『そして日常な非日常へ』(後篇)

そして、ふたりは立場が入れ替わったまま、月曜日を迎えます。


そして日常な非日常へ ~ありふれた日常if~』(後篇)

 月曜日の朝8時。
 とあるマンションの一室から一組の男女が出て来て、駅へと向かっている。
 学生も社会人もおそらく一週間で一番憂鬱になるであろう月朝にも関わらず、はつらつとした元気を周囲にふりまいている男性と、彼に引っ張られるようにして恥ずかしそうに歩いている女性の組み合わせは、周囲には微笑ましい光景と映っているようだ。
 ──もっとも、そのカップル(?)の活発な男性に見える方が本当は女性で、控えめな女性にしか見えない方が実は男性であることては、皆さんもよく御存じであろう。
 そう、言うまでもなくこのふたりは袖原美輝と大幡和貴である。無論、不思議なネックレスの力で、今は本人達以外には美輝は「和貴」に、和貴は「美輝」に互いの立場が入れ替って見えるわけだが。
 「和貴」な美輝は、昨日和貴のマンションから取って来た背広姿なのだが、ライトグレーの上着にサンドベージュのスラックスを合わせ、薄水色のカッターシャツに黒と赤の格子縞のニットタイを締めている。
 会社に行くにしてはやや砕けた格好だが、今日は社外の人間と会う予定はないので問題はないだろう(実際、会社に着いたところ、いつも上下同じ背広に地味な色のネクタイを締めている本物の和貴と異なり、「センスがいい」と好評だったりする)。
 対して、「美輝」の立場となっている和貴の方は、膝丈の白い七分袖ワンピースの下にオーキッシュブラウンのサブリナパンツを履き、その上から大きめのストールをポンチョ風にまとっている。足元はかかとが低めな黒のチャイナシューズだ。
 美輝のワードローブの中で、できればボトムをスカート以外にしたい和貴が選んだ苦肉の策なのだが、縮れコットンの素材のワンピースがフェミニンな印象を醸し出しており、結果的に普段の美輝より淑やかな雰囲気なのは皮肉だった(和貴は気づいてないが)。
 「うぅ……ホントに大丈夫かなぁ」
 「もうっ! 往生際が悪いわよ、大幡君」
 これまでと違い、よく見知った会社の人々相手に「美輝」を演じなければならないとあって、和貴はどうにも及び腰なのだが、美輝に叱咤されつつ、結局は無事8時半過ぎに会社に着いた。

 幸いと言うべきか、和貴たちの会社は9時半始業なので、職場にまだほとんど人はいない。
 辺りに人目がないことを確認してから、美輝は和貴を女子更衣室へと押し込んだ。
 「ほら、覚悟を決めてチャッチャと着替える!」
 さすがに和貴も現状は理解しているので、溜め息をつきながら「袖原美輝」のロッカーを開けて、会社の女子制服に袖を通し始めた。
 土曜日はこの姿でいた時間が短かったため、あまりそう思わなかったが、改めて自分が着るとなると、ボトムがタイトスカートのこの制服はいささか気恥ずかしい。
 それでも、この二日間で女物の衣類に幾分慣れたせいか、さして戸惑うことなく着替えることはできた。

 数分後、更衣室近くの自販機前で缶コーヒー片手に待っていた美輝は、もじもじしながら近寄って来る和貴の姿に相好を崩した。
 「お、ちゃんと着替えられたみたいだね。うん、偉い偉い。ブラウスのリボンも……曲がってないか。残念、「タイが曲がっていてよ」をしようかと思ったのに」
 「か、からかわないでよ、袖原さん」
 和貴の反論を意に介さず、そのOL姿を頭のてっぺんからつま先までジロジロ凝視する美輝。
 「うーん、お化粧も崩れてないか。でも一応、トイレで口紅だけはひき直した方がいいかな」
 「えっと……それって、女子トイレで?」
 「当然でしょ。それとも「袖原美輝」を男子トイレに忍びこむ痴女にしようっての?」
 美輝の視線は、もしそんなコトしたら、「大幡和貴」もタダじゃ済ませないわよ……という脅しを言外に語っていた。
 「──ハイ、ワカリマシタ」
 となれば、和貴としてもほかに選択肢はなく、人生で初めて「女子トイレでメイク直し」を経験するハメになるのだった。

 さて、その後、しばらくして他の会社の者も出社し、始業時間となったワケだが、いざ仕事を始めてみると思いの他、トラブルもなくスムーズに時間を進めることができた。
 コレは、昨日美輝が言っていた通り、ふたりが同じ部署で互いの業務をおおよそ呑み込んでいるからだろう。
 美輝の方は経理の仕事は土曜で一段落したため今週頭はほぼ一般事務だけだし、和貴のほうも外回りの営業ではなく内勤の事務方の人間だ。概要さえあらかじめ教え合っておけば、ボロが出ない程度に仕事をこなすことは十分可能だった。
 いつもなら美輝の後輩として何かと彼女に話しかけてくる女性社員の小杉明子も、幸いにして今日は休みのようだ。
 一番問題になりそうなトイレについては、小心者な和貴も土曜と今朝の2度入ったことでふんぎりがついたのだろう。昼前に一回堂々と女子トイレを使っていた。
 美輝に関しては言わずもがな。むしろ立ち小便ができないことをコッソリ残念に思っているくらいだ。
 問題は休み時間のそれぞれの社内の友人たちとのコミュニケーションだが……。
 「あ、『袖原さん』、よかったら今日、お昼一緒に行かない?」
 「そ…『大幡くん』? えっと……うん、いい、わよ」
 こうして「和貴」な美輝が「美輝」な和貴を釣れ出すことで、長時間のおしゃべりを巧く回避していた。

 「でも、よかったの? たぶん、アレだと周囲の人に勘違いされたと思うけど……」
 会社から少し離れた場所にあるが「美味しい」と評判のうどん屋に入り、向かい合わせのふたり席に座って注文をしたあとで、和貴が美輝に囁いた。
 「ん? なんで?」
 「いや、なんでって……アレだと、袖原さんが俺に──いや、今は逆なのか。「大幡和貴」が「袖原美輝」に気があるように見えるだろうし、「袖原美輝」もソレを嫌がってない風に見えると思うんだけど」
 「あはは、お昼ご飯くらいで大げさだなぁ。でも……私は別に構わないけど」
 チラリと美輝から流し目を投げかけられて、一瞬ドキッとする和貴。
 男装しているにも関わらず(あるいはだからこそ)、普段のサバサバした印象の彼女とは少し異なる不思議な色気が、スーツ姿の美輝にはあった。
 「か、からかわないでよ……」
 「あら、別にからかってないわよ。言ったでしょ、「顔も性格も決して悪くはない」って。
 反面、頼りない感じがマイナスだったけど……でも、今の「美輝ちゃん」な和貴くんは可愛いし、イイ線行ってると思う」
 本来なら、いい歳した成人男性に対して「可愛い」というのは褒め言葉ではないし、怒ってもいいところなのだろうが、なぜか胸が熱くなるような感覚を和貴は覚えていた。
 「か、可愛いなんて、そんな……」
 ドギマギして目を逸らす和貴を、愛でるような眼差しで見つめる美輝。
 「フフッ、そういう初心(ウブ)なトコロが特にね。とても、同い年とは思えないなぁ」
 何か言い返そうと和貴が言葉を選んでいるあいだに、折悪しく注文していた品が届く。
 「いっただきまーす!」
 「──いただきます」
 天ぷらうどんと焚き込みご飯のセットを美味しそうにパクパク頬張る美輝と、小盛りのざるそばをちゅるちゅるすする和貴の様子は、本来の男女関係からすると逆のようだが、今の立場的にはふさわしいだろう。
 「にしても、和貴くん、それだけで足りるの? 朝もパン一枚だったし」
 「生理の影響かな。あまり食欲ないんだ」
 4日目とあって、下腹部の痛みや出血はほぼ治まっているが、体調自体は万全とは言い難い。元々大食漢とはほど遠いが、どうやら和貴は身体の調子を崩すと格段に食欲がなくなるタチのようだ。
 「美輝さんは、よく食べるね」
 「えへへ、まーねー。大丈夫、私は食べても太らない体質だから」
 多少嫌みを込めた和貴の言葉にも、美輝は悪びれずに世の女性から殺されそうな台詞を吐く。
 結局そのあと午後の仕事に関して簡単な確認をしたところで、昼休みが終わる時間帯となり、ふたりは慌ただしく会社へ戻り、それぞれの立場での仕事に精を出すことになるのだった。

 午後から夜にかけても大きなトラブルはなく、このまま無事に終わるかと思われたのだが……。
 「相談アリ・資料室へ」というメモを見て、会社の資料室にやって来た和貴に対して、美輝が意外なことを聞いてきた。
 「えっ、仁科課長に飲みに誘われた!?」
 「うん。これって、断らないほうがいいよね?」
 どうやら「大幡和貴」している美輝に、上司から飲みの誘いがあったようだ。
 「そりゃあ、同僚とか単なる先輩ならともかく、課長の誘いはなぁ……袖原さんて、お酒強い方だっけ?」
 「ま~かせて! ザルとまでは言わないけど、私けっこうウワバミよ」
 その言葉を信じて、代役を任せるしかないのだろう。
 「でも、仁科課長って、家がウチと近いから、たぶん帰りに一緒のタクシーで送ってくれると思うんだけど……」
 「そうなんだ。うん、でも大丈夫。昨日行ったから、和貴くんの部屋はちゃんと覚えてるから」
 「ええっ!? もしかして美輝さん、そのままウチの部屋に泊まるつもり?」
 「ん? 何か変? 今の私は「大幡和貴」なんだから、むしろその方が普通でしょ。だいたい昨日一昨日と私の部屋に泊っておいて、自分は拒否するつもり?」
 ジロリとニラまれで慌てる和貴。
 「あ、いや、美輝さんがいいなら別に構わないんだけどさ。じゃあ、俺も今日はウチの部屋の方に帰っておこうか?」
 「それじゃあ、明日の着替えとかに困るでしょ。だーいじょーぶ。部屋に泊まるのはお互い様なんだから、悪いようにはしないって。Hな本見つけても知らないフリしたげるから」
 結局、至極筋の通った美輝の言い分に、和貴も従うしかないのだった。

 「お、お先に失礼しまーす」
 午後8時過ぎ。なぜか少し申し訳なさそうな顔をした女子社員(の格好をした和貴)が、未だ会社残っている面々に挨拶しつつ、会社を出ようとしていた。
 「お、袖原さん、お疲れさん」
 「おつかれ~」
 快く声をかけて見送ってくれる残業社員達。
 これが「袖原美輝」ではなく大幡和貴なら、こんな早く(と言っても就業時間はとっくに過ぎているのだが)に帰ったら嫌みのひとつも言われたかもしれない。
 「美輝」のフリをしている和貴も、もう少し残ろうかとは思っていたが、本物の美輝に「生理で辛い……ってことになってるし、あんまり遅くまで残らないこと」と釘を刺されているので、仕事が一段落したのをみはからって退社することにしたのだ。
 ちなみに、「和貴」になっている美輝の方は、7時前に課長に連れられて得意先との打ち合わせに出かけている。今日は、そのまま飲み明かすつもりなのだろう。
 (美輝さんの酒癖って、どんなだったかなぁ……)
 そんな事を考えつつ、会社を出て駅へと向かう和貴。普段の和貴はJRなのだが、美輝の部屋は私鉄沿線にあるので、最寄り駅も乗る電車もまったく違う。
 こうしていると、改めて自分がまったく異なる立場の人間になっている(正確には、その人間の立場に置かれている)ことを、しみじみ痛感する。
 しかも、今夜はその相手の部屋でひとり過ごさないといけないのだ。
 持ち主本人の了解は得ているとはいえ、なんとも落ち着かない気分だ──少なくとも、その電車に乗る前の和貴は、そう考えていたのだ。
 ところが。
 普段と帰宅時と異なり、人の多い電車に詰め込まれて揺られる。一応生理はほぼ終わったとはいえ、まだ万全でない体調の和貴にとって、この帰宅ラッシュは少々酷だった。
 さらに、偶然かもしれないが、お尻のあたりを誰かに触られているような……。
 (痴漢!? いや、まさかなぁ……)
 しかしながら、今の自分は、周囲の人間にとっては、女らしい服を着た若い女性──「袖原美輝」にしか見えないのだということを思い出し、背筋を怖気が走る。
 幸いその直後に電車が下りる駅に着いたため、真相を追求する間もなく、急いで「美輝」は電車から降りて、足早にホームの階段を駆け降りた。
 (あ~、気色悪い……)
 満員電車に乗る度に……ということはないだろうが、それでもあんなメに遭う危険性がある女性は、本当に大変だな、と思う。
 同時に、そんな卑劣な真似をする男がいること──そして、自分もまた同じその男であることが、和貴はつくづくイヤになった。
 (ふぅ……なんか、外で夕飯食べていく気分でもないなぁ。角のコンビニで適当にご飯買って、さっさと部屋に帰ろ)
 溜め息をひとつ漏らして、トボトボ歩き出す和貴は、だから気づいていなかった。
 ──自分が今、ごく自然に帰るべき場所として「袖原美輝」の部屋を思い浮かべたことに。
 ──一度も入ったことのないはずの美輝の家の近くのコンビニの場所と、その品揃えまで思い浮かべられたことに。

 「家」に帰った「美輝」──和貴は、いまいち体調の優れない身体を引きずりつつ、部屋着に着替えると、ほとんど惰性でテレビをつけ、それを見ながらコンビニで買って来たおにぎりと惣菜を食べた。
 食べ終えると、とくにおもしろい番組もやっていないので消し、風呂を沸かす。
 準備が出来るまでの手持ち無沙汰な時間は、適当な女性週刊誌を見てつぶした。
 「ピローン!」と風呂が湧いたアラームが鳴ったので、そのまま寝間着と下着を用意して、風呂に入ろうとして……自分がまだ化粧を落としていなかったことに気づく。
 慌ててシャンプードレッサーに向かってメイクを落とし始めて……鏡の中の顔を見て、自分がやってることに、はたと気づく。
 「な、何やってんだ、俺……」
 別段、これと言って変わったことをしていたワケではない。ごく当たり前の日常的な暮らしを営んでいただけだ。
 ──ただし、大幡和貴ではなく、「袖原美輝」としての。
 「くそぅ……なんだかんだ言って、この3日間で結構慣れちゃったのかなぁ」
 元に戻っても女っぽい行動とったりしたら、シャレにならないのだが……。
 「ま、まぁ、女性の立場での暮らしも、明日までなんだ。もぅ大丈夫だよな」
 そう自分に言い聞かせるように呟きながら、風呂に入る和貴。
 昨日、無理矢理風呂に入らされた時の「指導」が効いているのか、いつものようなカラスの行水ではなく、ややぬるめのお湯に、きちんと肩まで浸かってリラックスする。
 身体の芯にほんの僅かに残ったダルさが、お湯の中に溶けていくように気持ちよかった。
 その幸福な気分のまま、ボディシャンプーとスポンジで全身の肌を磨きあげ、頭髪もシャンプーとリンスをたっぷり使って丁寧に洗う。
 風呂から上がった和貴は、ほとんど無意識に胸を隠すようにバスタオルを巻いた格好のまま、シャンプードレッサーに向かって、眉毛と顔の無駄毛の状態をチェックする。
 元々体毛は濃くない和貴だが、不思議なことに例のネックレスをしてからは髭もまったく伸びていないようだ。化粧水や乳液で手入れしているせいか、つるんとした肌を保っている。
 眉毛のほうは少し不揃いになっていたので、何本か抜いて形を整える。
 鏡に映る自分の顔の、細く弧を描く眉を満足げに見て……再び和貴は我に返った。
 「いや、だから、そこまでする必要ないって!」
 大丈夫だろうか? しかし、土曜日に立場が入れ替わった時は、いきなり和貴の眉も細く整えられていたのだ。そう言えば、昼間うどん屋で見た「和貴」してる美輝の眉は、いつもより太かった気がする。
 それから考えると、明日の夜、ふたりが元に戻れば、この整えられた眉の状態は、美輝の方に移行するはずだから、何も問題はないはずだ。自分は、美輝が行うべき労力を肩代わりしてやっただけなのだ、ウン。
 素早くそう理論武装すると、和貴はさっさと寝間着に着換え、手早くフェイスケアを済ませる。
 (これも、美輝さんの代わりにやってるだけ……あくまで、仕方なく……)
 手入れ後の肌の気持ちよさには気づかないフリをしつつ、念のためピルを水で飲み下してから、今夜は早々に寝てしまうことにした。

 ベッドに入ると、この3日間で慣れ親しんだアロマオイルの香りと、おそらく美輝のものであろう女性らしいほのかな匂いに包まれて、早速眠くなってくる。
 なんだかんだ言って、慣れない「袖原美輝」としての行動(えんぎ)で、緊張してたのかもしれない。
 だが、夢の中までは、自分を偽る必要はない。
 和貴は、ゆっくりの睡魔の腕に囚われていった。

 ……
 …………
 ………………

 その日の夢で、和貴は、短大に入り、大学の授業の傍ら、テニスサークルや合コンに精を出す女子大生の生活を体験することになった。
 時には女友達と一緒に海に遊びに行き、時には合コンで知り合った彼氏とデートする。
 もっとも、その時の彼氏とは長続きせず、キスまで止まりで別れてしまったが。
 2年後、大手の入社試験は全滅し、受かった中で給与面でいちばん条件の良かった今の会社へ就職。
 初出社の日、制服を着て挨拶回りをしているところで……朝になり、目が覚めた。

 ◇ ◆ ◇ 

 目覚めた時の体調は、昨日までと異なり気分爽快だったが、何か大切なことを忘れているような気がして、和貴は首をひねった。
 (確か……ヘンな夢を見たような気がするんだけど……)
 どうしてもその夢の内容が思い出せない。
 とは言え、今日は平日だ。いつもより早めに目が覚めたからと言って、あまりゆっくりしている暇はない。
 思いだせない夢の記憶を頭の隅に追いやると、和貴はベッドから起き上がって、テキパキと着替え始めるのだった。

 とりあえず、あまりにも可愛い系の服は避けて、かといって本来の「袖原美輝」のイメージを極端に壊し過ぎない程度にはフェミニンな服装を、手早くタンスから選び出す。
 ルゥデルゥブランドの大きめの襟の白いブラウスにドットスカーフをネクタイ風に締め、その上からレースをあしらったノーカラーのボーダージャケットを羽織る。
 ボトムは、一見ティアードスカートに見える黒のショートパンツと、40デニールのベージュのタイツだ。
 普段通勤に5着の背広の上下を順繰りに着回して済ませているものぐさな青年だとは、とても思えないセンスと手際の良さだった。

 昨日コンビニで買ったツナマヨの手巻きを食べ、レンジで温めた烏龍茶をすすりながら、何気なくテレビの天気予報を見ていると、どうやら午後から雨が降るらしい。
 「傘を持って行ったほうがいいのかな?」
 幸い、玄関脇の傘立てスペースに花柄の折り畳み傘があったので、押し入れで見つけたキャメルカラーのエディターズバッグを持つことにして、その中に入れておく。
 一昨日美輝から受けたレクチャーを思い出しつつ、最低限のメイクを済ませ、髪もスプレーしてから軽くブロウして整えると、そろそろ出る時間だった。
 靴は少し迷ったものの、雨になることも考慮し、あまりヒールの高くないブラウンのオックスフォードパンプスにしておくことにした。

 マンションの鍵を締め、やや足早に最寄り駅へと向かう和貴。
 カツカツと響くヒールの音が、自分の足元から聞こえるのは、なんだか新鮮な気分だった。土曜日に履かされたロングブーツに比べれば、この程度の高さのヒールなど楽なものだ。
 本人はまったく気づいていないが、颯爽と歩く和貴の姿は、生理が終わった解放感ともあいまって、溌剌と輝いているように見えた。

 電車を見た時、一瞬、昨日の痴漢(?)のことが頭をよぎる。少し表情が翳った和貴だったが、ふと足元の「女性専用車両」の表示を見て、元気を取り戻す。
 (今のオレは「袖原美輝」なんだから、コレに乗る権利があるよな)
 躊躇いもなくそちらの列に並び、やがて来た「女性専用車両」へと乗り込む。
 車内に充満する、女性特有のパヒュームやフレグランスの香りにいったん圧倒されかけたものの、自分も化粧品を使っている今の和貴にとっては、それほど異質な匂いではない。
 むしろ、男性の汗やキツい整髪料の匂いに比べれば、100万倍こちらの方が好ましかったし、痴漢の恐怖に怯える必要もない。
 時々見かけた「もっと女性専用車両を増やそう!」という主張に、共感を覚える和貴だった。

 会社の近くまで来たところで、なんだかボーッとしている美輝を発見する。
 「……おはよう、「和貴くん」!」
 少しだけ迷ったものの、周囲に人がたくさんいることも考慮して、和貴は今の「立場」に沿った名前で呼びかけてみた。
 「ん? ああ、おはよう、「美輝さん」」
 振り返った美輝は、すぐに和貴の意図に気づいたようで、そう返してくれた。
 「昨日の飲み会は、どうだったの?」
 「バッチリ!」
 なんだか美輝はエラくご機嫌なようだ。
 「最初は、知ってるとおりミワ興業のお得意さんと打ち合わせがてらご飯食べてたんだけどね。そのあと課長たちにキャバクラに連れて行ってもらったんだ!」
 「へぇ~」
 それがどう言うものかおおよその知識はあるが、和貴自身は飲みにそれほど金をかけないタイプなので、まだキャバクラというものを体験したことはない。
 「おもしろかったよー」
 しかし、アレは一応男性向けのサービスだろう。女性が行っても楽しいモノなのだろうか?
 「別にお店自体はフーゾクってワケじゃないからね。綺麗なお姉さんと会話をしながら、楽しくお酒を飲むトコロだよ」
 確かに、間違ってはいないが……。
 「ボクについてくれた女性がね、すごく素敵な人でさぁ。話もすごく盛り上がったんだぁ」
 そう言えば、キャバクラでモテるためのコツは、金払いもさることながら、いかにホステスと巧みに会話できるかだと聞いた記憶が、和貴にもあった。
 「そりゃ、「和貴くん」なら、女性心理も女の子の流行もバッチリだもん。意気投合するわけだよ」
 「ニャハハ……まぁね。ちょ~っとズルいかも」
 そんな風に話をしながら、ふたりは会社に着いた。

 「じゃあ、また後でね!」
 「大幡和貴」の席に向かう美輝と別れて、和貴は女子更衣室に入った。
 「あ、おはようございます、美輝センパイ」
 「! おはよう、こ…明子ちゃん」
 小杉さん、と言いかけて慌てて呼び方を変える。
 美輝の2年後輩にあたる、和貴と同期入社の小杉明子だ。
 明子はもうほとんど着替え終えていたので、彼女の下着姿を見て動揺するようなメに遭わずに済んだのは幸いだった。
 「──明子ちゃん、昨日休みだったみたいだけど、身体の方はもういいの?」
 和貴も制服に着替えつつ、何も会話しないのも変かと思い、無難な話題をフッてみる。
 「はい、単にアレがちょっと重かっただけですから。センパイの方は大丈夫なんですか? 先週の金曜日お休みされてましたよね」
 「ええ、もう平気。でも、今回のはすごく重くてホント苦しかったわ」
 まぎれもない実感がこもった言葉に、明子は心底同情した風に頷く。
 「大変でしたねぇ。センパイ、いつもアレの時は辛そうですけど、お薬とか飲まないんですか?」
 「鎮痛剤と体質改善のためのピルを少し、ね。でも、痛み止めが効きにくい体質らしいのが、悩みの種なのよねー」
 そんな風に明子と気安く会話できる自分に、和貴は内心驚いていた。
 これまで和貴は、小杉明子のようないかにもキャピキャピした女の子っぽいタイプの女性と話すのは、どうも苦手だったのだが……。
 けれど、こうして「袖原美輝」として同性の立場で話してみると、案外礼儀正しいし、先輩思いで優しい普通の「いい子」なのだ。
 結局、「美輝」が着替え終わるまで、明子も女子更衣室に留まり、ふたりは仲良く雑談しながら、各々の席──と言っても隣り同士だが──へ向かうこととなった。
 席に着いた和貴が、斜め向かいにある本来の自分の席にチラと目をやると、美輝は意外な程キリリと引き締まった顔でパソコンに向かい、何かの文書を作成しているようだった。
 その表情に、ほんの一瞬だけドキリとしたものの、その理由がわからず、内心狼狽える和貴。
 慌てて目を逸らし、自分の──美輝のパソコンに意識を戻す。ポチポチと、本来は美輝がするはずだったデータ整理をしていると、ふと右側からの視線を感じる。
 「──何か用かしら、明子ちゃん?」
 キツい口調にならないよう気をつけながら、小声で隣席の「後輩」に聞く。
 「いえいえ~、なんでもないです。何だかセンパイが熱い視線を大幡さんに送ってるなーなんて、別に思ってないですよ?」
 ニコニコと邪気のない笑みを浮かべる明子に、何と答えればいいのかわからない。
 「……業務時間中だから、私語はほどほどにね」
 そんな風に誤魔化してしまったが、これでは明子の疑惑を認めたも同然だろう。
 (まぁ、どの道、昨日で噂になってるし、いいか)
 とりあえずその事は頭の片隅に棚上げして、仕事に集中するのだった。
 
 「「美輝さん」、お昼、いっしょにどう?」
 「──えぇ、いいわ。行きましょ」
 何かを期待しているように目を輝かせている明子は、あえて無視して、今日も和貴は美輝ともに出かける。
 無論、今日は昼食よりも例の露店に行く方が本題だ。

 ところが……。
 「──雨、降ってるね」
 「──うん」
 天気予報では午後からとあったが、少し早めに降り出していたようで、会社を出てすぐにふたりはUターンして傘を取りに戻るハメになった。
 「えっと……常識的に考えると、露店って雨の時は普通やってないよね?」
 「まぁ、そうだろうね」
 「「…………」」
 嫌な沈黙が落ちる。

 それでも、一縷の望みを託して、会社から歩いて10分程の場所にある繁華街の一角──例の露天商が店を開いているはずの場所を覗いてみたのだが……。
 当然ながら、そこには誰もいなかった。
 「えーと……そうなると、来週の火曜日まで、このままってコトになるんだけど……」
 傘の下、その場所を無言で見つめる和貴の背中に、美輝はおそるおそる声をかける。
 「……」
 「その……まさかこんなコトになるとはね。ははは……」
 「…………」
 「あのぅ……和貴クン?」
 「………………プッ!」
 あまりに美輝の口調が申し訳なさそうだったので、和貴は思わず噴き出してしまった。
 「大丈夫、怒ってないから。雨が降ったのは美輝さんの責任じゃないでしょ。それとも、密かに雨乞いでもしてたの?」
 「まさか! まぁ、「確かに男性としての暮らしはちょっと面白いなぁ」とか、「もうしばらくこのままでもいいかな~」とは思ってたけどさぁ」
 「ヲイヲイ……」
 ノリで物事を進める美輝らしい答えに呆れる和貴。
 「ま、まぁ、それはソレとして……和貴くんの方は大丈夫? どうしても「袖原美輝」を続けるのが無理なら、最終手段として有給取ってひきこもるって手もあるけど」
 とは言え、旅行その他で有給を消化する機会の多い美輝にとって、それは断腸の思いだろう。
 「いや、さすがにそこまでするのは申し訳ないよ。昨日今日で、美輝さんの仕事の要領は大体つかんだつもりだし、何とかなると思うよ」
 「本当!? いやぁ、そうしてもらえると二重の意味で助かるよ!」
 有給休暇を減らさず、かつ仕事も片付けてもらえるからだろう。和貴は苦笑した。
 「ま、ポジティブに考えれば、女性の生活とか本音を垣間見るいい機会だし。何事も経験だと思って頑張るさ」
 「うんうん、異性としての生活なんて、滅多にできない経験だもんね。それじゃあ、「美輝さん」、あと一週間、よろしくな!」
 「はいはい。「和貴くん」も、お仕事キチンと片付けてね」

 こうなったからには色々話し合うべき事柄があるのだが、さすがに今は時間が足りない。ふたりはとりあえず、そのまま近くの牛丼屋で手早く昼食を済ませて会社に戻り、テキパキ仕事を片づけてしまうコトにした。
 本来の業務とは違う仕事だが、人間、やる気と集中力があれば、多少の困難は乗り越えられるものらしい。
 おかげでふたりとも、いつもより早めの19時過ぎに退社できる状態になっていた。

 「「それじゃあ、お先に失礼しまーす!」」
 他の社員達に揃って声をかけ、連れだって会社を出る様は、もはや言い訳しようのないカップルだったが、この際、気にしてはいられない。
 今日は、和貴のアパートで、今後のことについて話し合うことになっていた。
 「とは言え、基本的には、この二日間と同じようにしてたら、大きな問題はないと思うんだよね」
 「うん、そうだね」
 美輝の言葉に頷く和貴。
 人目がある場所では互いの立場になりきって行動すること。ただし、自宅では自由にしていいこと……といったいくつかの事柄を、チラシに箇条書きに列挙して確認していく。
 「こんなトコロかな。和貴くんは、何かほかにある?」
 「ううん、コレで問題ないと思う」
 書いた「決まり」を互いのケータイで写真に撮り、いつでも確認できるようにする。
 だが、ふたりは気づいていなかった──「自宅」と言う言葉で本来とは逆の場所を自然に思い浮かべていること。そして、「お互いのフリをする」ではなく「立場になりきる」と決めてしまったことが、どんな結果をもたらすのかを。

 一通りの確認が終わると、ごく自然に和貴は部屋を出て「美輝」の部屋へと「帰り」、美輝は「和貴」として駅まで「彼女」を送る。
 ふたりとも、ことさらに意識せずとも、現在の立場(スタンス)にふさわしい行動をとれるようになりつつあった。

 ◇ ◆ ◇ 

 翌日からのふたりの生活は、波乱万丈──とはおよそ逆の方向性に流れることとなった。
 無論、何と言っても本来は「他人の立場」であり「他人の暮らし」だ。不慣れなことや新鮮なことは多々あったが、それらすべてをひっくるめて、「穏やかだが充実した毎日」を、ふたりは送っているのだ。

 「大幡和貴」としての美輝は、変わり映えのしない美輝の業務と比べて、それなりに変化に富んだ毎日の仕事に、意欲的に取り組み、それなり以上の成果をあげている。
 以前よりも、明るく、元気かつ「男前」になったと、「和貴」個人に対する周囲の評価も右肩上がりだ。

 対して「袖原美輝」として働く和貴は、ルーティンな日々の業務や雑用にも、持ち前の細やかな気配りを忘れず、ややガサツなところのある美輝の株を大いに上げることになる。
 実のところ、草食系であまの出世欲のない和貴自身、本来の仕事に比べて今の方が気が楽だな、と感じていた。
 気持ちは自然と表に出るもの。本来の美輝が仕事を蔑ろにしていたワケではないが、同時にどこかくすぶるものがあったのも事実だ。そういう面がない「美輝」の方が好印象を受けるのも、無理もないことだった。
 仕事以外についても、積極的に女性週刊誌やファッション誌を買って目を通しているおかげか、後輩の明子をはじめとする女子社員とも、意外なほど順調にコミュニケーショがとれている。
 元の和貴はあまり社交的とは言えなかったのだが、この「女子社員コミュニティ」では「気配り上手なやさしいお姉さん」としてのポジションを獲得したようだ……本来の美輝の立ち位置とは微妙に異なる気もするが、いた仕方あるまい。

 「もしもし、袖原です……あ、今日子? うん、久しぶり~。え、土曜日? 一応暇してるけど……うん、行く行くー!」
 プライベートについても、それは同様で、木曜の夜、美輝の友人から電話があったのだが、和貴はそれほど慌てることなく「美輝」として対応できるようになっていた。
 その「美輝の友人」の女性に誘われて、週末の土曜日に、和貴は一緒にショッピングに出かけることになった。
 「はろはろ~!」
 「あ、今日子、おひさ~」
 待ち合わせ先で、すんなり「短大時代からの友人」を見つけた「美輝」は、その不可解さにまったく気づいていなかった。
 「今日子のワンピ、もしかしてピンキーガールズ? 相変わらず姫系好きなんだ」
 「アンタは珍しく落ち着いたカッコしてんね。それ、ピンカール?」
 「惜しい! ルゥデルゥだよん。ちょっとオトナを目指してみました~」
 「ふーん……結構いいじゃん。前のリズリサも悪くなかったけど、そっちの方が今の美輝には似合ってるかな」
 「えへへ、そう?」
 同世代の女性に褒められたことで、自分のファッションセンスに多少なりとも自信を持つ「美輝」。
 女ふたりの休日のショッピングとなると優に半日近くかかるのが当り前だ。
 かつての和貴なら、ソレに付き合うのには多大な苦痛を伴っただろうが、いまの「美輝」にとっては、店から店へと色々見て回るだけで楽しいという気持ちが、十分理解できた。
 実際に買った物の数は少なかったが、楽しい時間を過ごせて「美輝」は満足だった。
 少し早めの夕飯後に、ふたりでカラオケに入る。リモコンで予約する曲は女性ヴォーカルのものがほとんどだったが、今日子はともかく「美輝」も、自分でも驚くほど自然にPerfumeやAKBを歌いこなしていた。

 今日子と別れて「美輝」が「自宅」に帰ったのは、9時を少し回ったころ。部屋着に着替えたのとほぼ同時に、ケータイに電話が入った。
 「はい、もしもし、袖原です」
 「ヤホ~、和貴くん、元気?」
 本物の美輝にそう呼ばれることで、急速に「美輝」の意識が和貴としての自覚を取り戻す。
 「う、うん。まぁ、ね」
 まさか「ついさっきまで、貴女の友人と楽しく遊んでました」とは言いづらく、言葉を濁す和貴。
 そんな和貴の葛藤も知らず、美輝は明日の日曜日に、会って話をしないかと誘いをかけてきた。
 「まぁ、ありていに言うと、「美輝さん」へのデートのお誘い、かな」
 「え!?」
 声色を低く変えた「和貴」のそんな言葉に、ドキリとする「美輝」。
 1も2もなく明日の件を了解し、待ち合わせ時間と場所を決めて、「美輝」は電話を切った。

 ふたりの「初デート」は、「喫茶店で待ち合わせ→繁華街をブラつく→映画→食事」という、ごくあたり障りのないものだったが、それだけにとくにトラブルもなく、楽しい半日をふたりは過ごすことができた。
 「いやぁ、まさか「美輝さん」が、ホラーが全然ダメとはねぇ」
 映画館の様子を思い出して、人の悪い笑みを浮かべる「和貴」。
 「もぅっ、言わないでよ! いい歳してお化けが怖いなんて、カッコ悪いって自覚はあるんだから」
 羞恥半分怒り半分といった様子で抗議する「美輝」。映画館で、悲鳴をあげて思わず「和貴」の腕に抱きついてしまったので、誤魔化す余地もなくなったのだ。
 夕食後、とりあえず「この一週間の互いの仕事関係の情報交換」をしてはみたものの、あくまで通り一辺倒の形式的なものに過ぎなかった。本当は、そのことを口実に互いに会いたかったのだ……と、ふたりとも理解していた。

 ◇ ◆ ◇ 

 そして迎えた翌週の火曜日。ようやくふたり揃って問題の露天商と会うことができたのだが……。
 「うーん、このアクセかぁ。コイツは個々のネックレスで呪文が違うらしいから、ちょっと調べてもらわないと、わからないなぁ」
 露天商に告げられた言葉は無情だった。
 一応、製造元の職人にかけあって、呪文のパターンについては聞いてみてくれるそうなので、まるっきり見込みがないワケではないが、少なくとも今日明日に返事があるとは思えないとのこと。
 そういう理由なら、これ以上粘っていても仕方がない。
 代表として「和貴」のメアドを伝えて、呪文がわかったら連絡してくれるように依頼して、引きさがるしかなかった。

 「──ねぇ、ワタシたち、ちゃんと戻れるよね?」
 まるで、ふたりが元に戻ることを阻むかのような障害の連続に、さすがに少し不安になってきた「美輝」。
 「大丈夫だって。店の人にはちゃんとお願いしてあるんだし、製造元にかけあってもらえば、多少は時間がかかるかもしれないけど返事はくるって」、
 いつもカルいノリの「和貴」だが、さすがに茶化すことなく「美輝」の肩を抱きながら、優しくなだめる。
 おかげで、少し涙目になっていた「美輝」も落ち着きを取り戻したようだ。
 「ありがと……。恥ずかしいトコロ、見せちゃったね」
 「いやいや、「美輝さん」の可愛いところを堪能できて、ボクとしては大歓迎だよ」
 おどけつつも愛情の籠った目で「和貴」に見つめられて、「美輝」は知らず知らずに頬が赤くなった。
 「……ば、バカ」
 「和貴」の視線にドキドキして、そっと目を伏せようとしたところを、思いのほか強い力で抱き寄せられ、狼狽える「美輝」。
 「な、なに……ンムッッッ!」
 時間にして、ほんの数秒。触れるだけとは言わないまでも、決してディープではない、それでも情熱の籠った口づけだった。
 そしてソレは、ただでさえ不安定に揺らいでいる「美輝」──和貴の自己認識を強烈に揺さぶるに足る一大事件だった。

 唇を、奪われた。
 目の前の「男性」に。
 でも……イヤじゃなかった。
 むしろ、とても
 なぜ……?

 色々な想いがグルグルと脳裏を駆け巡っている「美輝」は、「そろそろ会社に戻ろうか」と言う「和貴」に黙って頷くことしかできない。
 「会社」までの途中、隣りを歩く「和貴」を何度も盗み見ては、「どうしてあんなコトを」とか思い悩んだり、「なんでこんなに平然としてるの?」と恨めしげに見上げる「美輝」の様子は、どこからどう見ても「恋する女」そのものだった。
 そして、この出来事と前後して、社内では「ふたりの仲」は公然の秘密になっていくのだった……。

 ◇ ◆ ◇ 

 「大幡~、例の三光商事の件、どうなってる?」
 「バッチリっす! 先方の課長さんレベルでのOKをもらってます。来週、正式に向こうと書面交わしに行く予定です」
 「よし、でかした!」

 「ふぇーん、美輝センパーイ、ここの計算がどうしても合わないんです。助けてぇ~!」
 「明子ちゃん、これはね、ココをクリックして……ほら」
 「あ、なーんだ。すみません、ありがとうございます」

 「大幡和貴」と「袖原美輝」は、それぞれの「立場」に応じて、かつてと同様──いや、それまで以上に職場に馴染んでいた。

 露天商にコンタクトをとってから半月あまりが経過していたが、いまだに連絡はなく、ふたりは元に戻っていない。
 当然、「大幡和貴」として扱われている方が本来は美輝であり、「袖原美輝」として働いている方が和貴なのだが……。
 事情を知らない(そして首飾りの影響を受けていない)人間が、いまのふたりを見ても、ふたりの本当の性別を正しく言い当てることは困難だろう。
 単に、「大幡」と呼ばれた人物が背広を着て、「美輝」と呼ばれた人物が会社の女子制服を着ているから、というだけではない。

 「和貴」の短く刈り込んだ髪や意志の強そうな太い眉、自信にあふれた眼光、そして力強い大股の歩き方は、「仕事に打ち込み、成果をあげている男」そのものだ。
 「以前」と比べて確実に男ぶりを上げたと他の社員、とくに女性から好評なのだが、残念ながら「彼」には公認の相手がいるため、誘いをかける女性はいなかった。

 一方、「美輝」の変化の方は、さらに劇的と言ってもよいかもしれない。
 たった半月あまりで、肩にかかる程度だった「彼女」の髪は、すでに背中の半ばまで伸びている。職場では、その後ろ髪をひとつに編んだのちシニョンにしているが、勤務時間外では解いて自然に流していることが多かった。
 メイクも、かつての美輝とは異なりナチュラル志向ではあるが、大人の女性として恥ずかしくない程度にはキチンと整えている。
 言葉づかいや声色も、「以前」と比べてさえ随分と柔らかくなった。「彼女」の言葉を録音して聞いても、100人中99人が「若い女性のものだ」と判断するだろう。
 こちらも、男女問わず好意的に迎えられ、しかも「和貴」と異なり、何度か実際に男性から誘いを受ける機会もあったのだが、「美輝」は一貫して断っていた。

 この変化は、この半月の間に「美輝」が2度目の生理を経験したことも、関係しているのかもしれない。
 当然、「美輝」は苦しむハメになったのだが、前回の経験で多少は慣れたのと、親しくなった「和貴」が公私両面で色々気遣ってくれた(生理中は毎日お見舞いに来てくれた)おかげで、以前よりは心身共に楽にやり過ごせたのだ。
 そして、改めて生理を(しかも今度は最初から)経験したことで、「美輝」の中の「女としての自覚」はますます深まることとなった。
 さらに、生理中は毎夜のごとく、美輝の「過去」を、高校生、中学生、小学生と時代を遡って夢に見たことも、影響しているのだろう。。

 「美輝」の2度目の生理が終わった数日後、「美輝」は「和貴」に誘われ、ふたりで飲みに出かけた。
 その時の様子は、見ていた明子などに言わせると「美輝センパイ、花がほころんだみたいに嬉しそう」とのことで、「美輝」に未練があった若手男性社員のハートをアッサリ打ち砕くことになった。
 ふたりは、「和貴」が見つけてきた、雰囲気も料理の味も悪くない洋風居酒屋で乾杯と歓談を続ける。
 毎日顔を合わせているのに、話したいことはいくらでもあった。
 そして、時に会話が途切れても、互いの顔を眺めているだけで、何となく満ち足りた気分になれるのだ。
 そうして、ふたりともホロ酔い気分になった頃、「和貴」が少しだけ真剣な口調で切り出した。
 「今更改めて言うのもヘンな気分だけど……「美輝」さん、僕とつきあってくれないかな? そのぅ……恋人として」
 「え……」
 思いがけない──いや、密かに期待はしていても、まさかと思っていた言葉を聞いて、同様する「美輝」。
 「和貴」の真面目な顔を見て、聞き間違いではないと確信すると、思わず胸がいっぱいになって、何も言えなくなる。
 ただ、頬を真っ赤に染めてコクコクと頷くことしかできなかったが、それで「彼女」の気持ちは十分に伝わったようだ。
 「──ふぅ、よかった。断られないだろうとは思ってたけど、やっぱり、ちゃんと返事をもらえると安心するね」
 豪気な「和貴」も、どうやら多少は緊張していたようだ。

 その後は、それまで以上に楽しく酒肴が進んだ。
 酒豪の「和貴」はもちろん、恥ずかしさからか口数が極端に減った「美輝」も、ソレを誤魔化すように杯を重ねる。
 ……が、やはりそれで少し飲み過ぎたようだ。すっかり酔ってしまった「美輝」を「和貴」は部屋まで送ることになった。
 勝手知ったる「他人」(元の自分)の家、「美輝」に肩を貸して部屋に連れて来るのは容易だったが、少しだけ違和感を感じる「和貴」。
 (……! そうか、背だ)
 以前、ネックレスを使った初めての日にも、こうして「彼女」に肩を貸して歩いたが、その時は自分の方が多少背が低く、下から支える形になった気がする。
 それなのに、今は「美輝」がヒールのある靴を履いているにも関わらず、自分とほぼ目線が同じなのだ。
 (もしかして、「美輝」さんの身長が縮んでる? いや、僕の方が伸びてるのかな)
 正解は、その両方なのだが、その時はまだふたりともわからなかった。
 (これなら、ひょっとして……)
 「美輝さん、ちょっとゴメン」
 部屋の前まで来てドアを開けたところで、「和貴」は姿勢を変えて、右腕を「美輝」の両脇に通し、チャコールグレーのストッキングに包まれた脚に左腕をかけると、それを払うようにして、抱き上げる。いわゆる「お姫様抱っこ」の姿勢だ。
 思った以上に「美輝」の体重は軽く、長時間はムリだが、多少の見栄を張ることはできそうだった。
 「あ! か、和貴くん……」
 さすがに驚いたのか「美輝」の酔いも少し醒めたようだが、それでも「彼女」は抵抗しなかった。むしろ、嬉しそうに「彼」の首に腕をまわしている。
 「和貴」は「美輝」を抱いたまま、部屋の入口を通る。ドアは自動ロックなので、施錠を気にする必要はない。
 「和貴」は、リビングに来ても「美輝」を降ろさず、そのままベッドルームまで運ぶ。そして、「美輝」を、ベッドの上にそっと降ろした。
 「う……かずき、くん」
 頭に血が回ったせいか、それまで以上に赤い顔で「美輝」はベッドの上で身じろぎする。
 「あつい……の」
 酔った勢いも手伝って、「彼女」が自ら誘うようにワンピースのボタンを外すと、胸元からチラリとブラジャーのラインが覗き見える。
 「美輝!」
 しどけなく乱れた「美輝」の格好に興奮を抑えきれなくなった「和貴」は、そのまま「彼女」に覆いかぶさった。気持ちを確かめるようにゆっくりと唇を奪う。「美輝」の唇も、それに応えていた。
 お互いの唇が重なり求め合う中、「和貴」の舌が口の中に入ってきたときも、「美輝」にはもう、なんのためらいも尻込みもなかった。
 「和貴」は、右手を「美輝」のワンピースのすそへと這わせ、ストッキングに包まれた脚を愛撫し始める。
 その一方で、左手で「美輝」の髪を撫でつつ、唇を頬の上に走らせ、耳たぶを軽く噛み、さらにうなじをチロチロと舐める。
 「美輝」はもう、それだけで耐えられず、体をのけぞらせて声をあげていた。自らの耳に届くその声は、まごうことなく、発情した「雌」の声だった。
 「和貴」の唇は、さらに位置を変え、鎖骨の辺りに舌を這わせる。同時に、右手は「美輝」のまろやかな尻や太腿などを優しく揉みしだき、左手は露わになったブラジャー越しに乳首をつまみ、刺激する。
 すでに「美輝」の口からは、意味を為さない喘ぎしか漏れ出てこない。かろうじて時折「和貴」の名前を切なげに呼んでいるのが聞こえる程度だ。
 執拗に「女の弱い場所」を攻めたてた後、さらには「和貴」は肌蹴た「美輝」の胸元からブラジャーをズラし、可憐なその桃色の蕾を露出させる。
 そして、左手で片方の乳首をいらいつつ、舌先で逆の乳首を念入りに愛撫する。
 「やっ……かず…く、ん……やめっ…て……あっ、あっ……あぅっ!」
 それだけで、どうやら「美輝」は軽くイッてしまったようだ。
 無論、それで終わりではない。
 「和貴」は「美輝」のスカートをめくりあげ、履いているレースのショーツに指をかけ、ずり下ろす。
 こうなることを予想、いや期待していたのか、今日の「美輝」はパンストではなくガーター&ストッキングなので下着を脱がせるのも楽だった。
 ショーツの下には、「美輝」の秘部が隠されていた。
 股間には、「彼女」の本来の性別を表す突起と球体がついているのだが、不思議なことに、これだけ感じているにも関わらず、そちらはほとんど堅くなっていない。
 しかし……性器とアナルのあいだ、嚢部分の付け根のすぐ下あたりが、ヌルヌルとした液体で濡れているのだ。
 「ふふふ、やっぱり。ビショビショだ」
 「あぁ……み、見ないで……」
 「だーめ。美輝さんのこんな可愛いトコロ見れるのは、僕だけなんだから」

 ……
 …………
 ………………

 その夜、「美輝」は幾度となく「和貴」の腕の中で、絶頂を極めることとなったのだった。

 ◇ ◆ ◇ 

 初めて結ばれた夜から1年後。ふたりは、元に戻れない──いや、戻らないまま結婚式を迎えていた。
 頼もしい旦那様となった「和貴」の隣りで、「美輝」は純白のウェディングドレスをまとい、輝くような笑顔を見せる。
 そして、新婚旅行先のホテルで初夜を迎えたふたりが翌朝目を覚ますと、不思議なことにあのネックレスはふたりの首から消えていた。
 一瞬焦ったものの、その後も周囲の反応に変化はなく、「美輝」は美輝として、「和貴」は和貴としてキチンと認識されているようだ。
 「これって、今の状態が僕らの「本来あるべき姿」ってことなのかな?」
 「ふふふ、きっとそうなのよ」
 ふたりは顔を見合わせて、微笑み合った。

 さらに翌年の春、「美輝」――いや、今や名実ともに美輝となった「彼女」は会社を辞めて専業主婦となっていた。
 だいぶ膨らんできたお腹を抱えつつ、家事に勤しむ。時折、胎内で我が子が動くのを感じると、自然と笑みがこぼれた。
 
 ──ピンポーン!

 「ただいまー!」
 「あ、お帰りなさーい!」
 夕方帰宅した夫の和貴を、新婚1年目と変わらぬ熱烈な抱擁とキスで出迎える。
 もちろん、毎朝出かける際の「玄関先でのチュウ」も欠かさない、熱々カップルぶりだ。
 ただし、同じく新婚さんの定番(?)である「あなた、お風呂にする? ご飯にする? それともワ・タ・シ?」は、美輝が妊娠して以来、しばらくご無沙汰だった(逆に言うと、それまではシッカリ質問してたらしい)。
 「今日の晩御飯は、な・に・か・な?」
 あまり家事、特に炊事関係が得意ではなかった元・美輝の和貴と異なり、元・和貴の美輝は、学生時代からひとり暮らしでそこそこ家事スキルがあった。
 さらに、嬉し恥ずかしの「新妻」にして「専業主婦」となった今は、料理を中心に日々精進を重ねており、旦那の贔屓目なしにも十分「お料理上手」と言ってよい領域に達しつつあった。
 「今夜は、ヒラメのムニエルとお豆腐とヒジキのサラダ。あとはグリーンピースとジャコの炊き込みご飯ね」
 無論、自他共に認める愛妻家である和貴は、何を作っても「美味しい!」と絶賛。褒めてくれるのは嬉しいが、どうせなら欠点や好みも指摘してほしい……と思ったりするのが、今の美輝のちょっと贅沢な悩みだったりする。

 「昼間ね、病院に行って来たんだけど……そろそろ安定期に入った、って」
 夕食後、産婦人科医の見立てを恥ずかしそうに夫に告げる美輝。
 そして、その言葉を聞いた途端、ワクワクした様子を隠せない和貴。
 無論、妊娠の判明以来しばらくお預けにしていた「夜の甘い生活」に、久々に励めるからだ。
 食後のお茶を飲んだら、すぐにでも「夫婦の営み」に突入したそうな夫を制して、まずは互いにシャワーを浴びることを美輝は提案する。
 先にシャワーを済ませ、バスタオル1枚の姿で寝室に戻った美輝は、ここしばらく袖を通していなかったシルクの赤いネグリジェに袖を通し、鏡台の前に座った。
 化粧水と乳液で肌を手早く引き締め、ペンシルタイプのアイブロウで眉と目のラインを入れ、最後に、ここ一番の「女のたしなみ」としてディープクリムゾンのルージュを引く。
 「ちょっとお腹がポッコリしてるけど……うん、大丈夫。イケるイケる」
 鏡の中には、自分の目から見ても「妖艶な人妻」と呼ぶにふさわしい「女性」の姿が映っていた。
 ベッドに腰掛けて夫を待つ……までもなく、バスロープ姿の和貴が足早に入って来て美輝を両腕に抱きしめた。そのまま情熱的に唇を奪いつつ、最新の注意をもって美輝をベッドに押し倒す。
 どうやら、久しぶりに妻を抱けることに、興奮を隠しきれないらしい……と、いくらか冷静な思考を美輝が保てたのもそこまでだった。
 「あぁン! ……もぅ、エッチなんだから」
 キスして舌を絡めたまま、和貴の両掌が、薄く透けるネグリジェ越しに美輝の胸をまさぐってきたのだ。
 実は、美輝の身体自体は相変わらず生物学的には男のままなのだが、「妊娠」が判明したころから少しずつ胸が膨らみ始め、多少はブラジャーがその用を為すようになっていた。
 無論、乳房として見れば決して大きくはない、まごうことなき「貧乳」なのだが、それでも揉める程度にはある。印象的には、かつての美輝本人と同じくらいだろうか。
 ちなみに、現・和貴の胸の方は、全体に筋肉質になったのと体脂肪率が激減したおかげで、裸になっても殆どその存在はわからなくなっている。本人的には、「コレで夏場に上半身裸でも問題ないな」と、むしろ喜んでいた。
 和貴が、ゆっくりと円を描くように掌を動かすにつれて、美輝の呼吸が乱れ始める。それに気をよくした和貴は、美輝の胸元をはだけ、乳首を軽く摘む。
 「あン! そこ、ダメぇ……」
 美輝が懇願を口にするより早く、桃色の蕾は、すでに固くなっていた。彼女の反応を見る限り、「小さい胸の方が敏感」という俗説には本当のようだ。
 ふと悪戯心が湧いた和貴が、堅く尖ったしこりの片方を唇でついばみ、舌先で転がしつつ、きつく吸いたてる。
 「ひゃ……ああああぁぁぁッッ!!!」
 たったそれだけで、美輝の全身に強烈な快感のパルスが走った。
 「やぁっ……む、胸ぇっ……胸がおかし……ひああンッ!」
 そして、固くしこった胸の先端に熱い感覚が集中する。
 散々和貴に舐められ、甘噛みされ、吸われ、舌で転がされる美輝の乳首。 その中から「何か」がせり上がってくるような違和感が彼女を襲った。
 「ああっ、熱ぅ…ぃいいいい…! きちゃう……なんかキちゃうのォ……」
 なにかが込み上げるような感覚がどんどん強まり、そして……。

 ――プシャッ!

 ついに、美輝の胸の先端から白い液体――まごうことなき母乳が零れ出したのだ。

 ……
 …………
 ………………

 彼女の身を気遣う夫に優しく抱かれながら、美輝は女としてこの上もない幸福を感じるのだった。

-fin-

-----------------------------------
以上です。
ご覧の通り、さーにん氏の原作や完結版に比べると、我ながらいささか間延びした印象は拭えませんねー。

例によって、R-18にしないために、最後の方のいわゆる「本番」部分の一部描写を「……」で誤魔化しています。
本来はその部分もキチンとテキスト化しておりますので、もし読みたい方がいらっしゃいましたらKCA宛てにメールをお願いします。
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No title

やっぱりKCAさんのハッピーエンド物は素晴らしいです。
ラストの方の甘々テイストは伝家の宝刀ですねw
切れ味抜群WW
その他もろもろ丁寧に描写されていて流石のひと言でした。
完全補完板(勝手に思っています)を見る事が出来て大変満足しております。
これからも応援しています。
私も頑張らないと。

Re: No title

どうもメール&コメント、ありがとうございます。
過分なご評価をいただき、恐悦至極! (バッ! ←一礼している

さーにんさんの続きも執筆進んでらっしゃるようで、ワクテカさせていただきます。

あのスレについては、微妙にシュミが異なる人々が「立場交換」をキーに共存してるので、
仕方ないですよ。自分も、「メイド当主」の頃、何度くじけそうになったことか……。
「要12歳」のころは、すでに開き直ってましたが。

お互い、ボチボチがんばりましょう!

No title

和貴最期はTSしたのか、美輝はふたなり化?
にしても文上手い、もとの人の文と比べるとひとつ上だ。
読み比べて面白かった。
もちろんもとのやつも面白かった。
もとの作者の人のリアルな身内ってあなたの事ではないですよね?

No title

お褒めに預かり恐悦至極。
とは言え、プロに比べればまだまだなので、要修練ですが。

和貴は、本人達の目から見れば(そして本人達が器具などを使って調査すれば)、
生物的には男なのに、他者の観測結果によると「女性」と判断される不思議な状態。
認識のズレというヤツですね。そして、ここまでくるとあながち他者の
認識が間違っていると言えないのかも。

>もとの作者の人のリアルな身内ってあなたの事ではないですよね?
違います(笑)
プロフィール

KCA(嵐山之鬼子)

Author:KCA(嵐山之鬼子)
Pixiv、なろう、カクヨムなど色々書いてます。感想などもらえると大変うれしいです。
mail:kcrcm@tkm.att.ne.jp

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