……。
 !
 「──思い出したか、うー。そやつらは、あの地下洞窟で出会った女怪だ」

  × × ×  

 るーこの言葉は本人達の証言もあいまって肯定された。
 どうやら彼女たちは、正真正銘、あの世界のダンジョンで出会い、戦ったうえで封印したモンスターのうちの2体、幽霊と雪女らしい。
 ……そう言えば、ツンデレの多い女の子系モンスターの中でも、このふたりは特にけなげに俺を慕うような言葉を残してくれてたっけ。
 抱いてた時の言葉どおり、実体は失いながらも、ずっと思念のまま俺のあとをついて(憑いて?)回っていたらしい。
 俺達がこちらへ来る時も思念のまま俺にひっ憑いて来てしまい、一ヶ月間「力」を蓄えて無事実体を取り戻したんだとか。
 ──そう言えば、どうも最近肩が重いような気がしてたんだよなぁ。

 で、その彼女達の処遇なんだけど……。
 「だんな様、そろそろ学び舎に行かれるお時間になりました故、起きてくださいまし」
 「あ、おはよう、にーさん。朝ごはんの用意できてるでー」
 ……ええ、未だウチにいるんです、ハイ。

 本来、るーこ達はあの時、俺に憑いている「悪しき者」を撃退するために夜分密かに来てくれたらしい。あの世界でのトップメンバーを揃え、わざわざ対霊攻撃のエキスパートであるビショップのいいんちょまで駆り出して(小牧さん、怖がりなのに)。
 ところが、フタを開けてみれば相手は可愛い女の子。しかも俺に害を為すどころか、尽くす気一杯とあって、毒気とやる気を抜かれたんだそうだ。
 ふたりとも、るーこ曰く「アストラル体とは思えぬほど安定して実体化している」そうで、実際普段接する分にはなんら生身の人間と変わりはない。誰の目にも見えるのはもちろん、触れるし物も持てるし、ご飯だって食べられるし(さすがに歳は取らないらしいけど)。
 結局、俺を蚊帳の外に置いたままの「淑女協定」の協議の結果、彼女達もめでたく存在を容認されることになったというワケ。
 まぁ、一応、ウチのメイドロボであるシルファちゃんが同居人が増えることに難色を示したり、イルファさんが「ふふふ、ついに21股ですか……」とアルティメット化しかけたりと色々あったけど、紆余曲折の末、何とか無事におさまった。
 るーこの説明によると、彼女たちが再び実体化できたのも、俺のヘタレ力の影響なんだとか。て言うか、ヘタレ力って一体何なんだよ? 世界を革命する力か!?
 「はい、おカバンです、だんな様」
 「にーさん、ハンカチとちり紙持ったか? 学生証は?」
 朝ごはんを食べ終えた俺は、ふたりに見送られて、学校へ向かう。
 (ちなみに、シルファちゃんは昨晩から里帰り──姫百合家に一時帰宅している。どうやらイルファさんに呼ばれたらしい……何か企んでないといいんだけど)
 「うん、ありがと。じゃあ行って来るよ、雪奈(セツナ)さん、美幽(ミユ)ちゃん」
 まぁ、いつまでも「雪女さん」「幽霊ちゃん」ってのも味気ないので、せっかくなので名前をつけてあげた。
 「いってらっしゃーい」と玄関から手を振るふたりに、軽く手をあげて応えつつ、足取り軽く学校に向かう。
 いや、さすがに当初は恥ずかしかったけど、半月もすればさすがに慣れた。
 ──まぁ、今後も色々厄介事はありそうだけど、何とかなるんじゃないかな。
 そんな根拠のない予想を抱きつつ、とりあえずこのみと共に通学すべく、柚原家の呼び鈴を押す俺だった。

-FIN?-

以上です。小ネタと言う割に長く、しかもその割に中味がない! まぁ、FDC記念ネタということで、ご勘弁。FDCの女の子モンスターたちには、何気に関西弁の娘が多かったのがツボです。図鑑で封印シーンをリプレイしてほしかったなぁ。



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非公開コメント

No title

イルファさんたちの企みが気になります。
某多妻な人々みたいになるんでしょうかねぇ。

>Darksideさん

コメントどうもです。
ありましたねぇ、「多妻な人々」。
しかし、ココの貴坊の場合、過去最多クラスではないでしょうか。
何せ21人……人妻の春夏さんと●学生の菜々子ちゃんを除いても19人ですから。
一晩に二人ずつ相手をしても……十日ごと!? (某マップスの惑星ドドーみたい)
どこの大奥ですか(笑)
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KCA(嵐山之鬼子)

Author:KCA(嵐山之鬼子)
Pixiv、なろう、カクヨムなど色々書いてます。感想などもらえると大変うれしいです。
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