『思わぬ欠点』

 ちょっぴりスランプ気味……というか、やりたいことが他にあり過ぎてSS書きが手につかないと言うのが真相だったり。
 TSとか女装とか立場交換の絡まない一般作──マッチョ魔術師の話とか流れの料理人の話とかファンタジー系西部劇な話とかの構想も、色々あるのですが。
 せめて、『取替姫』と『厄違え』は完結させたいしなぁ。いやねその前に『波高し』か。『Dカップ女子小学生!?』の方は、明日中になんとか2ちゃんに投下できる予定。しかし、支援所の『Trance-Possesioner』はエロ部分で、『がーるず・ぶらぼー』は逆に日常部分で詰まってるしなぁ。

 閑話休題。
 こういう時の恒例で、本日は昔むかーしに書いたTS掌編を掲載します。


思わぬ欠点

 「捕まえた! もぅっ、あたしの姿で清彦を誘惑するなんて、何てコトしてくれるのよ、俊明!」
 「イテテテッ、はっ、はなせよ、ふたばぁ……」
 えっと……俺は夢を見ているのだろうか。
 目の前には、中学以来友達以上恋人未満な関係を続けてきたふたばの半裸姿が……ふたり!?
 ふたばに姉妹がいるとは聞いてないし、いてもさすがに一卵性双生児みたくソックリってことはないだろう。
 「まったく……こんな変装までした挙句、あたしを気絶させて服を奪ってくなんて」
 説明台詞サンキュー、ふたば。おかげで大体の事態は把握した。
 確かに、高校生の癖に怪しげな発明をくり返してる、俺達ふたり共通の悪友である俊明なら、それくらいのことはできるだろうな。
 「清彦もたいがい説明口調だと思うけどね。
 それにアンタもアンタよ。ボーイフレンドなら、あたしが本物かどうかくらい、ひと目で見抜いてよ!」
 へっ!? 無茶言うなぃ。長い付き合いの俺がこうして並べて見ても、両者の違いは殆どわからんぞ。この偽ふたばが俊明ってんなら、ふたばのフリするもお手の物だろうし。
 て言うか、ボーイフレンド? いつの間にそういうコトになったんだ!?
 「な、なによ、文句あるの?」(真っ赤)
 いや、全然。へへっ。そうか……ふたばも俺と同じ気持ちだったんだな。
 「──そうよ! コッチはずっと告白してくれるの待ってたってのに、清彦ってばヘタレなんだから!!」
 うん、そうだな。待たせて、すまん。
 改めて言わせてくれ。ふたば、俺とつきあってくれ!
 「清彦……うん。うれしい……」
 俺達ふたりは唇を重ねようとした……んだが、その時コソコソと部屋から出て行こうとしている偽ふたば(俊明?)の姿が視界に入った。
 「そ、それじゃあ、邪魔者はここらへんで失礼しまーす」
 「「待てや、こら!」」

 結局、あの偽ふたばの正体はやっぱり俊明だった。ふたばの言う通り、彼女の髪の毛(正確にはそこに含まれる遺伝子)を基に作った「皮」を着て、ふたばになりすましていたのだ。
 ただ、そんなことをした動機は、なかなかくっつかない俺達に、友人としてイライラして後押ししてやろうと思ってのことらしい。余計なお世話と言えばそうなのだが、まぁ情状酌量の余地はあるだろう。
 結果的に、俺とふたばは付き合うことになったんだし。
 「ところでさぁ、ふたば。どうしてアレが俺だってわかったんだ?」
 うん、確かに。自分以外の偽者だとはわかっても、それが誰なんかなんて即断できないだろ。
 「アンタたち、鈍いわねぇ。あたし達のことをよく知ってて、かつこんな綺麗な碧い瞳したヤツなんて、あたしには心当たりは俊明くらいしかいないわよ?」
 「「……あ!」」
 確かに、北欧系クォーターである俊明の眼の色は、かなり印象的だもんな。
 例の「皮」は目ところが空いてるため、どうしても自分の瞳がそのまま見えちまうらしい。
 「カラーコンタクトでも付けるしかないかなぁ」
 自らの発明品の思わぬ欠陥に俊明は頭を抱えている。

 時に俊明よ。半裸のまま迫られた俺が暴走して襲いかかったらどうするつもりだったんだ?
 「ん~、ま、ソレはソレで貴重な経験かなぁって。あの状態なら、理論上、女としてデキるはずだし、正直女の快感ってヤツにも興味もあったしな」
 「勝手に人の姿でバージン散らすなぁ! てか、調子のいいこと言っておいて、最後の一言が本音でしょ、アンタ!?」
 無論、俊明がふたばの鉄拳制裁を受け、「皮」は没収&「二度とふたばの皮は作りません」と誓約させられたことは言うまでもない。
 そして、俺も「見え見えの罠に気づ付かなかった」ことで、ふたばからペナルティを食らったのだ。

 「ちょ……ほ、本気か、ふたば? この状態でデートしようなんて」
 「もっちろん! あたし、歳の近い姉妹ってのに憧れてたのよね~」
 そう、俺は今、例の「皮」を着せられてふたばにそっくりな格好で外出させられているのだ。
 言うまでもなく、今の俺が着ているものは頭のてっぺんからつま先まで、みんなふたばの物だ。フェチな趣味がなくても、正直興奮せざるを得ない。
 しかも、同性になってるせいか、ふたばの奴も妙にベタベタスキンシップしてきやがるし……。俺がオオカミになっても知らんぞ!?
 「なーんて言っても、その姿じゃねぇ。むしろあたしの方から押し倒しちゃうわよ、わかばちゃん♪」
 ちょ……ふたばサン、目が笑ってなくて怖いんですけど。
 「ええ、だって本気だもん。さ、あたしのことは「お姉様」って呼んでいいわよ」
 ──アッー!
 その日俺は、男として童貞捨てる前に、女の子としてお姉様の手で処女を奪われるという、希少だが全然有難くない経験をするハメになるのだった。どっとはらい。
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No title

短編でも、こういう「皮を着て女の子になって、オリジナルの子といちゃいちゃ」ってシチュはたまらなさすぎです。
もう少し、ふたばに着せられてしまう時の描写が欲しいと思ってしまいました。

お久しぶりデェス(ラーメンズ風

・・・取替姫って首交換のやつですよね?ねっ!?
目次にもないんでひょっとして・・・・。
まだ、待ってますから。

No title

>GAT・すとらいく・黒 さん
気に入っていただけたようで何より。細かい描写の辺りは短編なので割愛させていただきました。皮百合、とくに本人とその模造品による疑似百合はいいですよね。

>流浪文士さん
お久しぶりです。えーと、『取替姫』は立場交換スレに投下していた姫←→騎士の立場交換系お輿入れ話です。『首替奇談異聞』と勘違いされてます? あれも、まぁ、機会があれば続きは書くかもしれませぬ。
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Author:KCA(嵐山之鬼子)
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