『ルイズは悪友(とも)を呼ぶ!』05

「ドリームクラブ」と「ラブプラス」を始めたのですが、これがイマイチのめりこめない。
いや、どちらもよく出来ているとは思うのですが……。

*今回は、ルイズの学院での一日を描写。まずは前編です。


『るいとも *その5 魔法の国のルイズ(上)』

 トリステイン魔法学院。始祖の系統に連なる由緒正しき王国トリステインの名門貴族の子弟たちが通う、これまた由緒正しい学校である。
 ……あるのだが、そこはやはり年端もいかない子供たちのこと。やはり、「一流貴族に相応しい」学生ばかりが集っているとは限らなかったりするわけで。
 ──あさ~、あさだよ~、あさごはんたべてがっこう…プツッ!
 「んぁー、やっぱ朝の目覚ましは名雪に限るわねぇ」
 豪奢なピンクブロンドの髪をボサボサにしたままベッドの上に起き上がるルイズ。
 ワザワザ日本から持ってきた某ギャルゲーグッズの目覚まし時計で起きるあたり、ヲタク少女の面目躍如と言ったところか。
 実は、以前、録音機能を使って、才人の声で起床メッセージを(無理矢理)吹き込んでもらったこともあるのだが、一応恋人であるはずの少年の声では、いまいちスッキリ起きられなかったと言うのだから、なかなかに業が深い娘である。
 ケロリンの洗面器(わざわざ平賀家の近くの銭湯からもらってきた)に、タオル、フェイスソープ、歯ブラシ&歯磨き粉、うがいコップを入れて、まだ若干フラフラしながらも、部屋の扉を開けて廊下に出るルイズ。
 「……あ、忘れてたわ」
 再び部屋に引っ込むと、シンプルなミニラジカセを左手に提げて出てくる。
 ようやくしっかりした足取りで学院女子寮の廊下に足を踏み出すと、そこにはいつもの如くお隣さんのゲルマニア少女が突っ立っていた。
 「あら、おはようルイズ。相変わらず早起きねぇ」
 「あー、おはよ、キュルぽん」
 面倒くさそうに軽く頭を下げると、ルイズはさっさと歩き出す。
 「ちょ、ちょっと待ちなさいよ、キュルぽんは止めてって言ったでしょ」
 慌ててルイズのあとを追いかけるキュルケ。
 「ん? じゃあキュルっち」
 「それもなし! 大体、そんな長い名前でもないのに、本人の了承も得ずにヘンなあだ名をつけないでよ」
 「でも、あだ名とか愛称ってそーゆーもんでしょ。誰かが呼びだして自然に広がるって言う……」
 「そりゃ、モンモンみたくクラスの大半がそう呼ぶようになったら話は別だけどね。あたしのは、あなたが勝手に呼んでるだけじゃない」
 「えー、だって、"モンモン"も最初に広めたのは私よ?」
 アウチ! そっちも貴女の仕業か。

 新興国家ゲルマニアからの留学生であるキュルケは、自分が伝統を重んじるトリステイン貴族の間では、かなり浮いた存在になるだろうとは自覚していた。
 しかし。
 その彼女の目から見てさえも、目の前の少女──彼女の生家ツェルプストー家とは不倶戴天の敵とも言うべきヴァリエール家の三女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは不思議な娘だった。
 頭は非常によい。座学の成績は常にトップクラスだったし、知識だけでなく、普段会話していても思考の回転が速いことは容易にわかる。
 容姿も端麗だ。今みたいな起き抜けの状態はともかく、普段はキチンと身繕いを整えているし、そうなればまさに「お人形さんのようにかわいらしい美少女」を地で行く。
 惜しむらくは胸のボリュームが足りないところだが、そういう子が好きな男性も少なくないし、本人もさほど気にしてる風ではない。
 礼儀作法や身ごなしも、さすが名家の令嬢だけあってピシッと決まっている。
 反面、魔法の技量については、コモン以外はからっきし。あまつさえ、系統魔法を失敗すると、大小さまざまな爆発を起こすのだ。
 さらに、教職員や上級生に対する外面は絵に描いたような「優等生」だが、同級生、とくに比較的気を許した人間に対する態度は、非常に独特のものだった。
 彼女の素の言動は、遠まわしに言えば「風変わり」、もっと端的に言えば「奇天烈」と評して差し支えない代物なのだ。
 例を挙げれば、ルイズは国でトップクラスの大貴族の娘でありながら、平民に対しても、ほとんど偉ぶらない。
 いや、それだけなら「慈悲深い貴族の鑑」と言えるだろうが、ルイズの場合はメイドたちに対してさえ、自然体で友達づきあいしているような感があるのだ。
 そればかりではない。たとえば、この起床後の一連の行動だってそうだ。
 「ひぃわ~まったのぼるー……とくらぁ。っはよー、タバサ、起きてる?」
 鼻歌を歌いながら、少し離れた位置にある彼女達のもうひとりの友人の部屋のドアをノックするルイズ。
 「──起きてる。おはよう」
 比較的小柄なルイズより、さらに一回り小さな、青髪の少女が顔を出す。
 それから3人が連れだって来たのは、女子寮から少し離れた位置にある井戸端だった。
 「あ、ミス・ヴァリエール、ミス・ツェルプストー、ミス・タバサ、おはようございます」
 水汲みに来たらしい顔見知りのメイドが丁寧にお辞儀してくる。
 「ああ、シエスタもおはよう。今朝もいい天気ね。じゃ、ちょこっと邪魔するわよ」
 ニッコリ笑ってルイズは持ってきた洗面器に水を汲み、まずはフェイスソープを使って顔を洗う。
 キュルケとタバサも、ルイズの持つその(ハルケギニアでは)珍しい洗顔液のお相伴に預かる。ハッキリ言って、コレで顔を洗うようになってから肌の艶が全然違うのだ。ルイズいわく「東方産の秘蔵品」ということらしいが……。
 さらに、歯を磨いてサッパリしたところで、いよいよ朝の日課を始めるのだ。
 (ちなみに、タバサはすでに1エキューでルイズから歯ブラシを分けてもらい、一緒に歯磨きしている。気持ちよさそうなので、キュルケもそろそろ歯ブラシを売ってもらおうかと考えているところだ)
 ♪ちゃーんちゃかちゃんちゃん……
 持参したラジカセから流れてくるのは、日本人にはおなじみのあの曲。ラジオ体操第一だ。
 「腕を大きく上にあげて背伸びのうんどー!」
 不可解な曲?歌?に合わせて奇妙な踊りを繰り広げるルイズを初めて見たとき、正直、気でも狂ったのかとキュルケは思ったものだ。
 しかし、今ではタバサとともに、その奇妙な「踊り」?を毎朝一緒にするようになっていた。
 博学なタバサによると、これには「筋肉をごく自然な形で伸縮させ、体の働きを活発にする一連の動作が組み込まれている」らしい。
 確かに、この「踊り」をするようになってから、身体の調子がすこぶるいい。深酒した翌朝でも、辛い体を引きずってコレに参加したあとは、心なしか体調が楽になってる気がするくらいだ。
 朝の一連の「儀式」を終えたあと、3人はいったん部屋に戻り、身なりを整えてから朝食に向かう。
 ここでも、ルイズは風変わりな行動に出る。
 用意された豪華な朝食の中から、パンとサラダだけを食べ、スープの代りにミルクを飲んで、残りは手をつけずにその場で厨房に戻すのだ。
 いわく「朝からこんなにヘビーなモン食べてたら、ブタになるわよ」とのこと。
 当初は厨房を預かるコック長のマルトーとひと悶着あったみたいだが、その後無事に話はついたらしい。
 ちなみに、ルイズの分のおかずは、そのままメイド達が分けて食べてよいことになっている。食べ残しではなくまっさらな状態で譲っているので、彼女達もさほど抵抗感なく口にしてるようだ。
 マルトーの料理は賄いといえども絶品だが、さすがに貴族用に作られたものは素材からしてその上を行く。その豪華料理を毎日口にできる機会をくれているルイズの人気は、メイド達のあいだでは、かなり高いらしい。
 「食べ物の恨みは恐いって言うけど、逆も真なり、ね。美味しいものを奢ってくれた人には、人間自然と好意的になるわよ」とはルイズの談。

 さて、授業中のルイズに関してはさほど特筆すべきことはない。
 強いて挙げれば、これまた「東方から取り寄せた貴重品」と称するノートと万年筆を使って講義の内容を書き留めていることくらいだろうか。
 相変わらず系統魔法の実技では爆発させてばかりだが、近頃はその「爆発」の方向性を色々模索しているらしい。
 昼食をはさんで午後の授業。そして、放課後になると、再びルイズの特異性が発揮されることとなる。
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今回はここまで。放課後ルイズの奇行?は次回に譲ります。
ちなみに、この作品のルイズのふたつ名は「爆烈のルイズ」。コモンスペルは使用できるので、ゼロとは呼ばれてません。
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テーマ : 二次創作
ジャンル : 小説・文学

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