『えみゅでれっ! ~奥様は魔王様~』

 たしか「2nd」が出た直後くらいに『ナイトウィザード』のエロパロとして2ちゃん卓ゲエロパロ板に投下した話。同じところで見かけた、メイドなベルや若奥様フェウス=モールの話の影響をモロに受けてます。
 ちなみにタイトルは「エミュレイターだけど、デレデレしたっていいよね? つーか、むしろしろっ!(命令形)」の略です(今考えるとイタイ)。
 ──にしても、私の「勇者♂×魔王♀」好きは、この当時から確立されていたのだなぁ、と今更ながらに思ったり。

 ちなみに、ベルが柊と結ばれた(告白した)時の場面や、なぜに堂々と柊のお嫁さんになれたか、などについても一応設定(もうそう)してありますが、まぁ、今更公開することはないでしょう。
 例によってこちらはR指定版ですが、18禁版はピクシヴに掲載してあります。


えみゅでれっ! ~奥様は魔王様~


 さて、これより語るは、痴人の妄想(ゆめ)、愚者の願望(ねがい)。
 ありえるはずのない──されどあるべきことを少なからぬ有情(もの)に望まれし泡沫の楽園。
 喜劇(それ)を紡ぐは二人の男女。
 神々(げんさくしゃ)の意志と、世界秩序(はいけいせってい)とを至高のものと奉じる方は、疾く去(い)なされい。
 されど、暇(じかん)をもて余し、酔狂(ものずき)を嗜まれる方は、是非にとは言わぬまでも、暫し覗いて行かれるもよろしかろう。
 彼の者たちの刹那の駘蕩(たゆたい)、それではご覧くだされませい。

 *  *  *  

 古来より、“ウィザード”と“エミュレイター”は、共に相容れぬ存在として敵対してきた。
 この世界を護るものと、この世界への侵略者という立場を考えると、それも無理のないこと。
 しかし……少しばかり前より、徐々に、緩やかにではあるが、この対立構造は――ごく限定された個人間で、と注釈はつくが――多少なりとも緩和されつつある傾向にある。
 無論、聡い方ならお気づきではあろう。契機は、そう“冥魔”の出現である。
 人間(ウィザード)側にとっては、エミュレイター以上に厄介で異質な敵であり、また、侵魔(エミュレイター)側にとっても、目をつけていた獲物を勝手気ままに食い散らかす目障りな外来者(よそもの)。
 さらに、あろうことか自分達の裏界(なわばり)にまで意地汚い手を伸ばしてくる、最悪の泥棒猫。いや、“猫”というより“鮫(フカ)”か。
 
 結果、呉越同舟というもまだ甘い、片手で嫌々握手しながら背中に回したもう片方の手に長ドスを握り締めてでもいそうな、「和解」という言葉からかけ離れた関係ではあるものの、条件つきにではあるが、両者(ウィザードとエミュレイター)が歩み寄る姿勢を見せたのである。
 これを快挙と見るか、切羽詰まった末の悪あがきととるかは――後世の人の判断に委ねられるべきことだ。

 ともあれ、人の世の秩序を守るウィザードの一端に、「落とし子」や「侵魔召喚師」などといった、ひと昔前なら「外道」「外法」扱いされそうな輩が加わったことは、まぎれもない事実である。

 ──ところで。
 話は唐突に変わるが、ここにひとりの魔剣使いの少年がいる。
 いや、周囲に「小さな……いいや巨大な奇跡だ!」などと騒がれつつ何とか高校を卒業した以上、すでに「少年」と呼ぶのは既にふさわしくないかもしれない。
 しかしながら、「青年」と呼ぶのにはまだ少々につかわしくない、やんちゃな風貌をした18歳の若者は、このところご機嫌だった。
 なぜか?
 原因のひとつは、その勤務状況だ──事実上フリーランスに等しい彼のそれを「勤務」と呼べるのかはいささか疑問だが。
 何せかつては、現役の学生であったにも関わらず、ロクロク授業に出る暇もないくらい、自称・世界の守護者にこき使われていたのだ。
 それこそ、不良を自認する彼が「頼む、俺に授業を受けさせろ」と泣いて頭を下げるくらいに。
 それに比して、このところの「出動」に関しては、だいぶ心の余裕がある。何せ、いくらウィザードとしての仕事に邁進しても、留年も落第もしないのだ。オマケに、「お仕事」したらしただけ報酬も入るし!
 ──仕事中毒(ワーカホリック)という言葉を誰か彼に教えてあげてほしい。

 いや、しかし、毎日毎日彼とて完全に「仕事」一辺倒な暮らしをしているというわけではない。
 銀髪の“守護者”との激烈な労使間交渉の末(と言っても、交渉にあたったのは、彼本人ではないが)、
「仕事の時間は原則朝9時から夕方7時まで。週休1日。非常時は左の限りではないが、拘束時間の分、あとで休暇をもらう」
 という、絶体絶命からの逆転が得意な某弁護士や巨大ロボで説得(物理)するネゴシエイターでも不可能と思えるくらいの労働条件を勝ち取っていたのだ。

 というわけで、なべて世もことはなし。
 先ほどまで絶海の孤島で3体のキマイラと単身命のやりとりをしていた彼だが、3体目を切り伏せ任務にひと区切りついたところで、ちょうど腕の時計が19時の時報を告げたため、飛行型の“箒”で家路についた。
 自宅近くの空き地に降り立った後、足取りも軽くマンションの階段を駆け上がり、我が家のドアを開けたところで、スパイシーな食欲をそそる匂いが鼻をくすぐる。
 「お、うまそー」
 幸せそうに頬を緩める彼を、台所の方から、エプロンをつけてお玉を片手に持った小柄な少女が出迎えた。
 「あら、おかえりなさい、蓮司さん」
 「おぅ、ただいま。今日はもしかしてカレーか?」
 「うーん、半分だけあたりね。スープカレー風ポトフよ。お昼の料理番組でやってたから、早速作ってみたの」
 と、少しだけ少女は視線を上目づかいのものに変える。
 「初めて作ったから、もしかしたら失敗してるかもしれないけど……」
 「いやぁ、お前、料理上手いからな。この間のカレーもおでんも絶品だったから、今回のもきっと美味いって」
 愛しい男性のお気楽な励ましの言葉に、少女は頬を赤らめる。
 「もうっ! おだてたって何にも出ないわよ。それに、いくらポトフが“洋風おでん”にたとえられるからって、いっしょくたにされるのも作り甲斐がないじゃない」
 口では、そう言いながらも満更でもなさそうだ。耳まで赤くして、クルリと振り向いたところで、少女は彼に背後からフワリと抱きとめられた。
 「ありがとな。いつも暖かい夕飯作って家で待っててくれて」
 「あ……あたり前でしょ。あたしは蓮司さんのお…奥様なんだから」
 先ほど以上に顔を赤らめた少女が振り向いたところで、タイミングよく、その“旦那様”に唇を奪われる。
 「! ん……」
 一瞬だけ驚いたものの、彼女は抵抗せずに彼のキスに身を委ねた。

 しばし、沈黙にも似た息づかいの時間が流れ……。
 「──台所の火、大丈夫か?」
 昔はこういうKY発言についイラッとさせられたものだが、今はそういうちょっとボケたところも可愛いと感じてしまう自分に内心苦笑する。
 「レンジで保温してるだけだから問題ないわ。ちょっと冷めちゃうかもしれないけど」
 そういって微笑う“妻”を、魔剣使いの若者は、両手でヒョイッと抱き上げる。言わずとしれた「お姫様抱っこ」というヤツだ。
 “初めて”の時や結婚式の夜など、すでに何度かこの体勢で運ばれたことはあるものの、その度に少女はウットリと脳にピンクの霞がかかり、同時に両腿の間があられもなく湿ってくるのを感じてしまう。
 どうやら、“最初”の時の印象が強烈に心身に刻まれて、半ば条件反射になってしまっているらしい。
 そして、その事を夫もわかっているのか、この“抱っこ”をしたあとの“営み”は、大概いつも以上に激しくなる。
 ……いや、まあ、いつも通りであっても、新婚夫婦の営みは十分以上に激しいものなのだが。
 (今夜は寝られないかもしれないわね。まあ、明日は日曜だし、いっか)
 短い廊下を経て、ふたりの寝室に入る時、少女──かつてベール=ゼファーと呼ばれ、一度は裏界の覇権を事実上手にしたことさえある魔王は、そんな所帯じみた──けれどとても幸せな感慨を抱いたのだった。

 *  *  *  

 「あーところで聞いていいか?」
 寝室のダブルベッドの上に新妻の体を下ろすと、柊は指先でポリポリと頬をかいた。
 「なぁに?」
 夜具の上にうっとりした表情で横たわったベルが、トロンとした目のままつぶやく。
 しどけなく伸ばされた妻の肢体をじっと見つめる柊。
 薄いピンクでフリルがたっぷりついたエプロンは、日頃から愛用しているものだからよいとして……濃紺の半袖膝丈のワンピースと襟に巻かれた真紅のリボンタイ、さらに白いレースのカチューシャは、どこからどう見ても、ある特定の職業を連想させる。
 「……なんでメイド服?」
 「フフ、蓮司さん、こーいうの嫌い?」
 ベッドの上でけだるげに身を起こすと、ベルは膝立ちの姿勢のままスカートをつまみあげてカーテシー(貴婦人の礼)のポーズをとってみせた。
 紛れもなく使用人(メイド)の格好をしているというのに、いや、それだからこそか、そのポーズは常人ではあり得ないほどの気品に溢れている。さすがは“大公”といったところか。
 その手のフェチな趣味の人なら、ゾクゾクくる程扇情的に感じるはずの光景だろう。
 だが、あいにくそういった傾向を持たない柊にとっては、ただ妻が愛らしいポーズで誘っているだけだ。もっとも、いずれにしてもガバチョと抱きしめることになるのだから、結果はさして変わりはないが。
 「あーくそ、可愛いぞ、ベル」
 「やぁん……」
 口とは裏腹に嫌がる素振りを微塵も見せず、そのまま押し倒されるベル。
 「あいわらず、ほっそいウエストしてんなぁ」
 抱きしめた姿勢から、柊の手がベルの華奢な腰の周りを滑り、左手はそのまま滑り下りてまろやかなヒップを、右手は逆に横腹から脇の方へと撫で上げる。
 「んっ……あぁん、もう……」
 エプロンとワンピースの間に忍び込んだ彼の指先が、少女のやや小振りだが形のよい胸元へと忍び込む。
 「お、またちょっと大きくなったか?」
 「もうっ、蓮司さんがいつもいつもしつっこく揉むからじゃない」
 確かに、以前の彼女はその15、6歳の外見に比して、バストの発達だけはあまり芳しくなかった。サイズとしては、まぎれもなくアルファベットの前の方。発育のよい中学生にも負けるかもしれないというレベル。
 それが、いまや巨乳豊乳とは言えぬまでも、外見年齢相応と言って差し支えないくらいには豊かになっている。かの“世界の守護者”や“はわわ巫女”に見られたら、「裏切り者」と罵られるだろう。
 「いや、お前、胸が小さめなの気にしてたみたいだったからな。迷惑だったか?」
 「……ばか」
 無論、そんなワケがない。
 確かに、あまり大きくない胸に女として引け目を感じていたことは、なきにしもあらずだった。が、それ以上に愛する夫の手で、彼好みの体に文字通り「育てて」もらっているという事実の方がうれしい。
 ──などと一瞬考えに気をとられている隙に、柊の不埒な指先はワンピースの胸元のボタンを巧みに片手だけで外し、衣服の中に入り込んで来ていた。
 お尻を撫でていた柊の左手も前に回り、いつの間にかスカートの裾をたくしあげ、ベルの下着を露わにしている。
 「もうっ、朴念仁のクセに、こんなコトだけ手慣れちゃって……」
 まさか、仕事先で浮気とかしてないでしょうね、と軽くニラむ。
 「バーカ、俺がそんなにモテるわけないだろ? それに、俺はベル一筋だからな」
 相変わらず周囲の空気──おもに女の子の感情──を読めてない発言をする夫に、内心溜息をつき、密かに「彼女たち」に半ば本気で同情する。
 だが、まぁ、それはソレ、これはコレ、この愛すべき鈍チン男なら、ほかの女の誘惑にそう簡単に乗ることもあるまい、と妻としてはひと安心だ。
 と、そんな彼女の想いを知ってか知らずか、柊はぎゅっとベルを抱きしめると、優しく、それでいて情熱的なキスを交わす。
 「んっ……ふっ……」
 素直に受け入れたベルの口腔に柊の舌が滑り込んできたかと思うと、そのまま彼女の舌をからめとった。
 chuっと音をたてて吸われるだけで、身体の奥部がジーンと痺れ、本能的にベルは夫の逞しい体に自らの肢体をなすりつける。

 彼女がキスに夢中になっている間に、ベルの体を抱きしめていた柊の両手がふたたび悪戯(わるさ)を開始する。
 「あっ……」
 先ほどボタンを外した胸元の隙間を今度はさらに両手ですばやく広げ、ライトパープルの下着に包まれたベルの胸をあらわにする。そのままフロントのホックを外すと、プルンと音がしそうな勢いで揺れながら、ベルのやや小ぶりながら形の良い乳房が外気にさらされた。
 「んんっ、もぅ……」
 怒ったように言うベルの顔は、しかしながらどこにも怒気など見当たらず、それどころか恍惚と蕩けきっていた。
 片手でやわらかなベルの胸を揉みながら、もう片方の手で彼女の衣服を脱がし、完全に上半身を裸にしてしまう。
 (──これが、半年あまり前まで、初夜の直前に鼻血を吹いて倒れかけた男かしら)
 愛する夫の手で快感に溺れながらも、どこか脳裏の片隅で、そんなことを思い、心の中で小さくクスリと微笑う。
 (もっとも、それを言ったら、あたしの変わり様の方こそ、それこそ驚天動地な代物かもしれないけど)
 まぁ、確かに、敵味方ともに名高いかの魔王ベール=ゼファーが、こんなファージアースの片隅で、(有名人とはいえ)人間の男の奥さんなんぞを(しかも嬉々として)やってるなんて聞いたら、エミュレイター、ウィザード問わず、己の耳を疑うだろう。

 ──などと多少の余裕があったのもそこまでだった。
 ミルクのように白いベルの柔肌をまさぐり、その胸の膨らみからゆっくりと着実に快感を送り込んでいた柊の指先が、ふたつの膨らみの頂点──淡いチェリーピンク色に色づく乳首を摘みあげたのだ。
 「ひんッ!」
 突然、それまでとは段違いのレベルの快楽を送り込まれて、甘い悲鳴をあげるベル。
 「お、もうコリコリしてる。ホントにベルはココが弱いなぁ」
 「……ゃ、やぁ、ダメだってばぁ……」
 今回の言葉には先ほどとは異なり、多少は本気の色が混じっていた。
 しかしながら、柊に容赦する様子はない。
 「朴念仁」と呼ばれる彼とてリッパな(?)若い男。半年以上も体を重ねていれば、自分の妻のその懇願が、「本気の拒絶」ではなく「完全にスイッチが入りつつある」ことの印なのだということくらいは、わかるようになる。

 「あ……そんな、いっぱい…だめェ……」

 「やぁ! す、吸っちゃダメぇ……」

 「んんっ……お、お願い……もうっ!」

 「あ、こら、ダメ、見ないでっ……」

 「ゆ、指じゃイヤ! あなたので……」

 「くぅっ……あぁっ……ダメっ、奥に……奥に届いてるぅ……」

 「ああっ、来て、そのまま来て、あたしの中をあなたでいっぱいにしてーーーーっ!!」

 ……
 …………
 …………………

 ふぅ、と大きく息をひとつつくと、柊はベルの上へと倒れ込み、彼女が重いと抗議する前に、ベルを抱きしめたままころんと反転して、己の上に妻を抱き止める体勢となった。
 「あーー、スマン。最後の方、ちょっと手加減忘れてた」
 「いいわよ、別に。あたしも気持ちよかったし」
 そのままピロートークに突入する柊夫妻。
 若い彼らのことだから、甘い囁きが一段落するころには互いに復活して、第二ラウンドが開始されることだろう。

 ──どうやら、ベルが初挑戦したカレーポトフが柊の口に入るのは、明日の朝になりそうだった。

おしまい
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