『がーるず・ぶらぼー』

これまた未完発掘シリーズで申し訳ないのですが、皮物に近いフェチ色のあるスーツ物を支援所で書こうとした『がーるず・ぶらぼー』をこちらに掲載。と言っても、全体の半分くらいしか書きあがってないのですが。大筋は考えてあるものの、続きを書くかは果てしなく微妙なので、思い切って此処にさらしておきます。


『がーるず・ぶらぼー』

 「やっぱ完全に体型変わってる……何度見ても科学の進歩ってスゲエなぁ、おい」
 鏡に映る自分の姿を見て、思わず感嘆の声を上げてしまう。
 そこには、身体にぴったりと貼りつく青い七分袖のレオタードのようなもの──ボディブリファーとか言うらしい──の上から、黒いフェイクレザーのビキニトップとホットパンツを着て、さらに同素材の長手袋とロングブーツも着用した、20歳くらいの「女性」が映っている。
 襟が隠れるくらいの長さの赤みの強い髪の毛はワイルドな感じにセットされ、化粧はシンプルに白のファンデとショッキングピンクのルージュのみ。
 肌の露出自体は少ないのだが、トップとボトムの間のボディブリファー部分の布地が薄いので、推定Bカップくらいの胸の膨らみや鎖骨のライン、きれいなヘソの形までがはっきり分かる。
 全体的にややパンキッシュな印象だが、十分「美人」のカテゴリーに入るだろう。オレだって、鏡に映る姿がほかならぬ自分自身でなければ、ナンパのひとつもしたいくらいだ。
 「“キーヨ”、あと5分でステージ始まるよ! 準備大丈夫?」
 おっと、もうそんな時間か。
 「わりぃ、今いくわ」
 くわえタバコを灰皿に押し付け、愛用のギターを手に控室の扉を開けて、呼びに来た“フータン”こと二見ふたばと合流する。
 さぁ、今夜もサイッコーのステージの始まりだぜぇ!!

  * * * 

 小学生の頃からの腐れ縁で、高校時代に一時はつきあっていたこともあるふたばに、「バンドのメンバーに欠員が出たの。キヨくん助けて!」と頼まれたのは、半月ほど前のこと。
 ふたばと別れたのは浮気とか明確な理由があったわけじゃなく、なんというか……自然消滅? お互い近過ぎて家族みたいな間柄だったから、改めて男女としてつきあうことに何となく違和感があって、どちらからともなく恋人関係を解消することになった。
 さすがに別れた当時は多少ぎくしゃくはしたものの、それから2年近く経つ今では、すっかり元の「気のおけない幼馴染」とも言うべき仲に戻っている。
 まぁ、それはさておき。
 ふたばが率いる“ストレイキャット”と言えば、最近このあたりで割合人気が出てきたアマチュアバンドだ。大学に入ってから暇を持て余していた俺としては、多少はギターも弾けるし、協力するのはやぶさかではないんだが……問題がひとつあった。
 「おい、ふたば、お前んトコ、ガールズバンドだろ? 男の俺が入ってもいいのかよ?」
 “ストレイキャット”は演奏の質もさることながら、メンバーのルックスのクオリティーが高いことで知られている。当然、各人の人気も高くそれぞれ一定数のファンもついている。
 そんなところに、黒一点として俺が混ざるのは、嫉妬やブーイングの的になるのではないだろうか? それを考えると二の足を踏まざるを得ない。
 「だいじょーぶだよ、キヨくん、美人さんだし♪」
 「美人言うな!」
 つまりは、ステージでは女装しろと言うつもりなんだろう。
 ブサメンに生まれるよりはいいのかもしれないが、俺はいわゆる女顔で、幼稚園や小学生の頃は、よく女の子に間違えられたりもした。
 ここだけの話、ウチのおふくろや隣家のふたばの母親に、女の子の服を着せられて、ふたばと並んで記念写真を撮られた黒歴史もある。
 でもなぁ。
 「いや、中学以前ならともかく、今の俺では無理があるだろ」
 そういう扱いが嫌で、中高時代、俺は部活に入って徹底的に体を鍛えた。中学は器械体操、高校は空手部に入って、真面目に練習に取り組んだ結果、身長181センチ、体重85キロ、体脂肪率10%弱という、ちょっとしたマッチョ体型になったのだ。
 「まぁ、ゴスロリとかの体の線が隠れる服装なら多少マシかもしれんが、お前んとこのバンドの雰囲気とは合わないんじゃねーか?」
 「う゛っ……確かに」
 “ストレイキャット”は比較的ライトなロック系だが、ゴスパンと言うよりは、タンクトップにデニムのミニスカorショートパンツといった「素朴なお色気&露出」路線のファッションのイメージだ。
 そんな中に、フリル満載のゴスロリちっくなドレスを着た身長180センチオーバーの大女が混じれば……馴染まないこと請け合いだ。
 「あきらめて、別のヤツ捜せ」
 俺としてもできれば協力してやりたいんだが、さすがに大勢の前で笑い物にされるのは御免蒙る。
 しょんぼりしたふたばがスゴスゴと引き下がり、それでその話は終わったと思ったんだが……。

 翌日、満面の笑みを浮かべたふたばが、奇妙なモノを手に、再び俺の部屋にやってきたのだ。
 「キヨくん、スっゴいもの見つけたよ!!」
 ふたばから手渡された箱を開けると、中には極薄でツルツルした手触りの素材でできた青いレオタードのようなものが入っていた。
 広げてみると、袖は肘を覆うくらいの長さで、ボトムは旧式のスク水ぐらいのローレグ、襟元は首の半ばが隠れるくらいのハイネックになっているようだ。
 「? このレオタードがどうかしたのか?」
 「ちっちっちっ、そういうのはね、ボディスーツとかボディブリファーって言うんだよ」
 「女の服の種類はよくわからんが……で、何がスゴいんだ?」
 「うん、あのね、昨日、ネットショップで見つけたんだけど……」
 ふたばが言うには、この青いボディブリファーとやらには形状記憶合金の如く「着用者の体型をあらかじめ定められた形に無理矢理補整する」機能があるらしい。
 「お急ぎ便にしたからさっき届いたんだ♪ これを着るだけで、キヨくんもバッチリ女の子体型になれるよ」
 いや、俺も女の下着とかダイエット関連には詳しくないが、さすがにそれは誇大広告だと思うぞ。
 「ちなみに、いくらしたんだ?」
 「特価50%オフで税別12800円。結構高かったんだからね!」
 ああ、こんないかがわしい代物に金を注ぎ込むとは……いや、そう言えば、ふたばは昔からこの種のユニークアイテム(の謳い文句)に弱かったな。
 1000円くらいのジョークグッズなら即ゴミ箱にポイしようかと思ったんだが、その値段だと、そんな真似したらガチで泣かれそうだ。
 仕方ない。この際だ、一応着てみせて、ふたばの淡い幻想(きたい)をへし折ってやるか。
 「──わかった。着替えてやるから、後ろ向いてろ」
 いろいろ諦めの境地に達した俺は、ふたばそう告げて、下に着たTシャツごとトレーナーを脱いだ。
 「大丈夫? 着方わかる?」
 「着方も何も、背中の方に切れ目があるから、そこから足を入れればいいだけだろ。トランクス脱ぐんだから、後ろ向けって」
 小さい頃はよく一緒に風呂に入ったこともあるが、さすがにこの歳になると、恋人でもない女に裸を見られるのは恥ずかしい。
 (元カノとは言え、結局エロいことまではやってないからなぁ……)
 ふたばが渋々回れ右したのを確認してから、俺はカーゴパンツとトランクスを脱いで、全裸状態になった。
 「まだ見るなよ! フリじゃないからな!!」
 言葉で牽制しつつ、ボディブリファーとやらに両脚を突っ込み、一気に胸元まで引き上げる。
 パッと見ではナイロンとかの化繊製かと思ったんだが、よく見ると「糸を織って作られた布」じゃないみたいだ。ゴムみたくよく伸びるし、何かの樹脂製の膜なのかもしれない。
 肌にぴたりと吸いつくようなその触感は、なるほど確かに補整効果は高そうだけど、いくらなんでも細マッチョな成人男性の体型を女性のそれ変えられるほどとは思えないな。
 とりあえず袖に両腕を通し……たところで、背中のスライドジッパータイプの切れ目が勝手に閉じていく。
 「ぐっ……さすがに、コレは、きつい、な」
 ほんの一瞬、ボディブリファーに覆われた部分にものすごい圧迫感を感じ──しかし、その直後、自分の身体に視線を向けた俺は、ありえない光景に目を疑った。
 「な、なんだこりゃ!?」
 着用したボディブリファーはピッタリ肌に貼り着いているため、体型が丸わかりなんだが……見下ろした限りでは、明らかに俺の体型が変わっている。
 まず胸に、やや小ぶりだが形よく膨らんだ乳房が形成されていた、双つの隆起の頂点部でツンと上向きに尖った乳首が目を引く。
 その下の、最近運動不足気味でぽっこりしかけていた腹部はキュッと締まったウェストラインを描き、対照的にヒップラインは思わず撫で回したくなるようなまろやかな曲線に変化しているようだ。
 「ん~、どうしたのキヨくん……あっ!」
 俺が声をあげたことで思わず振り向いたふたばも、目を丸くして今の俺の姿を見つめていた。
 「こ、これ……マジかよ」
 俺は慌てて洗面所に移動して、鏡越しに自分の姿を観察してみた。
 よく見れば、胸と腰と尻だけが変化しているわけではないようだ。
 肩から二の腕にかけても随分と細く華奢な印象になっているようだが、それ以上に驚異的なのが、“胴体全体が縮んで”いることだ。
 普段の俺は座高が1メートル近い、胴長短足の典型的日本人体型なんだが、鏡を見た感じ、足と胴の長さの比率が明らかに変化している。それも「足が伸びる」んじゃなく「胴体が縮む」という形で。
 当然、そのぶん身長も下がっているらしく、いつもより目線が10センチほど低くなっている気がした。
 「うんうん、これなら、キヨくんがウチのバンドに加わっても問題ないね♪」
 俺を追って洗面所にやって来たふたばが、満足げに頷いているが、俺自身はそれどころではない。
 (まさか……)
 視線を鏡から外し、ウェストのさらに下──股間を凝視する。
 こんなピッチリしたモノを着れば、当然もっこりと目立つはずのその膨らみが……ない。
 思わず手を伸ばしかけて、寸前で止める。
 (万一、アソコまで“女”になってたら……)
 そう考えると、確認するのがためらわれた。
 が。
 「おお、オチ○チンもなくなってるね! どういう仕組みなのかな、コレ」
 仲間の女性の股間をパンパンして確かめる某漫画の主人公の如く、ふたばが俺の局部に無造作に手を伸ばしてきたのだ。
 「!!! ちょ、おま……は、恥を知れーーーっ!」
 
 思わず手加減なしでふたばを張り倒してしまったが、「イタタタ……」と言うだけで平気で起き上がってきやがった。面の皮が厚いヤツめ。
 「まぁまぁ、細かいことは言いっこなし。で、どう。コレを使えば、キヨくん……もとい“キヨちゃん”がウチのバンドに加わってもヘーキでしょ」
 「まぁ、それはそうかもしれんが……」
 顔はウィッグとか派手めなメイクとかすれば誤魔化せるだろうし、身長と(足以外の)体格まで変わってるから、俺が新メンバーだとはまずバレないだろう。
 俺としても、高校時代以来、久々に人前で演奏できるということにワクワクする気持ちがないわけでもない。
 元々協力してやりたい気持ちはあったので、思案の末、俺は“ストレイキャット”に参加することにOKしたんだが……。
 「それじゃあ、これから特訓だね!」
 「ああ、確かに時々引っ張り出してチューニングがてらいじってたくらいで、ここ2年ほどは、ほとんど弾いてなかったからな。ギターの練習は必須か」
 「うん、そっちもだけど、それ以上にお化粧だとか話し方だとか諸々の女の子としてレッスンが必要だと思うんだ」
 とんでもないコトをふたばが言い出した。
 「はぁ!? なんでだよ。舞台の上でギター弾いてるだけなら、MCとかやらない限り、ファンにバレやしないだろ」
 「ファンにはそれでいいかもしれないけど……“キヨちゃん”、イブキちゃんやコトノっちには、素のままだと絶対バレると思うよ?」
 バンドの他のふたりの名前を挙げて反論してくるふたば。
 「──って、ちょい待ち! まさか、そのふたりにも、俺の正体を知らせないつもりか!?」
 「うん。だって、コトノっちって男嫌いだし、イブキちゃんも女子校育ちであんまり異性に免疫ないしね」
 つまり、俺にそのふたりにも男だと気取られないように行動しろってか? いきなりイージーからハードに難度が跳ね上がってるんだが。
 「やっぱ……「やめるってのはナシだよ! 協力するって言質はとったし、そのボディブリファーだって高かったんだから」ぐっ……」
 はぁ、仕方ない。色々細かいこと聞かずに安請け合いした報いか。

  * * * 

 「みんなー、ギター担当してくれる新メンバーを見つけてきたよ~」
 ふたばに連れられて、“ストレイキャッツ”のメンバーがよく利用しているという喫茶店にやって来た。
 「よぉ! オレは相原紀代美(あいはら・きよみ)ってんだ。ギターは高校時代にヤってたんだけど、しばらくブランクがあるからな。ま、ボチボチ頑張らせてもらうぜ」
 ふたばと打ち合わせしておいた通り、「蓮っ葉な姐御」っぽい口調で自己紹介する。これなら、多少男っぽい言動しちゃっても誤魔化しやすいだろう。ボディブリファーで喉元が締めつけられているせいか、いつもより声も半オクターブ高い気がするし。
 「わたくし、キーボードを担当しております祇条唯吹(しじょう・いぶき)と申します。よろしくお願いしますね、相原さん」
 綺麗な黒髪を肩にかかるくらいのロングボブにしたおとなしそうな女の子──祇条さんは、にっこり微笑みながらペコリとお辞儀する。
 「あたしは、栗原琴乃(くりはら・ことの)。ドラム担当よ」
 続けて、ツインテールというか短めなのでピギーテールというほうが良さそうな髪型の、ちょっと気の強そうな子が話しかけてきた。
 「ねぇ、相原ってもしかして……」
 「ん? ああ、ふたばの幼馴染の清彦のことか? あいつはオレのイトコだぜ」
 何食わぬ顔で、あらかじめ決めておいた設定を告げる。
 実際、親父に弟(関西在住)がいて、その人に娘がいるのも確かだから、多少の誤魔化しは効くはずだ。
 「へ~、ふたばのことだから、てっきり、いつも口にしてる“キヨくん”本人を連れてくるかと思ったわ……ちょっと失礼」
 ──むにゅっ!
 そんな擬音が聞こえてきそうな勢いで、制止する暇もなくオレの胸を揉んでくる栗原さん。
 「──き、きゃあ!」
 慣れない感覚に思わず、そんな悲鳴をあげてしまう。
 「うん、確かに、生身の胸の感触ね。よかったわ、清彦とやらが女装してるんじゃなくて」
 「いいわけあるかッ!」
 今日のオレは、ボディブリファーの上に、ふたばから借りた縦に織り目が入ったダークグレーのタートルネックセーターを着て、ユニクロで買ったストレッチデニムのレディースジーンズを履いているから、体のラインがよくわかる。
 だから、まさか性別を怪しまれるとは思わなかったのだ。
 「ごめんごめん。まぁ、ちょっとした女同士のスキンシップと思って許してよ。でも、相原さんて、凛々しい雰囲気のわりに案外とかわいらしい悲鳴あげるのね」
 「ぐっ……」
 自分でも意外な反応をしてしまった自覚はあるので言葉に詰まる。
 「──忘れろ。そしたら許してやってもいい」
 「はいはい。ま、お詫びにここの支払いはあたしがもつわ」
 と、まぁ、一部予想外のハプニングはあったものの、そのあとは大過なくオレと“ストレイキャッツ”メンバーの顔合わせは終わり、翌日から本格的に練習に参加することになった。

 「♪未来創るためーーーー!…………っと、みんな~、ちょっとひと息いれよっか」
 何曲目かの通し稽古が終わったところで、リーダー兼ボーカル兼ベースのふたばが、休憩を提案した。
 「そうね、いい頃合いだと思うわ」
 「では、わたくし、お茶を淹れますね」
 すかさず、メンバーのうちふたりが賛成する。
 「……ふぅ。あーーさすがに丸2年ブランクあるからキチィぜ」
 オレもギターを下ろし、右手首に付けたリストバンドで額の汗をぬぐった。
 “相原紀代美”が“ストレイキャッツ”の練習に加わって1週間。
 オレは、自分でも意外に思うほど、このバンドのメンバーに馴染んでいた。
 もとよりフータン(ふたば)とは腐れ縁でつきあいは長いし、イブ(唯吹)も素直で気配りのできるとてもいいコだ。
 「それだけ弾いてなかったわりには、割といい線いってると思うけど」
 初日にひと悶着あったクリコ(琴乃)とは、あれ以後もしょっちゅう言い争いしているが、だからと言って仲が悪いわけでなく、むしろケンカ友達とも言うべき気の置けない関係になっている。
 「だよね~、さすがにワカにゃんの域には達してないと思うけど、十分ついてこられてるよ~」
 ちなみに、ふたばの言う“ワカにゃん”とやらは、オレの前にギターを担当していた女の子で、なんと寿退社ならぬ寿退団して、北海道に転勤する旦那さんについて行ったらしい。

 「でも、失礼かもしれませんけど、少し意外でしたわ。紀代美さんのような方って、その……こういう地道な練習とかは、お嫌いなのではないかと」
 「あ、それはあたしも思った。アンタみたいなタイプって、「かったりぃ」とか言って、サボりたがるんじゃないかって、心配してたのよ」
 「ヲイヲイ、イブもクリコも好き勝手言ってくれんなぁ。ま、たしかにオレは真面目とか優等生たぁ口が裂けても言えないが、頼まれて引き受けたコトは、無責任に放り出したりしないぜ?」
 「うん、そーゆーとこ、律義って言うか義理堅いよね、キヨちゃん」
 当初懸念していた「20歳前後の女の子たちの輪の中に混じっての会話」も、相原紀代美のキャラ付けが元の“俺”に近いせいか、さほど問題なくこなせている。
 また、密かに懸念していたギターの技量の方も、この一週間でバンドやってた頃の勘をだいぶ取り戻しつつあった。
 「うーん、この調子ならイケるかな……ね~、新生ストレイキャッツの初ステージ、来週の土曜日に演ってみない?」
 「ぅォイ!? マジか?」
 パンクな格好はしてても、心は割合チキンなオレは、さすがに時期尚早じゃないかと心配としたのだが。
 「大丈夫よ。イケるイケる!」
 「ええ、わたくしたちもサポートしますので」
 「女は度胸、いっちょやってみるもんでしょ!」
 ──なにこのガン攻め思考こわい。

 4人のメンバー中3人が賛成(プッシュ)しては、オレひとりが消極的反対の意を示しても流れを変えられず……。結局、新生ストレイキャッツのお披露目は、予定通り翌週土曜日に行われることになった。
 「さ、やると決まったからには全力全壊だよ~!」
 「壊してどうする!? あぁ、もぅ、わかった。やってやるゼ!」
 翌週、オレは大学の講義も全部自主休講して、誇張抜きで一日12時間近く、ギターの練習に費やした。
 幸いイブの家──というかお屋敷(外見通りお嬢だった)の地下が、ミニシアターになってて、防音設備もしっかりしてるから、そこを練習場所に貸してもらえたしな。
 「ほんと、キヨちゃんって、見かけによらず根が真面目だよね」
 うるせェ! 加入後2週間でライブデビューさせようって無茶ぶりしたのはソッチだろうが!
 それに、なんだかんだで他のメンバーも気を使ってくれて、4人での練習タイムも日に3~4時間はとれたから、演奏の呼吸はもうバッチリだゼ!!

  * * * 

 ……と、まぁ、ここで話は冒頭に戻り、いよいよ新生ストレイキャッツ(+新メンバー“キーヨ”)のファーストライブが始まるわけだ。
 ふたばの馴染みの店で、1週間前に急きょお願いしてもスケジュール組めるっていうくらいだから、それほど大きな場所じゃないだろうと思ってたんだが、甘かった。

<未完>
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No title

GJです!続きがきになるところですが書かれない可能性もあるとのことで…
ちなみにどのようなあらすじにするつもりだったのでしょうか?
差し支えなければ簡単に教えていただけませんか?^^;

Re: No title

簡単にまとめると……

ストレイキャッツのライブは大成功で新たなファンも獲得してますます人気に。
キーヨも充実したバンド生活を満喫するが、そんな時、彼女たちにメジャーデビューの話が。
さすがに無理だろうと尻ごみする清彦だったが、ふたばは新型ボディブリファー(透明でより自然に見える)を買って来て「大丈夫、イケるイケる!」と太鼓判を押す。
(事情を知らない)他のふたりも乗り気なため、キーヨも渋々首を縦に振り、「大学在籍中のみ」という約束でプロデビューすることになるのだが……という感じですね。


> GJです!続きがきになるところですが書かれない可能性もあるとのことで…
> ちなみにどのようなあらすじにするつもりだったのでしょうか?
> 差し支えなければ簡単に教えていただけませんか?^^;
プロフィール

KCA(嵐山之鬼子)

Author:KCA(嵐山之鬼子)
Pixiv、なろう、カクヨムなど色々書いてます。感想などもらえると大変うれしいです。
mail:kcrcm@tkm.att.ne.jp

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