『九毒蝕む我が龍姫』

 2ちゃんの「人間以外の女の子」スレに投下したSS。ソーシャルゲーム「幻獣ハンター」のレアカードである「九毒の蝕みヒュドラ」に触発されて書いた作品です。なので、このヒロインには、「九髪の魔手」たる姉と「九刃」の異名を持つ妹がいるという設定。
 ・姉→妹(九毒)にそっくりだが、言葉遣いや仕草がより上品で奥ゆかしい
 ・妹→お姉ちゃん大好きっ子で、その夫となった主人公を敵視
 ……こんな感じでしょうか。
 彼女たちが登場する続きも書きたいのですが、じ、時間ががが……。



『九毒蝕む我が龍姫』


【1.亭主元気で飯が美味い!】

 アンデルセンの『人魚姫』って童話あるよな?
 海に落ちて溺れた人間の王子に、助けた人魚がひと目惚れして、美声と引き換えに人間の姿になって陸まで追い掛けてくるんだけど、最後は泡になっちまう悲しい恋のお話だ。
 あるいは、ちょいとマニアックに実写版映画の『スプラッシュ!』なんてのもあったな。あっちは逆に、最後は人間の方が漢を見せて人魚娘と添い遂げるハッピーエンドだった。
 国産だと『瀬戸の花嫁』なんてヒロインが人魚のアニメもやってたよな~、俺は何回かしか観たことないけど。
 話の流れは違えど、人魚な彼女達は皆、けなげで優しくて主人公に一途に惚れてる……ってぇ、共通点があったと思う。

 そりゃね、俺もそんなの男の浪漫──て言うか都合のいい妄想だってこたぁ、分かってたさ。そもそも、人魚なんて空想上の生物だし、仮にいたとしても、そんなご都合主義的に「惚れた男に尽くします」的な展開が、そうそう転がってると思えないし。

 「ん? マーメイドってちゃんといるわよ? 私も昔は眷属(じゅうしゃ)として何人か手元に置いてたし。うーん、真面目でいい娘達なんだけど、男に惚れっぽいのが玉に瑕なのよねー」
 はぁ、さいですか。
 「ところで、ダーリン……私、そろそろお腹空いたな♪」
 あー、はいはい、もう少しで出来るから、ちょいと待っとくれ。

 俺は、雑念を追い払って中華鍋の中味を揺すりながら炒めつつ、横目で電子レンジの中の深皿もチェックする。
 程なく、チン! とレンジの調理が終了。うまい具合にフライパンで作ってた方も出来あがったところだ。

 俺は、直径50センチほどの大皿にフライパンの中味(豚肉多めのホイコーロー)を手早く盛りつけ、レンジから出してきた耐熱ボウルに入った牡蠣グラタンとともにトレイに載せて、リビングのテーブルまで運ぶ。
 すぐに台所にとって返すと、炊きたてご飯の入った電子ジャーとお茶碗も持って来た。

 「ふふっ、今夜も美味しそうね♪」
 下着姿(本人は部屋着と主張)で居間のソファに寝そべってテレビを観ていた女性──先程俺の雑談(雑念?)に茶々入れたのも彼女だ──は、けだるげに、けれどどこまでも優美な仕草で身を起こす。

 優美なのは、仕草だけじゃない。
 おそらく170センチは下らない長身と、出るところは出て引っ込むところは引っ込んだメリハリの利いた体つき。
 欧亜混血風の、やや彫りが深めだが一流彫刻家が生んだ傑作の如き整った美貌。同じく日本人離れした、白くしっとりと滑らかな肌。個人の好みの差はあれど、少なくとも日本人男性の99%が彼女を「美女」の範疇に含めるだろう。
 そして、何より彼女を特徴付けるのは、その見事な藍色の髪だ。ほとんど膝近くまである長さもさることながら、その量も尋常でなく、キャバ嬢のアゲアゲヘアなんてメじゃないレベルのボリュームで彼女の背後でウネウネとうねっている。
 ──いや、比喩じゃなく、本当に動いているんだけど。

 「じゃあ、折角ダーリンの作ってくれた夕飯なんだから、冷めないうちにいただくわね」
 食卓につくが早いか、めまぐるしいスピードで、彼女の前に置いた食事が消えていく。
 テーブルマナー的には問題なく、むしろ箸の持ち方なんて下手したら俺より上品なくらいなのに、その食事量とスピードはハンパじゃなかった。

 以前なら、それにアテられて何だか食欲減退してた俺だが、近頃は開き直って普通にしっかり食べられようになっていた(まぁ、食べないと「この後」がツラいし)。
 それどころか、彼女の食べっぷりを微笑ましく見つめながら、あの髪のリズミカルな動きからして、今日の夕食の味に満足してくれてるみたいだな……なんて観察する余裕すらある。
 鉄面皮というわけではないが、普段からアルカイックな微笑を浮かべているせいで、イマイチ感情が読みにくい彼女だが、最近は犬の尻尾の如く髪の動きを見ればなんとなく彼女の機嫌がわかるようになってきた。
 ははっ、人間てのは、つくづく環境に慣れる生き物なんだなぁ。
 「そうね~。ことさら口にしなくても妻(あるじ)の気分を察してくれるなんて、夫(しもべ)としていい傾向だと思うわ♪」
 はいはい、そりゃよござんした。

 ちなみに、フリガナも含めて「妻」とか「夫」と言うのは別段冗談じゃない。
 つい先日、俺こと平凡なアラサー男、井出歩(いで・あゆむ)と目の前の美女、九頭見龍子(くずみ・りゅうこ)さんは、挙式と入籍を済ませた、まごうことなき夫婦なのだから。
 もっとも、そこに至る過程は決して平坦なものではなかったし、さらに言うなら(薄々予想はついてるかもしれないが)、ウチの奥さんも決してタダ者じゃない。
 ……て言うか、そもそも「人」ですらないし。
 正気を疑われるのを承知で白状するが、この女性(ひと)は竜──それも、日本や中国でポピュラーな龍神様とかじゃなくて、知る人ぞ知る(たぶんRPGとかのファンなら聞いたことがあるだろう)ヒュドラ──和名・九頭竜の変化(へんげ)した姿なのだから。
 「うふふ、ホントは9つだけじゃなくて100近く首はあるんだけどね♪」


【2.嗚呼、毒龍姫様】

 井出 歩。性別・♂。年齢・28歳(当時)。職業・自営業(古本屋)。
 職業柄(と言うのは言い訳か)、社会生活に役立つ知識は乏しいクセに、下らない無駄知識だけはかなりの量貯め込んでいる、若干ビブリオマニア気味なアラサー独身男。
 ──3ヵ月前、俺が失踪した時の世間的な認識は、こんなモンだろう。

 念のため断わっておくと、俺だって自分からすき好んで失踪したわけじゃない。
 かと言って、某国なり某マフィアなりの陰謀に巻き込まれたとか、そういうカッコいい(?)理由じゃなく、単なる事故ってヤツだ。

 そう、あれは店の整理とか棚卸とかが珍しくスムーズに終わった休業日の午後。俺はふと気まぐれを起こして、近く(と言っても自転車で15分程かかるけど)の海まで釣りに出かけてみたのだ。
 趣味と言えるほど精通しているわけでもないが、学生時代に買ったマイロッドは一応押し入れで健在だったし、たまには静かに海でも眺めつつ水面に糸を垂れてみるのもいいかなぁ、くらいの気持ちだった。
 ところが。磯辺で釣り糸を垂れてるうちに、うつらうつらしちまったくらいはともかく、地震、それも結構震度の大きいのが来ても居眠りしたままで、ハッと気付けば高波に飲まれてるってのは、我ながらウッカリが過ぎるだろう。
 日本人の平均程度には泳げる自信はあったが、波に飲まれた際にしこたま水を飲んじまったらしく、たちまち息苦しくなって、巧く身体も動かせず、正直もうダメかと思ってたんだが。
 意識を喪う寸前に何やらふたつの蒼い光みたいなモノが見えて……。

 左胸に焼けた火箸が突き刺さるような激痛を感じて飛び起きたところ、俺は何やらクリスタルで出来た宮殿(?)みたいな場所に座り込んでいたんだ。
 「あら、意外な反応。案外悪運が強いのね」
 状況がつかめず茫然とする俺に、すぐ背後から笑みを含んだ柔らかな声がかけられる。
 「!」
 とっさに振り向いた俺の目の前にいたのは……。

 俺の貧弱な語彙では「絶世の美女!!」としか表現しようのない人物だった。
 よほどのロリコン・ツルペタ好きでもない限り、男なら思わず唾を飲んで見とれてしまうような見事な曲線を描く肢体。
 この薄暗い闇の中にあっても、ほのかに光っているようにさえ見える白く滑らかな肌。
 仏蘭西人形の優美さと京人形の繊細さを同時に兼ね備えたような美貌。
 そして。
 ぬばたまの如き黒髪──というには、僅かに青みがかったその髪は、身の丈より長く、それどころか遥か後方にまでうねうねと長く伸びている。
 ギリシャ彫刻風のシンプルな白いドレスに身を包んでいるのが、また、女神かと思えるほどハマっている。
 おそろしく魅力的だが、同時にどこかエキセントリックで畏怖すら感じさせる──そんな迫力ある雰囲気をまとった美人さんが、俺のすぐ背後に置かれた椅子(と言うか玉座?)に腰かけて、こちらを見て嫣然と微笑ったのだ。

 正直に言うと、その時背筋を冷たいものが走ったね。
 目の前の女性が見たままの存在じゃないと、本能的に悟ってたんだろうなぁ。
 「──どちら様?」
 それでも、あまり普段と変わらぬ平静な(彼女に言わせると「間抜けな」)声を出せたのは、我ながら称賛に値すると思う。
 「ふーん。人に名前を聞くときは、まず自分から名乗るのが人間の礼儀だったと思うけど……まぁ、いいわ。どうせ、知ってるしね、イデ・アユム」
 !
 「えっと……以前どこかでお会いしたこと、ありましたっけ?」
 恐る恐る俺がそう聞くと、なぜだか突然その女性はクスクス笑い始めたのだ。
 「ウフフッ、おもしろい冗談ね。私と「以前」会ったか、なんて。もしかしてキミ、メトセラの末裔? それともマーメイドのレバーでも食べたの?」
 メトセラ──確か、旧約聖書で1000年近い長寿を保ったとされる人物だっけ。それにマーメイドのレバーって、つまり「人魚の生肝」!?
 どっちにせよ不老長寿に関わる単語ってことは……多分、この美人さんはやっぱり見かけどおりの年齢じゃない。多分とんでもなく長生きしてるってことか。
 てことは、人間じゃない可能性も高いわけだ。
 幸か不幸か学生時代の友人にソチラ方面を商売にしている人間がいる(そして実際、学生の頃にそういう事件にも巻き込まれた)から、数は少ないとは言え、妖怪とか妖精とかいった人外の存在が実在することは、俺も一応認識していた。
 「ふふっ、せーかい。そうね。あんまり焦らすのもナンだから教えてあげるわ。私の正体は……コレよ!!」

 一瞬──正確にはふた呼吸するほどの僅かな時間、俺達がいる部屋の床が透明になり、その下が透けて見える。
 さらに、どこに光源があるのか常夜灯に照らされた程度の明度しかなかった部屋が、ほんの少しだけ明るくなった。とは言え、せいぜい停電時に懐中電灯を付けた程度の明るさだが。
 しかし、それだけで十分だった。
 俺達の足下の床の、そのさらに下に、全長十メートルは下らないだろうトグロを巻いた大蛇が眠っていることはハッキリ見て取れたのだから。
 しかも、ただの大蛇じゃない。
 一瞬だったから正確な数は確認できなかったものの、蛇には複数──たぶん8本か9本の首があることも、俺にはわかってしまった。

 「八岐大蛇……いや、九頭竜、か?」
 思わず俺の口から漏れた言葉を、彼女が拾う。
 「コチラでは、そう呼ばれることもあるわね。私はHydraって呼び方の方が好きだけど」
 「ま、まじデスカ……」
 驚きのあまり、思わず片言になってしまったのも無理はなかろう。
 ヒュドラ、あるいはハイドラとも呼ばれるそれは、単なる妖怪変化の類いとは一線を画する存在だ。
 逸話として有名なのは、ヘラクレスの難行と関連した「レルネーのヒュドラー」だろう。
 伝承によればテュポーンとエキドナの子で、女神ヘラがかの英雄を抹殺すべく直々に育てた神話級の魔獣だ。善戦したものの、結局ヘラクレスには勝てなかったが、その死後、健闘を讃えて夜空のうみへび座になった……とされている。

 「で、おそらにいるはずのうみへびさんが、なんでここに?」
 先程の余韻で思わず"ひらがなしゃべり"になってしまったが、質問を返せただけでも御の字だと思っていただきたい。
 「その前に誤解を解いておくけど、私は例の筋肉マッチョ坊やに焼き殺された「あの」個体本蛇(ほんにん)じゃないわよ」
 その言葉から、推測できることは……。
 「なるほど。ヒュドラってのは種族名なんですね」
 「そ。頭の回転の速いコは、おねーさん好きよ」
 からかうようにウィンクされるが、俺としては怒る気にもなれない。彼女の話が本当なら(そしてたぶん嘘はないと思う)、それこそメトセラか八百比丘尼でもない限り、千年単位の寿命を誇る相手に、子供扱いされても無理はないだろう。
 「へぇ、おもしろい事考えるのね」
 感心したような彼女は、つぃと「玉座」(実はさっき光の中で見ると、その形は大口を開けた蛇の顎そのものだった)から立ち上がると、俺のすぐ傍らに歩み寄ってくる。
 人外の者への恐れ3割、美女にそばに来られたことによる照れが7割といった心持ちの俺は、それを紛らわせるために言葉を口にのぼらせた。
 「えっと……ひとつ聞きたいんですが、もしかして、テレパシーか何かで俺の思考、読んでます?」
 「うーん、キミの思っている超能力とはちょっと違うわ。ま、キミ本人にも関係あることだから教えたげるけど」
 そう言うが早いか、彼女は俺の両肩に手を置き(ちなみに身長にほとんど差はなかった)、一瞬まじまじと俺の瞳を覗き込んだかと思うと……。
 次の瞬間、俺は彼女に唇を奪われていたのだ!
 「んんっ、んむっ!?」
 驚いて半開きの唇の間に、彼女の長い舌が侵入し、俺の口の中に甘い香りが伝わってきた。それだけで、かぁっ、と頭に血が昇り、体温が上がるのを感じる。
 そのあいだに、彼女の右手がスルリとシャツの胸元から滑り込み、左胸のあたりを優しく撫でさする。
 たったそれだけのコトで、俺の息子はたちまち臨戦態勢に入ってしまっていた。

 一応断わっておくと、これでも俺は全く女性経験がないわけじゃない。大学時代にふたりほど女の子とつきあった経験があるし、その内のひとり、ゼミの1学年先輩の女性と最後までヤッて童貞も捨てている。
 生憎、先輩の卒業とともに疎遠になり、以来恋人のひとりもできたことはないが、そっち方面には元々割合淡白な方なので、特に性欲をもてあまして困った記憶もない。自慰の頻度など月に2、3回あるかないかだ。
 ところが、そんな俺が如何に絶世傾国クラスの美人とは言え、初対面の女性にいきなりキスされ、それだけで股間がギンギンにいきりたっているのだ。
 どう考えても、尋常な事態ではなかった。

 「なん…で、こんなことを?」
 それでも、俺は全自制心を振り絞って、彼女の肩をつかみ、乱暴にならない程度の力で引き剥がす。
 「あら、びっくり。この状況でも情欲に抵抗できるなんて。キミ、意外に掘り出し物かもね」
 言葉の内容ほど驚いた様子はなく彼女は俺の手を引いて、「玉座」に並んで座らせる。
 「頭のいいキミだから分かると思うけど……ねぇ、その身体の疼き以外に変なことはないかしら?」
 下半身の熱から意識を逸らしつつ俺はその問いかけの真意を探る。
 「どういう、ことです?」
 「ヒントをあげましょうか。私は「ヒュドラ」なのよ?」
 いつもの半分も回らない頭を、それでもその言葉から、懸命に思考を連鎖させる。

 (ヒュドラと言えば……九つないし百の首を持ち、斬られても死なない不死身で……あぁ、でも火には弱いんだっけ。それと……ヘラクレスの逸話だと、毒気にやられないように、口と鼻を布で覆いながらレルネーの沼に……)

 カチリと思考のピースが嵌まる。
 「え? なんで、俺、平然と生きてるんだ?」
 そう、ヒュドラの吐く息や体液は、強い毒性があり、かの古代ギリシャの半神の英雄ですら耐えきれなかったほどのはずなのだ。
 それなのに……霊感も魔力も(少なくとも学生時代に例の友人にみてもらった限りでは)ほぼ人並にしかなかったはずの俺が、なんで!?

 「正確にはちょっと違うけど、キミはね、私の眷属になったのよ」
 けんぞく……って、いわゆる神族魔族の部下と言うか下僕というか使い魔というか……。
 「フフッ、まぁそんな感じね──本来なら」
 本来なら?

 「キミね、私が拾った時、完全に溺れて呼吸も止まってたのよ」
 うわぁ……聞きたくなかった、そんな台詞。
 「とりあえず、足から逆さに吊るして水は吐かせたんだけど」
 こんな風に──と言って、その長い髪の一房を触手状にして俺の足首を掴み、ゆらゆら揺らすヒュドラさん。
 「わー、わかったから止めてくださいッ!」
 慌てて床に下ろしてもらう。
 「で、とりあえず肺から水を吐き出して、いったん自発呼吸もし始めたんだけど、それでも鼓動とか徐々に弱くなってきたから……」
 きたから?
 「生きてるうちに現代の人間社会の情報もらっとこうと思って、こう胸にプスッとね」
 右手の人差し指をピンと立てると、彼女の真紅の爪が3センチほどの長さに伸びる。
 ……って、もしかしてさっきの激痛は、それが俺の心臓に刺さった痛みかぁ!?
 「うん、おおよそ正解。でも、おかげで、私の爪が刺さったショックがマッサージの、爪の先から出る弱い毒がちょうど強心剤の代わりになって、目が覚めたんだから、WIN-WINじゃない」
 私も望みの情報は得られたしね、としれっとした顔でのたまうヒュドラ嬢。
 そうか。道理で神話時代から生きてる幻獣にしては、日本語を話すくらいはともかく、えらく言葉使いや知識が今風だと思ったんだ。

 「で、それが何で眷属なんて話になるんです?」
 「爪を抜いたあとの傷を塞ぐのに、私のウロコを一枚埋め込んだから♪」
 慌てて、左胸を手で探るが、微かな傷痕が残っている以外の痕跡は確認できなかった。
 「もう、体内に吸収されちゃったみたいよ。たぶん、よっぽど相性が良かったね」
 ちなみに、キミが感じた激痛は、どっちかって言うと爪じゃなくてその時のものだと思うわよ……とヒュドラさんは、楽しそうに補足説明する。この人(いや、人間じゃないけど)、絶対Sだ。

 「えーと、おおよその事情はわかりました」
 体内に本人の鱗を埋め込まれているから、それを中継点にして思考がダダ漏れなんだろう。
 呪術的にも、他者の血や体液を飲む、身体の一部を取り込むという行為は、霊的な繋がりを作るための手っ取り早い手段みたいだし。
 逆に眷属だからこそ、主の毒も効果がない、ってことか。
 「まぁ、そうなんだけど……キミさぁ、私のこと、どう思う?」
 つ、艶っぽい流し目投げるのは勘弁してください。
 こちとら、さっきから体内の欲望が不自然にいきり立ってて自制するのに苦労してるんですから。
 「ねぇ、私、そんなに魅力ないかしら」
 ちょ、タンマ、背中にふたつのやわらかい塊りが当たってる当たってますって!
 「ふふっ、こんな時は女はこう言うのよね、「当ててんのよ♪」」

 ──Fuoooooooooooo!!!

 ついに臨界点を突破して「どうにでもなれ!」と抱きしめ押し倒……そうとしたところで、髪の毛で動きを止められる。ぐぬぬ、これがおあずけプレイと言うヤツか。
 「ほらね。主を自分の意志で害(レイプ)することができる眷属なんて聞いたことないわ。そもそもキミ、私に絶対服従だとか私の言葉が絶対だとか、思ってないでしょ」
 そりゃあ、まぁ、結果的とは言え、助けてもらったことには恩義は感じてるし、貴女みたいな美人さんの頼みなら、極力聞いてあげたいとは思うけど、「絶対服従」はさすがにない。
 「つまり、私とキミとの間には、現在霊的なつながりだけがある状態なの。これはこれで悪くないんだけど、ちょっと落ち着かないのよね。だから……」
 玉座から立ちあがった彼女は、白い古風なドレスをスルリと脱ぎ捨てる。
 そのまま、俺の服も(髪の毛の触手が)手際良く脱がせ、俺達は生まれたままの姿で(彼女の場合は本体がアレだから言葉の綾だ)向かい合った。

 「単刀直入に言うわ。セックスしましょ♪
 この世のものとも思えない快楽の内にキミの心を蕩けさせて、本物の眷属にするわ。いい加減、ひとりで海底(ココ)に籠っているのも飽きたしね。
 でも、もし万が一キミが私を十分満足させてくれたら──そうね、私の旦那様にしてあ・げ・る♪」
 「あー、つまりどう転んでも、貴女から逃げられないことは確定なんですね」
 「ふふっ、そうよ。安珍清姫の逸話じゃないけど、ヘビは一途なんだから♪」
 「執念深いの間違いじゃないスかー!」
 もっとも、実のところ俺も口で言うほど嫌がってるワケじゃない。
 正直、化身したヒュドラさんの容姿は、かなり俺の好みのド真ん中に近いし、さっきから言葉を交わした限りでは、性格も(ナチュラルにワガママでマイペースなところも含め)案外好感を持てると感じていたからだ。
 とは言え、とくにMっ気もない(と思う)から、下僕扱いは勘弁願いたいところ。
 かくして、俺と彼女のふたりの関係における今後の主導権をかけた、一大「性戦」が開始されることとなったのだ!


【3.エンゲージ!】

 ファーストヒットコンボ! ……というわけでもないのだが、せめて主導権を握ろうと自分から彼女に口づけした俺は、舌を絡ませて口の中を蹂躙するというディープキスで迎撃される。
 「ん…くちゅ……んむ…ふぅッ…んっ…」
 一応童貞じゃないとは言え、女性とシた経験なんて10年近く前に何度かあっただけ。経験不足にもほどがあるが、仮に俺が人並み程度の性体験を持っていたとしても、彼女とのキスでは遅れをとったに違いない。
 はっきり言って、メチャクチャ気持ち良い……キスがこんなに気持ち良いものだとは、正直思わなかった。たぶん、大蛇の化身である彼女の舌が(先こそふたつに割れてないものの)常人の域を通り越して長く、また器用であることも関係しているのだろう。

 とは言え、一方的に蹂躙されているのもシャクだ。
 「んんッ……!」
 今度は俺の方からも舌を絡ませていく。
 彼女の口の中に舌を入れ、さっき彼女にされたように彼女の口の中を舐め回す。
 彼女の唾液は──本来毒であるとは信じられない程──甘く、爽やかな香りがした。

 俺達は、しばらくの間そうして舌を絡ませ合っていた。
 どこぞのナイスガイの台詞じゃないが、心は熱く、頭は冷静に、そして両手は優しく彼女の身体を抱きしめる。それだけで、不思議と満たされていくような感じがする。

 「ん……ふうっ………ねぇ、キミ、本当に経験少ないの? 私……こんな気持ちのいいキスしたの、初めてよ。
 ──もっとも、私とキスした人自体そう多くはないけど」
 唇を離して訝しげに、しかし頬を紅く染めて言う彼女。
 どうやら俺に出来る精一杯口撃(キス)はかなりの成果を挙げたようだが……ああ、そうか。そもそも、彼女の本性を考えれば、その生きた年数に比べてキスした相手が極端に少なくとも不思議はない。

 しかし──いかにも経験豊富そうな妖艶な美女にこんな表情をされると、ギャップ萌えと言うか、すんごく可愛く感じてしまう。
 「本当ですよ。そもそも嘘ついても仕方ないし」
 疑似的に霊的な繋がりがあるから、思考や感情はだだ漏れなはずでしょ? と聞き返す。
 「あはっ、冗談よ(そうね。キミは私の旦那様になるんだもの。むしろ心強いわ)」
 後にして考えると、その時から既に彼女は俺を本物の眷属に変えるつもりはなかったのだろう。
 もっともその時の俺は、目の前の美女の相手でいっぱいいっぱいで、気付かなかったわけだが。

 「フフッ、さ、もっとイイコト、し・ま・しょ」
 楽しそうな彼女に、俺はそのまま押し倒されてしまう。彼女はトロンと潤んだ目付きで俺を見下ろしている。
 「この体勢は……俺が不利過ぎませんか?」
 久々なので、勝手がつかめず、結局主導権を握られてしまった。
 「だいじょうぶ。キミは私にその身を委ねてくれればそれでいーの」
 悪戯っぽく笑うと、俺の肉棒を掌で弄ぶ彼女。合意の上とはいえ、何だか逆レイプをされているみたいだ。
 「それがイイんじゃない。ねぇ、燃えない?」
 いや、そういう嗜好は俺にはないんで……ない、はずだよな?
 「そう言う割には、ずいぶんと元気じゃない、ココ」
 彼女の仰る通り、我が分身は既にカチコチの合体準備完了状態だ。まぁ、これからスることを思えば、無理もない話だが。
 「あ、あんまりガン見しないでくれます? それほど大きさに自信があるわけでもないんで」
 「フフフ……そういう風に恥じらう様子を見るのが、またソソるんじゃない。主(つま)の特権でしょ」
 なんかもう、完全に手玉に取られているような気がする。

 「とは言え、私もすっかご無沙汰で、割と我慢きかなくなってるのよねー」
 彼女の裸身が俺の上にまたがる。
 下から見上げる形で一番目を引いたのは、やはり胸だろう。
 D、いやEカップは確実なのに、垂れもせずに形は良好。まさに「たわわ」と言う形容が似合う極上の果実が目の前で揺れているのだ。これで奮い立たないワケがない。
 「喜んでもらえたようで嬉しいわ。じゃあ、早々に私の中にお迎えするわ、下僕(だんな)様♪」

 ……
 …………
 ………………

 ふたりで昇りつめてしばらくの後、彼女は繋がったままの俺の上に倒れ込んできた。
 身長差はほぼないので、俺の顔のすぐ横に彼女の美貌が見える。加えて視界に映る、地に着くほどの長い藍色の髪。
 艶やかなその髪に、触れてみたくて、俺はそっと手を伸ばす。
 彼女は一瞬ピクリと身を震わせたものの、それ以上は動かず、俺はそのまま彼女の髪に触れて、そのまま梳くように撫でていた。
 あれほどウネウネ動いていたのに、指を擦り抜けていく髪の感触は細く滑らかで、とても触り心地がいい。
 「……どうしたの?」
 「ん? ああ、綺麗な髪だなぁ、って」
 俺の馬鹿正直な答えに、彼女は呆れたような慈しむような視線を返した。
 「ねぇ、キミ、私の本性が何かわかってるんでしょう? それでも、綺麗だって言うの?」
 確かに、彼女の正体はヒュドラで、今の姿は擬態してるだけで、多分この髪も実際にはメドゥーサの髪の如く無数の蛇の首なのかもしれない。
 それでも、綺麗だと──触れてみたいと──愛しいと思ったこの想いに嘘はない。
 「……呆れた」
 そう言いつつも、彼女の表情はどこか嬉しそうだった。

 「で、この勝負、俺の勝ちでいいんですか?」
 「あ、そう言えばそんなコトもしてたわね」
 さては途中から忘れてたな?
 「んーーー、ま、いいでしょう。とりあえず、この一戦はあなたの勝ちよ、旦那様」
 ありゃ、案外素直に認めたな。
 ──ん? 「この一戦」?
 「そ。さぁ、夜はまだまだ長いわよぉーー!!」
 ちょ、待った、そもそも海底(ココ)に夜も昼もないだろうが!?
 「ええ、だから好きなだけ睦み合えるわね、ダーリン♪」
 ひぃええええーーー!

 ──その後、媚薬兼霊力補給の効果のある彼女の唾液(いわく「毒も薄めれば薬となる」んだそうな)で何度となく「復活」させられつつ、俺達は、ほぼ3日3晩交わり続けることになった。
 おかげで、俺──俺達が地上に戻った時には、すでに津波から一週間近くの時が立ち、俺の生存はほぼ絶望視しされていたことを付けくわえておく。

 「うん、まぁ、若気の至りよね♪(テヘペロ)」
 齢ン千歳の、どの口がそんな台詞言う気ですか、マイハニー。


【4.死が二人を分かつまで】

 結局、何だかんだで一応俺を「旦那様」と認めてもらったんで、ふたりで地上で暮らすことになった。
 実は、海底での隠棲生活に飽き飽きしていた彼女が、こうなるように手を抜いたんじゃあ……と気づいたが、俺としても、何にもない海底よりは住み慣れた地上で暮らす方が断然いいので、あえて追求する気は毛頭ない。

 ただ、そのために彼女の化身(じつは目の前の人型は「9本の大首のひとつを核に魔力で実体化した存在」だった)を本体から一時的に「切り離す」必要があった。この状態だと、は眠る本体と化身は長~い髪の毛でつながっているのだ。
 ──え? エヴァンゲ●オン? ……せめて「子供たちは夜の住人」の由美と道麻って言ってあげて(我ながらたとえがマイナー過ぎか)。
 ともあれ、3日3晩ブッ続けの交わりは、その儀式魔法で使う魔力蓄積のためだって言ってたけど……ありゃ、絶対後付けの言い訳だな、うん。
 で、いざその切断の儀式をしたら、とても(魂的に)痛かったらしく、涙目になってクスンと凹む彼女の様子がとても愛らしくて、ついつい押し倒してしまったあたり、いい加減俺もほだされてるよなぁ(1戦終わったら即逆襲されたけど)。

 諸々のコトが終わったのち、彼女の魔力で大きなシャボン玉みたいな空気の塊りを作り、それに入って俺たちは地上に出た。
 俺のポケットには小銭入れしか入ってなかったし、彼女は言わずもがな、現代日本の貨幣を持ってるワケないが、上陸した場所は幸い俺の家の隣りの県だったから、電車で帰ること自体は比較的容易だった。

 ただ、一週間失踪して、「ふたりで」家に戻ったんだから、もちろんひと悶着もふた悶着もあったともさ。
 とりあえず、俺は津波で流された後、彼女に拾われて介抱されてたが、一時的に記憶を失っていたということにしておく。
 で、この一週間あまりの間に「彼女の献身的な看護」(笑)を受けた俺と彼女の間に愛が芽生え、さらに俺の記憶も戻ったので、ふたりで結婚してここに住むため戻って来た……と、周囲には説明した。

 ちなみに、今俺が住んでる家は、仕事場(古本屋)を兼ねた、商店街の端っこにある一軒家だ。
 元は爺さんが経営してたこの店に、務めて2年目の会社がつぶれた俺がそのまま居候兼店員として転がり込み、一昨年、爺さんが亡くなるとともに引き継いだ形になっている。
 色々手を入れてるはいるが、かなり古いし、新婚の新居として見ると少々オンボロ気味なのは否めない。
 彼女が難色を示したなら住居だけでも新築マンションにでも引っ越そうかと考えていたのだが、意外なことに我が奥方は、この古き良き昭和の香り漂う和洋折衷住宅がいたくお気に召したらしい。
 「たとえ古くとも大切に使われていたものには魂(プシュケ)が宿るものなのよ、ダーリン」
 神話の時代から生きる蛇姫様の言うことだけに不思議と説得力があるなぁ。
 無論、俺としても伴侶に異論がなければ馴染みこの家を離れる理由はない。
 かくして、俺達は正式に籍を入れる前からこの家で同棲生活を営むこととあいなった。

 周囲の反応は様々だった。
 ウチの両親に関しては、いきなり嫁を連れて来た割には、案外簡単に受け入れてくれた。
 まぁ、俺もそろそろいい歳だし、龍子さん(ふたりで決めた偽名)はパッと見には「いいところのお嬢さん」っぽく見えるからな──ただし、「清楚可憐」じゃなくて「絢爛豪華でタカビー」系の。
 実際、海底の棲み家からごっそり貴金属とか宝石の類を持ち出して来たから、ひと財産どころか百財産くらいあるんだが。
 現代日本の知識や社会常識その他についても、俺からコピーしたんだから、おおよそは心配ないだろうし。
 (と、この時では思ってたんだが、後日「机上の知識」と実体験にもとづくそれとでは大きな差異があることに否応なく気付かされた。トホホ……)

 紹介した友人たちは、色々やっかみつつも、ちゃんと祝福してくれた──ただ、霊能者してる友人には「あの女性の正体知ってるのか?」って聞かれたんで、曖昧に笑っておいたけど。
 「……そうか。お前がいいなら、別に他人がとやかく言うことじゃないよな。いろいろ頑張れ──蛇性の淫なんて言葉もあるし」
 『雨月物語』、だっけ? まぁ、俺は最初から彼女の本性は承知の上だし、その辺については問題ないんだが。まぁ、とりあえず寺詣りはやめとこう。「淫」の字の部分については……はは、これも「夫の義務」と割り切ることにしたよ。

 ともあれ、そいつのツテでマイハニーの日本戸籍を作ってもらい、晴れて「ギリシャ系帰化人を母に持つ日本人・九頭見龍子」さんが社会的にも認知され、その半月後に華燭の宴とあいなった。
 いやぁ、まさか、この俺に純白のタキシードなんてものを着る機会があるとは夢にも思ってなかったよ。男ぶりが3割ほど上がったかな?
 「ダーリン、ここは普通、新婦のウェディングドレス姿を褒めるところじゃないかしら?」
 祭壇への道を腕組んで歩きながら、龍子さんが小声で呆れたように囁く。
 普通は花嫁の父が祭壇前までエスコートして新郎に引き渡すんだろうけど、彼女が天涯孤独(と言うことになっている)なので、変則的にこういう進行にしてもらった。
 ──言わせんなよ恥ずかしい。
 純白……ではなく、ほんの僅かにピンクがかった薄い桜色の上品なエンパイアラインの婚礼衣装に身を包んだ彼女は、冗談抜きで女神のように美しかった。
 「フフッ、あ・り・が・と」
 彼女限定のサトラレ状態なので、俺の本音はダダ漏れなワケだが、まぁ、その辺は文字通り「言わぬが花」いうヤツだろう。

 さすがに神前での誓いっては白々しい気もしたんで、形式としては人前式ってことになるのかな、これは。
 立会人(例の霊能者な友人とその奥さんが務めてくれた)の前で、二世を誓う俺達……もっとも、凡人な俺はともかく、我が奥方殿が来世を迎える頃には、人類の方が滅んでいるかもしれんが。

 ともあれ、その出自とは裏腹に、呆れるほど美人であるという点を除けば龍子さんも、ごく当たり前の「幸せ一杯の花嫁」に見える。
 実際、あとから聞いたところ「まさか私が人間の男の元に嫁ぐ日が来るなんてね~」と、酔狂に面白がってはいたらしいし、ま、結果オーライだろう。
 新婚旅行は1週間かけて国内の主要都市5ヵ所を梯子した。下手に風光明媚な場所より、現代文明の粋を凝らした都市の方にマイハニーは興味を示したからだ。
 旅先では色々な厄介事──ホンっトにてんこ盛りなトラブルに遭遇もしたが、それもまぁ済んでみればいい笑い話だ。

 そして、現在、俺は相変わらず古本屋の店主を務めると同時に、主夫として我が家の切り盛りもしている。
 彼女の名誉のために言っておくと、(驚いた事に)龍子さんも家事を分担しようと申し出てはくれたのだ。もっとも、これは俺の身を慮ってと言うより、好奇心でやってみたいという要素の方が強かったみたいだが。
 そして、このテのありがちなお約束みたく家事の技量が壊滅的というワケでもなかった。少なくともひとり暮らしを始めた当初の俺よりは、よほど筋も良かったし。
 ただ……ちょっとでも気を抜くと、すぐに手の代わりに髪の毛の触手(?)を使っちまうんだよ(しかもその方が器用だし……)!
 そんな光景、万が一他人に目撃されたらエラいことになる。
 ──と言うわけで、現在も独身の頃同様、俺が炊事・洗濯・掃除をこなしているというワケだ。

 じゃあ、ウチの奥方殿は何にもしてないNEETなのかと言えば……うーん、違うと思うぞ、一応。
 まず、店を開けてない朝晩はともかく、俺が昼飯を作っているあいだは、店番をしてくれてる。好奇心と知識欲旺盛な我が妻は、本を読むのがお気に入りのようで、店番しながら片っ端からウチの売り物を読み漁っているのだ。
 そのぶん、客への応対は比較的ぞんざいだけど、元々近所の学生と常連さんしか来ないような店だし、特に問題にもなってない。
 そして、意外なことにパソコン、とくにインターネットにもハマった彼女は、最近デイトレードで結構な額(それこそ、ウチの店のつつましい収入と同じくらいの金額)を稼いでいるのだ。
 ──巳(ヘビ)は金運の象徴とか言うけど、それと関係あるのだろーか? それとも、齢ン千年の智恵の勝利?
 「あぁ、株取引(あんなの)なんて、運気の流れを読めば簡単よ」
 オカルトでした!

 ともかく、今現在の俺は、美人で(機嫌さえ損ねなければ)陽気で明るい嫁さんをもらって、至極幸せな新婚生活を満喫していると思う。
 「ねぇ、ダーリ~ン、お腹が膨れたら、私のもうひとつも欲求、満たして欲しいな♪」
 そして食事のあと、妻にこんなに潤んだ瞳を向けられたら、たとえ相手が蛇姫様でなくとも、男なら後には引けないと言うモノだ。
 「にゅふふ……月がとっても蒼いから今夜は寝かさないわよ~」
 ──ただひとつ、夜の営みのあまり寝不足気味なのだけは何とかしてほしいと切に願う今日このごろではあるが。

-おしまい-

#とりあえず、こんな感じで。例によって18禁完全版はPIXIVの方にてご覧ください。
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まとめtyaiました【『九毒蝕む我が龍姫』】

 2ちゃんの「人間以外の女の子」スレに投下したSS。ソーシャルゲーム「幻獣ハンター」のレアカードである「九毒の蝕みヒュドラ」に触発されて書いた作品です。なので、このヒロインには、「九髪の魔手」たる姉と「九刃」の異名を持つ妹がいるという設定。 ・姉→妹(?...

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No title

pixiv版とともに読みました。人外娘も、書き方1つで魅力的になりますねwww

ちなみに、これを読んで私の頭の中に「ティン!」と来る者がありました。そのまま小説として書けないかなあと、考えている所です。

Re: No title

いつもご愛読&感想ありがとうございます。
私のいつものヒロインとはちと毛色の違った女性をメインに据えてみましたが、魅力を感じていただけたなら幸いです。
「ティン!」ときた内容の方も楽しみです。

> pixiv版とともに読みました。人外娘も、書き方1つで魅力的になりますねwww
>
> ちなみに、これを読んで私の頭の中に「ティン!」と来る者がありました。そのまま小説として書けないかなあと、考えている所です。
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