『MHミカミ極楽大作戦!?』04~宵闇厄珍堂奇談~

これにて打ち止め。色々ネタのストックはあったんですが、投下先のウケはイマイチでした。



『MHミカミ極楽大作戦!?』04~宵闇厄珍堂奇談~

 トンケイの下町にある貧相な集合住宅(「貧相でわるかったね」大家談)の一室。
 ダイニングを兼ねたキッチンで、ジュウジュウと肉と魚が焦げる音と、美味しそうな匂いが漂ってくる。

 「はぁ~、うまそーやなぁ」
 「兄ちゃん、もうちょっと待っててね」
 よだれを垂らさんばかりの締まりの無い表情で呟く少年──横島に、丸焼きの番をしている小柄な猫、いや猫人(アイルー)の子供が、うれしそうに声をかける。

 「すぐに出来上がります。申し訳ありませんが、お皿を並べてもらえますか?」
 雌の猫人が、フライパンを振るいながら、ニッコリ微笑む──いや、アイルーなんでわかりにくいが、多分微笑んだのだろう。

 「お安い御用っスよ、美衣さん」
 本来、料理番として雇われているアイルーがいる場合、雇い主は配膳から片づけまですべてアイルーたちにやらせるのが普通なのだが、気安い性格の横島は、そのヘンは別に気にするつもりはなかった。

 ──上手にできました~!

 「こらウマイ、こらウマイ!」
 3分後、テーブルに並んだ昼ご飯をガツガツ掻き込む横島の姿があった。

 ワイルドベーコンとマイルドハーブのソテー、スネークサーモンと熟成チーズの頑固パンサンド、デザートはフルーツジャムを混ぜたクヨクヨーグルトだ。
 固唾を呑んで見守るアイルー母子を尻目に、またたく間に皿の上の料理が消えていく。

 「晩ご飯ならフラヒヤビールもつけたんですけど……」
 「いやぁ、十分ですよ。大満足っス!!」
 皿の上の油まで舐めかねない勢いで、すべて平らげると、横島はご機嫌にポンポンとすっかり膨れた腹を叩いて見せた。

 「美衣さんの息子さん──えーと、ケイだっけ? まだちっちゃいのに大した腕だな」
 心配そうに見上げていた子アイルーの頭をワシャワシャと撫でる。

 「それじゃあ……」
 「おう、2人目のコックとして、雇わせてもらう」
 「やったー!」
 「ありがとうございます、旦那様!」

 抱き合って喜ぶ母子を暖かい目で見守る横島。
 そう、前回のイャンクック討伐の前に息子を村まで迎えに行っていた横島宅のアイルーが帰って来たので、息子の方も雇うかどうか決めるため、テスト代わりに昼ご飯を作ってもらったのだ。

 美衣の方は、当分手元で見習いをさせるつもりだったのだが、ケイが十分独り立ちできると主張したのだ。
 実際、今の料理から判断する限りでは、ケイの腕は母親には及ばないまでもなかなか大したものだった。
 アイルーのコックを複数雇う場合、2匹目からは契約金がかかる。とは言え、貧乏ハンターの横島にとっても十分払える金額だし、今後このうまいメシが食べられて、母と子を一緒にいさせてやれるのなら、むしろ安いものだろう。

 「じゃあ、悪いけど後片づけは任せるな。俺はこれから仕事に行くから」
 一服したあと、服装を整えて、美神の事務所へと向かう。
 「はい、お任せください」
 「兄ちゃん、いってらっしゃ~い!」

 二匹のアイルーに見送られて、足取りも軽く横島は歩き出した。

  *  *  *

 「おっそーーい!」

 ──ガツン!

 「ぶべらでッ!!」
 事務所の応接間に入った途端、飛んで来たハンマー"骨塊"が横島の鼻っ面に命中する。

 「み゛、美神ざん……家の都合でちょっと遅れるって昨日言うといたじゃないですか!」
 鼻血を押さえつつ、横島は抗議した。

 「あら、そうだっけ?」
 「そうですよ、美神さん! 横島さん、大丈夫ですか?」
 シレッと言い放つ美神をたしなめつつ、横島の元へ駆け寄るキヌ。もっとも、薬草を渡すまでもなく、横島の傷はすでにふさがりつつあったが。
 "骨塊"は文字通り、採集素材"なぞの骨"を束ねて作られたかなりデカくて重い代物だ。こんなものをぶつける方もぶつける方だが、投げられた方も普通ならタダでは済まないはずなのだが……。
 天然で"回復速度+2"のスキルでも持っているのだろうか、この男は。

 「(ヤバッ、すっかり忘れてたわ)……コホン。まあ、それはともかく。家の都合って何の用事だったの?」
 「こないだ言ったとおり、ウチのアイルーが増えたんスよ。で、とりあえずその腕前を見せてもらおうと思って、メシ作ってもらったんです。まさか、朝飯で判断ってわけにもいかないんで、とりあえず昼飯時まで家にいたんス」
 「そう言えば、美衣さんの息子が来たとか言ってたわね。それで、雇ったの?」
 「ええ、ちょっとイタい出費でしたけど、やっぱコックがふたりいると違いますね。今後あの美味いメシがタダで食べられるかと思えば……」
 「タダじゃないわよ」
 「──は?」
 「だから、アイルー2匹で作るご飯は無料(タダ)じゃないって。アンタ、知らなかったの?」

 ──ぶんっぶんっ!!

 力一杯首を横に振る貧乏少年。

 「ま、お金って言っても50zだけどね」
 「う……払おうと思えば払える微妙な金額……」
 街のレストランに入れば最低ランクでもそれくらいは取られるのだから、味と量を考えたら、確かに高くはないと思うが……。

 「横島さん、どうしてもお金がない場合は、どちらかひとりに料理をしてもらうって手もありますよ」
 横島の葛藤を見かねたのか、キヌが口をはさむ。

 「うーん、とりあえず仕事前のメシは50z払うよ。それ以外の時は、ま、臨機応変ってことで」
 さすがにキヌ相手だと見栄があるのか、無難な答えを返す横島。
 まあ、たしかに仕事前の猫飯には、防御力アップなどのハンターにとって有益な効果があるのだから、それを利用しない手はない。

 「そ。まあ、アンタの財布事情を考えればそれが妥当かもね……さて、今日はとりあえず大した仕事は入ってないから、道具関連の整備にあてましょ。おキヌちゃんはマカルパに着替えてからアイテムの調合手伝って」

 マカルパ系の防具には、調合の成功率アップと錬金術のスキルを付加する効果がある。
 もっとも、美神自身は調合書を全巻セットで持っているので、着替える様子はない。

 (ぢくじょ~! ここは読者サービスのためにも美神さんの着替えシーンを要求する!!」
 「なに電波妄想全開なセリフ口に出してんのよ、アンタは!!」

 キリン素材のブーツでゲシゲシ踏まれる横島。
 どうやら妄想の途中から口に出してしまっていたらしい。

 「い、いや、ほんの冗談ですって! それで、俺は何やればいーんスか?」
 「ふん、そうね……消費アイテムの残量が気になるから、横島くんはこの地図のお店に行って、頼んでおいたものを受け取ってきて」
 「りょ、りょーかいっス」

 結局、フィールドの中でも外でも、横島が荷物持ち持ちさせられるということに、変わりはないようだ。

  *  *  *

 「地図によると……ここ、だよなぁ?」
 美神の指示した店は、下町──と言っても横島が住んでいるのとは、ちょうど真逆にあたる場所にあった。

 「ぼ、ボロいと言うか……独特の建物やなぁ」
 狭い入り口の上に掲げられた木製の看板に"厄珍堂"とあるからには、ここで間違いなさそうだが、芸人根性の強い横島でさえ躊躇われるほどのうさん臭さが店全体から漂ってきていた。
 とは言え、これが美神のお使いである以上、行かないという選択肢はないわけだが……。
 意を決して、横島は店内に足を踏み入れた。

 「うわあ~、こりゃあ……」
 想像していた以上のデタラメさだった。
 調合書や楽譜の類いがまとめて積んであるかと思えば、すぐ脇に何か薬品類が入っているとおぼしき瓶が並べてある。籠に入れてまとめて干してあるのは、マヒダケや毒テングダケだろうか。道具屋に必要なのか疑問の残る怪しげな謎の骨や頭蓋骨も棚に乱雑に並べてある。
 おかげで、店内には素人なら吐き気を催しそうな独特の匂いが漂っていた。駆け出しとはいえ、一応はハンターである横島にとっては仕事上嗅ぎ慣れた匂いとも言えるが、だからと言ってそうそう気持ちのいいものではない。

 閉口しながら店内を見回すと、カウンターの向うに何かの書物を読みふけっている人影が目に入った。年の頃は中年から初老といったところか。異様に小柄なので、もしかしてただの人ではなく竜人族なのかもしれない。さしづめこの店の店主といったところか。

 「おーい、おっさん……」
 と声をかけながら横島が近付いても顔も上げずに本に集中している。
 何だこりゃ、と思いながら脇から横島が覗き込んでいると、店主が読んでいるのは何かのマンガらしかった。

 『どうしてなの、ガルくん。あんなに勉強頑張っていたじゃない。先生も応援してたのよ』
 『うるせぇ、アンタにゃぁわかんねーよ』
 『そんなことないわ。話してくれるだけでも、心が楽になることがあるわよ』
 『……本当にいいのか?』
 『え? え、ええ……』
 ドンッ!
 『キャッ! な、何をするの、ガルくん!!』
 『オレ……オレ、もう自分を止められねーんだ。オレ、アンタが……レイア先生のことが好きなんだよ!』
 『ええっ! そ、そんな……ウソ』
 『嘘じゃねえっ!!』
 ビリビリッ、ビリッ!
 『や、やめて、ガルくん! 先生には夫が……』
 『もう、おせぇよ。初めて見たときから……オレ、レイア先生に惹かれてたんだ』
 『が、ガル…くん……』

-つづく-

(『イけないレイア先生』次回予告:いきなり生徒に押し倒され、服を脱がされる女教師レイア。一方、そのころ、レイアの夫レウスは、会社で後輩のOLバサルから誘惑を受けていた!)


 「「なんじゃ、そりゃーーーーーーッ!!!」」
 店内にユニゾンする漢の絶叫。

 「フザケんな! こんなイイところで切るのかよ!?」
 「引っ張るだけ引っ張っといて、次の巻も絶対買わせる気アルね!」

 がっしと固い握手をかわす男ふたり。 
 「いやぁ、ボウズは他人とは思えないアルよ」「おっさんもな」

 ──と言うお約束な会話ののち、"厄珍"と名乗る店主から、「お近づきの印に」と言って横島が差し出されたのが、3粒の丸薬だった。

 「それは、万里眼の秘薬ね」
 「万里眼?」
 「千里眼の薬は知ってるアルね? アレを超パワーアップした秘薬ヨ。これを飲めばモンスターだけじゃなく、知りたい対象の、現在位置はおろか身体の動きやポーズまでバッチリわかるアル。効果時間は一粒でおよそ1分」

 「ふーん、確かにちょっとスゴいけど、何の役に……」
 「ボウズ、よく考えるアル」
 ずずいっと、横島に詰め寄る厄珍。

 「……相手がカワイコちゃんでも、この万里眼の秘薬の対象にできるヨ?」
 「なにーーーーィッ!!」

 ドドドドド……と、どこぞの時を止める学ラン男のようなスゴ味を持った雰囲気を漂わせる横島。何気に顔が荒木調だ。

 「──どうして、そんな貴重な物を俺に?」
 「フッ……お近づきの印ね。それに、ボウズには私と同じ輝きを感じたアル。そう、遥か遠き桃源郷を追求するもの独特の輝きを……」
 人生街道の表も裏も知り尽くしたかのような、遠い目をして、厄珍がうそぶく。

 「……この好意、有り難く受け取らせてもらう」
 言葉だけはシブくキメたものの、横島はスキップしそうなくらい上機嫌で、美神に頼まれた買い物を背負い、先程の丸薬を大事そうに懐へとしまいながら一目散に駆け出していく。
 その背中を、厄珍はパイプをふかしながらおもしろそうに見送った。

 「ちょーどいい新製品の実験台ができたアル」

  *  *  *

 「ちぃーっス、ただいま戻りました!」
 狩猟(しごと)のときにも劣らないほど大量の荷物を運ばされたにも関わらず、事務所に戻った横島は終始ニコニコしていた。

 「……なんか、横島くん、エラくご機嫌じゃない?」
 「……何かいいことでもあったんでしょうか? 女の人のスカートが風でめくれたとか」
 迎えた美神やキヌは気持ち悪そうにささやきあっていたものの、横島のニヤニヤは止まらない。

 (本当なら、今すぐ公衆浴場前にでも行ってこの薬を試したいッ! しかし、焦るな、俺! 薬は3粒と限られている。ならば、極上の獲物にこそ、これはふさわしいッッッ!!)

 ──何だか漢として非常に間違った方向に進化しているような気がするが、あえて追求しまい。所詮、横島だし(ヒドッ!)。

 (無論、狙うはGクラスの獲物”ミカミレイコ”ただひとり!)
 まぁ、確かに胸はG級かもしれないが……いや、それは言い過ぎか。
 冗談は抜きにしても、その(覗きの)難度は、たしかに超上級だ。もともとハンターとして鍛え抜かれた直感があるのに加えて、日々横島の覗きの危険にさらされていることによって、際限無くその直感力は磨かれ続けているのだ。
 最初のころは浴室のドアをこっそり開ける直前くらいにならないとバレなかったのに、最近では脱衣所の扉に手をかけただけで風呂桶が飛んで来る始末。
 もっとも、それに引きずられるようにして横島の隠密接近の技術も洗練されているのだから、ケガの功名と言うべきか、あるいはマッチポンプと言うべきか……。

 「ふうっ、これくらいでいいわ」
 爽やかな(ただし、彼を知る者から見れば無気味な)笑顔を浮かべる横島を尻目に、ほどなく美神たちのアイテム調合作業も終わったようだ。

 「あ゛~薬臭くなっちゃったから、シャワー浴びて来るわ。おキヌちゃんはそのバカが不埒なマネをしないように見張ってて」

 (キターーーーーーーッ!!)
 「はっはっはっ、失礼なことを言わないでください、美神さん。ぼかぁ、これでも下町に快男児ありと知られた紳士っスよ?」
 トボけたことを抜かす丁稚に一発いいのを入れると、「じゃ、お願いね」と言い残して、美神は浴室へと消えた。

 「やれやれ、信用ねーなー」
 「横島さんがえっちなのが悪いんですよぉ。もうっ!(それに、私のことは一回も覗いてくれないし……)」
 「ん? 何か言った、おキヌちゃん?」
 「あ、いえいえ。大したことじゃないです」
 などと背中がカユくなりそうなラブコメ問答をくり返しつつ、横島はタイミングをはかる。

 「(いまだッ!)あ、おキヌちゃん、お茶のお代わりもらえる?」
 「はい、今注ぎますね」
 おキヌの注意が手元のティーポットに集中した一瞬を見計らって、丸薬を口に放り込む。ちょっと苦しかったが何とか水なしでそのまま飲み下した。
 ヒドい苦みとともに、横島の脳裏にぼんやりと白いスクリーンのようなものが展開される。

 (よっしゃ、美神さん美神さん美神さんのはだか~!)
 懸命に念じると、白いスクリーンにモヤモヤした画像が浮かび上がってきた。
 
 乳!

 尻!

 太もも!

 「ブハッ!!」 ダクダクダク……。

 「ど、どーしたんですか、横島さん!? いきなり鼻血を噴き出したりして……」

 「い、いや、ちょっとお昼にイイもの食ったせいか、血の気が溢れてんだよ」

 (至近距離から目撃して、つい若さが暴走しちまった)

 横島の集中が解けたためか、いま脳裏のスクリーンの画像はぼんやりと霧がかかったようにボヤけてしまっている。

 (い、イカン、集中集中……)

 悶悶悶悶悶悶悶悶悶悶悶悶悶悶……。
 汝、その桃色の理想郷を直視せよ!

 こういう時の横島の集中力(ぼんのう)はハンパではない。
 すぐに画像がシャープになり、艶めかしく身体を洗う美神のビジョンがすぐさま脳裏に結像する。やがて、視点を下げ、女の子の一番大切な場所を目にする……直前で、唐突に画像が途切れた。

 「なんじゃ、そりゃあ! エエとこで時間切れって、デパートの屋上の双眼鏡かい!!」
 ガンガンガンと血涙を流しながらテーブルに頭を打ちつける横島。 

 「よ、よこしまさはぁん、お気をたしかに!」
 キヌにガクガクと揺さぶられて、ハタと自分の奇行を自覚する。

 「(マズい)あー大丈夫。ちょっと寝不足なんで白昼夢見てたみたい。おキヌちゃん、あつーいお茶と、お茶請けを何かくれないかな」
 「は、はぁ、そういうことでしたら……」
 心配しながらも、横島の言葉どおり、お茶を沸かしに行くキヌ。
 気づかってくれた彼女を結果的に騙してしまったことに密かに罪悪感を覚えつつ、横島は丸薬の残りふたつをまとめて口に入れ、お茶で流し込んだ。

 (これで、残り時間はバッチリなはず!)
 速やかな集中とともに、脳裏に描かれた白いスクリーン。
 そこに蠢く映像は……白と赤の筋肉剥き出しのバケモノだった!!

 「ぎぃやぁーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
 思い描いていた女体とのギャップに、絶叫する横島。

 「え? よ、横島さん? 横島さーーーーん!」
 キヌの泣き声を耳にしつつ、横島はそのまま意識を失った。

  *  *  *

 「要するに、千里眼──透視の効果が強過ぎたわけよ」
 事務所のソファでウンウン唸りながらヘバっている横島を尻目に、美神がキヌに説明する。

 「厄珍をしめあげて聞き出したんだけど、あの"万里眼の秘薬"って代物は実験段階もいいところらしいわ。だから、複数飲んだときの効果も安定しなくて、持続時間じゃなく効果が強化される結果になったみたいね」
 「なるほど、普通なら美神さんの、その……は、裸が見えるところが、皮膚を透かして筋肉組織が見えてしまったんですね」
 「そうみたいね。女の美貌は皮一枚、なんてよく言うけど、このバカ者も、そのことは思い知ったでしょうよ」
 「あれ? でも、美神さん、覗きをされたのにいつもみたいに折檻しないんですか?」
 「……この様子だと、その気も失せるわよ。それにまぁ、薬が切れた反作用で、十分報いは受けてるみたいだしね」

 強過ぎる薬を連続して服用した副作用で、いま横島は「強烈な酒を浴びるように鯨飲した翌朝の二日日酔いの頭痛と、3日間完徹した眠たさが小刻みに襲ってくる」状態らしい。どれほど眠くなっても、激痛のために眠れないという生き地獄! さらに、その朦朧とした意識のまま、トラウマ化した先程の悪夢のような光景が脳裏でくり返し再生されており、精神の糸はプッツン寸前、SAN値は限りなく0に近い様子だ。

 結局、横島が復活するまで、まる3日かかった。
 さらに付け加えると、横島はしばらく肉類が食べられなかった。せっかく肉料理が得意なケイを雇ったと言うのに……。

 この煩悩少年にとって、厄珍堂が鬼門となったことは言うまでもない。
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Author:KCA(嵐山之鬼子)
Pixiv、なろう、カクヨムなど色々書いてます。感想などもらえると大変うれしいです。
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