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『事態悪化!?』

 とりあえず、スマホ故障の精神的痛手からは、なんとか立ち直りました。まだ、WEBその他でFGO関連の話題を目にするとキツいですが……。結果的に寝る前の「ゲーム時間」が1時間以上短縮されて健全になったのは良かったんだか悪かったんだか。
 気を取り直してTS掌編。某所投下済みのを誤字脱字微修正しました。


『事態悪化!?』

 風邪と思って行った病院で、自分が100万人にひとりの奇病“タクヤ・シンドローム”──通称TS病にかかったと知った時、もちろん悲しいとか残念だとかいう気持ちになったけど、じつは少しだけホッとしているトコロもあったんだ。

 ボクには、西園寺若葉っていう幼馴染の女の子がいる。彼女は、頭脳明晰・容姿端麗・品行方正を地でいく才媛で、学校でも生徒・教師ともに人望が高い優等生、“みんなの憧れのお姉様”……なんだけど。
 唯一の欠点が男嫌い──というか多分レズなんだと思う。
 無論、男嫌いだからって、特に何もしていない男子生徒や男性教諭に対して無闇にキツく当たったりはしない(そのくらいの分別は彼女にもある)んだけど、小さな頃から知ってるボクだけはその例外。
 挨拶しても冷ややかに無視されたり、ちょっとでもミスするとやたら丁寧な口調で馬鹿にされたり、時には無理難題をフッかけられたりしてたんだ。
 ボクとしては、若葉は物心ついた頃からの気心の知れた幼馴染だし、小学校を卒業するくらいまでは仲良くやってきた相手だから、それなりに親しみや好意をもってたんだけどね。

 最近では、若葉の当たりのキツさに、学校に行くのが辛い(あいにく同じクラスなんだ!)とさえ感じるようになってきたところで、TS病でボクは女の子になってしまった。
 これ幸いとボクは「女の子になった今の姿を友達に見られるのは恥ずかしいから」という理由を述べて両親に頼み、そのまま全寮制のマリア女学院に転入させてもらった。
 名前も清彦(きよひこ)から聖子(きよこ)に変え、苗字も母方の篠原姓を名乗ることにする。これで若葉とは顔を合わせる機会もほとんどなくなった……はずなのに。

 「な、なんで、女学院(ここ)に若葉がいるの?」
 「あーら、それはもちろん、愛しのキヨくん改めキヨコさんとラブラブするためですわ♪」
 色々話を聞いてみたところ、若葉の男嫌い&百合趣味というのは、周囲に見せていたほど重度のものじゃなく、「ちょっと男の人が苦手/可愛い女の子が好き」くらいの代物だったらしい。
 「じゃあ、なんであんな風に普段からツンケンしてたのさ!」
 「もちろん、キヨくん以外の男を寄せ付けないためです」
 ああ、だからこそ、ボクに対してだけは難癖つけつつ色々かまってきたのか。
 でも……好きな子に意地悪することで関わろうなんて、幼稚園児とレベルが一緒だよ!!
 「そ、それは、申し訳ないとは思っているんですのよ。我ながら嫌なツンデレ娘の典型的行動をとっていたと思いますし……。
 でも、キヨくんが身近からいなくなった時、わたくし、自分の気持ちに正直になることに決めましたの」
 その結果、ボクを追いかけてこの女学院にまて転校してきた──のみならず、寮の部屋まで同室にするなんて、予想外すぎるよ!

 「でも、いいの? ボク、女の子になっちゃったから、もう、若葉をお嫁さんにしてあげることはできないんだけど」

 そう、それは本当に小さな頃、幼稚園に上がる直前にしたふたりの約束。

 「おおきくなったら、きよくんのおよめさんにしてね」
 「うん、もちろん。やくそくする!」

 幼い日の他愛もない、けれど純粋で真剣だったあの約束を、ボクはもう果たすことが……。
 「あら、ご存じありませんの? TS病患者は、性同一性障害者などと同様のケースとみなされて、戸籍上の性別を自分の意思で決められるのですよ?」
 「…………マジ?」
 「ええ、マジです。それに、もしキヨくん、いえキヨコさんが女性になることを選ばれても構いませんわ。いえ、むしろその方が好都合です♪」
 ズズイっと迫ってくる若葉。
 「ちょ、若葉、顔が近い近い!」
 若葉がボクのおとがいに指をかけるとクイッと持ち上げて覗き込む。
 「うふふ……本当に女の子になったのですね。それもとびきり可愛らしい♪」
 「え? ちょ、待って、若葉さん、ボク、まだ心の準備が……」

──アッーーーー!

 「ごちそう様でした♪」ホクホク
 「ぅぅ……まだ女の子になって半月しか経ってないのに、ボクの“はじめて”奪われちゃったよぅ」
 念のため断っておくと、キスだけだから! まだ、ば、処女(バージン)の方は許してないからセーフだもん!
 「あらあら……でも、まぁ、楽しいことはじっくり進めていくのがわたくしの流儀ですし、同室なのですから焦る必要はありませんわね♪」
 ! そうだった。寮で同室なうえに若葉とはクラスも一緒なんだよ。
 「ええ、これからは毎日おはようからおやすみまで一緒にいられるのですよ♪ あら、そうなるとこれって新婚生活の予行練習みたいなものかしら」

 ──アカン。こんな状況で暮らしてたら、ひと月も経たずに若葉の(事実上の)お嫁さんにされてしまう。
 「どうしてこうなった」と呆然とするボクの傍らで、若葉は幸せそうに(でも同時に「絶対逃がしません♪」とちょいヤンデレ風な執着も見せつつ)柔らかく微笑むのだった。

P.S.
 ひと月どころか、1週間ももちませんでした。
 あぁっ、ボクの馬鹿! 意志薄弱! エロエロ脳!!
 でも、(世間的にはさておき)お互いの気持ち的には昔からの想い人と結ばれた幸福(ハッピーエンド)なんだよね。
 むぅ……こうなったら仕方ない。あきらめて激流(わかばのあい)に身を任せよーっと♪
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Author:KCA(嵐山之鬼子)
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